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2012-06-09 更新
原題:The Lady軍事政権が長く続いたビルマ(現ミャンマー)は今、民主化が急速に進展し、国際社会から大きな注目を集めている。そのビルマでかつて「The Lady」と呼ばれていた女性がいる。軍幹部に危険視され、国民が気軽に実名で呼ぶことがはばかられていたためである。彼女の名は、アウンサンスーチー。民主化運動のリーダーであり、その非暴力による民主化と人権回復をめざす闘いを評価され、1991年にアジア女性としては初のノーベル平和賞を受賞した。
通算15年という長きにわたる自宅軟禁生活を強いられながらも、揺るがぬ意思を持ち続けた彼女の姿は、ビルマ国民の希望であり、世界中の人びとの心を動かした。軍事政権との苛酷な闘い、民衆を魅了したしなやかで美しい強さ、そして遠く異国の地で引き裂かれ、その死にも立ち会うことが叶わなかったイギリス人の夫との深い愛……。
激動の半生と知られざる物語がついに描かれる。
アウンサンスーチーを演じるのは、ハリウッドで活躍する世界的女優、ミシェル・ヨー。2007年に作家でもあるレベッカ・フレインの脚本と出会った彼女は、友人のリュック・ベッソンに助けを求めた。初めはベッソンにプロデューサーをオファーしたが、脚本を読んだベッソンが「これは自分が撮るべき」と監督に乗り出し映画化が実現した。撮影前からこの役に魅了されたミシェルは、200時間にもおよぶスーチー氏の映像を入手し、容姿のみならずスーチー氏の話す英語、ビルマ語を完璧にマスター。監督、共演者、更にはビルマ人のエキストラからも「本人そのものだ」と驚嘆の声があがるほどの熱演を魅せる。
ビルマの情勢は今歴史的な変化を遂げようとしている。撮影終了間際の2010年11月13日、アウンサンスーチー解放のニュースが世界に報じられた。2011年民政移管で発足したテインセイン政権はスーチー氏との対話に積極的に乗り出し、ミャンマーの民主化は世界各国からも一定の評価を得ている。旧軍事政権下では選挙参加を認められなかったスーチー氏も、今年4月の議会補選に圧倒的支持を受け当選。ついに国政へ進出する。映画のラストで終わらなかった物語は現実に今も続いているのだ。
1989年に当時の軍事政権は、国名の対外呼称を「ビルマ」から「ミャンマー」と改めたが、アウンサンスーチー氏はこれを認めていないことから、本作では基本的には「ビルマ」、「ビルマ(現ミャンマー)」と表記している。
ストーリー1988年、ビルマ――。英国で幸せな家庭生活を送っていたアウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)は、母の看病のために久しぶりに祖国・ビルマ(現ミャンマー)に戻ることになった。そこで目にしたのは学生による民主主義運動を軍事政権が武力で制圧する惨状……。
そんな中、「ビルマ建国の父」と死後も多くの国民から敬愛されるアウンサン将軍の娘の帰国を聞きつけた民主主義運動家たちがスーチーの元に集まり選挙への出馬を懇願する。不安を抱きながらも民衆の前で立候補を決意するスーチーだったが、それは、ビルマを支配する軍事独裁政権との長い闘いの始まりであり、愛する家族とのひき裂かれた辛く厳しい人生の始まりを意味していた。
(2011年、フランス、上映時間:133分)
キャスト&スタッフ
監督:リュック・ベッソン
出演:ミシェル・ヨー、ヴィッド・シューリス、ジョナサン・ラゲット、ジョナサン・ウッドハウス、スーザン・ウールドリッジ、ベネディクト・ウォン、フトゥン・リン、アガ・ポエチットほか
配給
角川映画
7月21日(土) 角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国ロードショー
オフィシャルサイト
www.theladymovie.jp