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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『チェンジリング』来日記者会見

来日記者会見

2009-02-16 更新

アンジェリーナ・ジョリー

チェンジリング

配給:東宝東和
2月20日(金)より、日劇3ほか全国ロードショー
(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 クリント・イーストウッド監督の最新作『チェンジリング』が公開される。突然行方不明になった9歳の息子を探し続ける深い愛情と権力に屈しない強い意思を持った母親を演じきったアンジーこと、アンジェリーナ・ジョリーが来日し、記者会見に登壇した。『Mr.&Mrs.スミス』(2005)以来、約3年2ヵ月ぶりの来日となった。

まずはご挨拶をお願いいたします。

 今日は来てくださってありがとうございます。この作品は、製作にかかわった全員にとって意義深いものなので、来ていただけてとても嬉しいです。
今回は子供たちも一緒に来日しています。キディランドや公園に連れて行きました。今私が仕事をしている間は、お父さんが子供たちの面倒を見てくれています。きっと楽しんでいると思います(笑)。

第81回アカデミー賞にパートナーのブラッド・ピットさんと共にノミネーションされたことについて、どんな感想をお持ちですか?

 昨年は元気な双子も生まれたし、本当に素晴らしい年だった。今の境遇には本当に感謝しているの。私たちは映画が本当に好きで心を込めて仕事をしているので、成功してもしなくてもその気持ちは変わらないけれど、ブラッドと一緒にノミネートされたことは本当に嬉しいわ。私は子供たちにあまり仕事のことは話さないようにしているので、子供たちは私が『カンフー・パンダ』の仕事しかしていないと思っているの(笑)。
毎日、幸せな瞬間があるの。仕事から帰ってきて、朝目覚めて、子供たちの顔を見るたびに幸せを感じる。私はとても恵まれていると思うわ。

撮影前にどんな準備をされましたか?

 この物語は実話が基になっているのでいろいろな資料を読んだりしてリサーチしたけれどモデルにしたのは私の母なの。母は声も小さくて怒鳴ったりしない人だったけど、子供を守ることにかけてはすごく強い人だった。私の母は2年前に亡くなったけど、この映画を観たブラッドが、私が演じたクリスティンを見て、「お母さんに似ているね」と言ってくれたの。撮影中は母の写真をずっとお財布の中に入れて肌身離さず持っていたわ。

クリント・イーストウッド監督とはどんなディスカッションをされたのでしょうか?

 私は仕事のときはいつも全てのことを冷静に受け止めるタイプだけど、イーストウッド監督との仕事はまるで少女のように喜んでしまった。大好きなの(笑)。彼はスタッフや出演者一人ひとりを尊重してくれて優しく接してくれる方よ。優雅で、優しくて、素晴らしい、偉大な監督だわ。常に笑顔であらゆることを即決で解決してしまうの。だから、誰もが“彼のためなら何でもしよう!”と思ってしまうのね。

20年代のファッションがエレガントで素敵でした。撮影時のエピソードを教えてください。

 当時の女性は帽子を目深にかぶることで象徴されている。シャイな人が多いのね。
ローラー・スケートのシーンではブレーキが無くて大変だったの。5cmのヒールを履いていたのでホントに大変だった。それに、時々監督がわざと私を押したりしたのよ(笑)。

クリスティンを演じる上で、母親の視点から社会問題をどのように見ていたのでしょうか?

 脚本を読んだとき、最初は断ったの。でも彼女のことがずっと頭に残っていたわ。正義を貫く女性、何も出来ない時代に制度や法律さえも変えてしまった女性ということで惹かれたの。私は彼女のような女性に会うためにいろいろな社会活動をしている。クリスティンのような女性が私にインスピレーションを与えてくれるし、私がいろいろな社会活動をしているのも、世界中のそういう女性に会うためでもあるの。日本に来て北朝鮮の拉致事件のことを知ったので、拉致被害者の家族の方たちに是非お会いしてみたいと思っているわ。

あなたにもクリスティンのように信じて疑わないものはありますか?

 これが正義だと思うことに対しては強い意思で向かう。正義感が強いほうなので、信念をもって闘う気持ちは常にあるわ。

共演されたジョン・マルコビッチの印象を教えて下さい。

 素晴らしい俳優だし、知的な人よ。作品の中で長いスピーチのシーンがあるわね。イーストウッド監督は長いスピーチが嫌いな方なんだけど、彼が演じるのを見て、「カットすることはできない。残そう」とおっしゃったの。

この映画を観る人に感じて欲しいことはどんなことでしょうか?

 それぞれ観た方の感じ方は違うと思う。私は、一人の無力な女性が成し得た勇気を見ることで、私たちにも大きな勇気を与えてくれる映画だと思うわ。

ファクトリー・ティータイム

アカデミー賞助演女優賞に輝いた『17歳のカルテ』(1999)、今年『チェンジリング』で主演女優賞にノミネートされたアンジー、パートナーのブラッド・ピットは『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で主演男優賞にノミネートされている。まさにハリウッド最強のカップルだ。いつもは強い女性の役が多いアンジーだが、本作での抑えた演技は見る側に大きな感動を与える。精神的な強さと弱さをうまく計算して演じている。
今回パートナーのブラッド・ピットや子供たちと来日したアンジーは、ラルフ・ローレンのグレーのシンプルなワンピース姿で、美しい笑顔を見せて現れた。家族で来日したこともあって、クール・ビューティーの印象が強いアンジーの魅力的な笑顔がたくさん見られた会見だった。会場に幸せオーラを振りまいていた。
(写真・文:Sachiko Fukuzumi)


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