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トップページ > 最新ニュース > 第26回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 4日目

第26回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
4日目

2016-02-30 更新

yubari26


 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016が、2月28日(日)についにクロージングセレモニーを迎えた。注目のオフシアター・コンペ部門グランプリほか各賞が発表され、壇上ではそれぞれの作品の監督達が授賞の喜びを語った。そのほか、日本最速上映となったクロージング招待作品『レヴェナント:蘇えりし者』舞台挨拶、また、紗倉まな、亜紗美らが登場した「『フォービデンゾーン』マメゾウピクチャーズPresents」トークショーなども行われた。

<クロージングセレモニー>

yubari26 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016も残すところあと1日となった28日(日)、クロージングセレモニーが開催された。本映画祭顧問である夕張商工会議所の沢田宏一会頭による挨拶の後、それぞれの部門の授賞式が行われた。満面の笑みを見せる監督、感激のあまり涙で声を詰まらせる監督など、思い思いに喜びを語る監督たちに、会場からは惜しみない拍手が送られた。授賞作は以下の通り。


【オフシアター:コンペティション部門】

 ・グランプリ『孤高の遠吠』 監督:小林勇貴

◆登壇者コメント

≪監督授賞コメント≫

 うれしいです! これからも映画を作り続けるので、観てください。映画には不良たちにノーギャラで出演してもらったので、何かしてあげたいです。

 見事グランプリを獲得したのは、小林勇貴監督の『孤高の遠吠』。実際の暴力事件をベースにした物語を、本物の不良出演で描いた野蛮極まるバイオレンス・ムービーで話題を集めていた一作だけに、受賞後の会場の反応も大きかった。

 ・審査員特別賞:『脱脱脱脱17』 監督:松本花奈

 ・北海道知事賞:『親切ですね』 監督:ソ・ジェイク

 ・シネガー・アワード:『バイバイ、おっぱい』 監督:鋤崎 智哉

 ・スカパー!映画チャンネル賞:『親切ですね』 監督:ソ・ジェイク

≪審査委員長 柏原寛司 コメント≫

 私はテレビと映画と両方仕事をしていますが、テレビと映画は毒の盛り方が違う。映画はちゃんとお金を払って観客が選択して観に来てくれるものだから、結構毒が盛れる。そういうことも含めていうと、映画は犯罪的であるべきだと思っています。今回のゆうばり映画祭の作品の中では、『孤高の遠吠』がその最たるものだと思います。


【インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門】

 ・グランプリ『かたすみの鱗』 監督:石谷 恵

 ・審査員特別賞:『イカロスと息子』 監督:眞田康平

 ・優秀芸術賞①:『フォトグラファー』 監督:ユ・ジェヒョン

 ・優秀芸術賞②:『ジョニー・エクスプレス』 監督:ウ・キョンミン

 ・優秀芸術賞③:『NEW』 監督:有馬將太


◆囲み取材

 受賞式後は囲み会見を実施。本映画祭のコンペティション部門審査委員長で映画『さらば あぶない刑事』などで知られる柏原寛司が、『孤高の遠吠』のグランプリ受賞理由について語った。「既成概念にない素の魅力があり、荒削りの部分がいい」と述べると、檀上でメンチを切っていた小林の顔がほころび、静かに喜ぶ姿が印象的だった。

 次回作の構想について聞かれると、すでに不良ものの作品を制作中であることを明した小林。反対に不良もの以外の作品の制作について質問が及ぶと、「“屈しない人”をすごく(撮りたい)。やり遂げたい人に興味があって。反攻者ですよね。そういう人と映画は相性がいいと思ってます」と言及し、会見は終了した。

<北海道トークスペシャル>

 昨年に引き続き、北海道にゆかりの深いゲストによるトーク企画が実施された。今回の登壇メンバーは、秋元克広札幌市長、鈴木直道夕張市長、クリエイティブオフィスキューの鈴井亜由美代表取締役、本映画祭実行委員長の澤田直矢。「エンターテイメントで地域連帯 ~映画・食・ひと~」をテーマに、北海道愛の強い登壇者たちで熱いトークが展開された。
yubari26 秋元市長からは「北海道の魅力を札幌から発信していく」ことの重要性や実績、鈴木市長からは映画文化やロケセットなどを活用した今後の展望が明かされた。また、大泉 洋ら多数の人気タレントを抱える芸能事務所の鈴井氏は、北海道と自社の包括連帯協定をはじめとする取り組みを紹介しながら、「札幌は北海道のハブになるべき」と熱弁。会場からも大きな拍手が巻き起こった。
 トークの後半では、鈴木市長が「北海道ゆかりのメンバーが集まったし、この場で何か取り組みを考えたい」と提案。そこで、今秋札幌市で開催される映像・音楽・IT技術を集めた国際的複合イベント「No Maps(ノーマップス)」と、ゆうばり映画祭とのコラボレーションが目標としてあげられるなど、今後につながる実りあるトークイベントとなった。

<クロージング招待作品『レヴェナント:蘇えりし者』>

 本年度アカデミー賞最多12部門ノミネートの注目作品『レヴェナント:蘇えりし者』が、アカデミー賞授賞式の前日(日本時間)となるこの日、ゆうばり映画祭にて日本最速で一般上映された。
yubari26 上映前の舞台挨拶には、本作の配給元の20世紀フォックス映画の日本代表にして、2007年に有志により開催された「ゆうばり応援映画祭」以来の夕張訪問となったジェシー・リー氏と、夕張市長の鈴木直道が登壇。リー氏は本作のアカデミー賞受賞に関して「良い作品はちゃんと認めてもらいたい、できれば12部門全部受賞してほしい」と語りつつも、「観客の皆さんに楽しんでもらうことが重要なので、オスカーの数にはこだわらないつもりです」と笑顔で答えた。また、本作をゆうばりで上映するにふさわしい作品として熱く語り、映画祭名誉大会長の鈴木も感動していた様子。
 舞台挨拶の後は、本作の音楽を手掛けた坂本龍一からのビデオメッセージ。「極寒の夕張の雪景色の中で、この冷たくて荒々しい映画をぜひ楽しんでください」というコメントの後、会場のムードが最高潮に達したところで上映へと突入した。


◆登壇者コメント

ジェシー・リー(20世紀フォックス映画代表)

 この映画には、夕張とも共通点があると思います。ひとつは雄大な大自然。また、この映画のテーマはサバイバルですが、困難を乗り越え再生に向かってがんばる夕張の皆さんのような、希望も描かれています。そして主演のレオナルド・ディカプリオ演じるヒュー・グラスは、鈴木市長を思わせますね。市長が以前ご自身のことを「無理だと言われると火が点く」と言っていましたが、これはヒュー・グラスとも重なりますし、不可能でも最後までがんばることの大切さは、この映画のメッセージでもあります。

鈴木直道(夕張市長)

 この映画では、不可能だ困難だと言われながらも目標を実現しようという力強い姿が描かれています。夕張の再生に向かって我々にとって、まさにゆうばり映画祭のクロージング招待作品として上映するのにふさわしい一作を提供いただいたと思っています。

<マメゾウピクチャーズ PRESENTS.「フォービデンゾーン」特別トークショー>

 今期から新たな企画「フォービデンゾーン」部門がスタートした。その中の上映作品「名無しの十字架」の監督を務める久保直樹、オフシアター部門作品「Dream Theatar」に出演の亜紗美、そして人気AV女優の紗倉まな登壇による特別トークショーが開催された。
yubari26 久保直樹と言えば1994年に「トラッシュ」でオフシアターグランプリを受賞後、AV監督として大ヒット企画「マジックミラー号が行く!」シリーズの産みの親として知られており、フォービデンゾーン企画のスポンサーでもある人物だ。開始早々、MCの塩田時敏プログラミング・ディレクターから「フォービデンゾーン」について電話で企画の打診があったようで、久保は「企画の提案を受けて恩返しの気持ち」で今回実施に至った経緯を説明。もともと報道ニュースの編集マンだった久保は映画祭でのオフシアター受賞後に当時の審査委員から「君、才能あるから映画監督になりなよ!」と言われたことをきっかけに会社を辞め、そのことを報告すると「本当にやめたの?」と当惑された仰天エピソードを披露し会場の爆笑を誘った。
 トークイベントでは、過激な大人トークから紗倉が好きな映画ベスト5が発表され、紗倉はラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、園子 温監督の「冷たい熱帯魚」を挙げ、特に園作品に関しては「エログロ描写の中で切なさがある。ドストライクな作品」とお気に入りの作品を紹介に映画通の観客たちもうなずく場面も。そして、久保がエグゼクティブ・プロデューサーを務める最新作『KARATE KILL』が話題にあがると、出演の亜紗美、紗倉がそれぞれLAでの撮影秘話や本邦初公開となる本編映像などが公開され、熱気に満ちたトークイベントとなった。
 最後に久保は「映画監督として戻ってこれなかったけど、オフシアターの才能のある子たちに支援していく立場になったのかな、若い子たちにチャンスをあげたい!」とゆうばり映画祭“愛”にを感じる絞めの言葉に自然と拍手が鳴り響いていた。


 ■公式サイトhttp://yubarifanta.com (外部サイト)


▼ゆうばり国際ファンタスティック映画祭とは

 北海道夕張市において開催され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会によって組織、運営されるものである。この映画祭はSF、ホラー、ファンタジー、アドベンチャー、アクション、サスペンス等、イマジネーションとエンタテインメント性豊かなファンタスティック映画を対象としたものである。
 本映画祭の目的は、まだ見ぬ新しい才能の発見・育成や、映画による世界各国間の文化交流・相互理解の促進を通じて、市民、映画人、観客の三者のコミュニケーションによる出会いの場を映画祭が提供することで、日本国内のみならず世界各国におけるエンタテインメント映画の質の向上に寄与することを目指す。


(オフィシャル素材提供)



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