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『ちょっと思い出しただけ』
東京プレミア上映会

2022-01-23 更新

池松壮亮、伊藤沙莉、尾崎世界観、松居大悟監督

ちょっと思い出しただけchoiomo ©2022『ちょっと思いだしただけ』製作委員会
東京テアトル
2022年2月11日(金・祝) 全国公開

 松居大悟監督が、主演に池松壮亮と伊藤沙莉を迎えて描くオリジナル・ラブ・ストーリー『ちょっと思い出しただけ』。1月23日(日)、本作の公開に先駆けて東京プレミア上映会が実施され、池松壮亮、伊藤沙莉、松居大悟監督のほか、主題歌「ナイトオンザプラネット」を書き出し、映画にも出演するクリープハイプの尾崎世界観が集結。驚きの撮影秘話を明かした。


 公開を目前に松居監督は「この映画は遠くの人に深く刺さりそうな気がしていて、このまま行け!と思っています。全員健康で誰も捕まらず(笑)、無事初日を迎えてほしいという気持ちです」とジョークを交えつつ挨拶。本作はクリープハイプの尾崎が楽曲「ナイトオンザプラネット」を松居監督に送ったことがきっかけで誕生した映画。曲をモチーフに、松居監督が初めて描き下ろしたラブ・ストーリーとなっている。尾崎は映画制作の経緯について「僕らの曲発信で映画が出来るのは面白いし、興奮しました」と喜んだ。

 松居監督が本作をラブ・ストーリーとして制作したのはコロナ禍の自粛期間の影響だそう。「家に籠っていると昔のことを思い出す時間が多くて。そして久々に映画館に来たら昔よりも嬉しい感覚があった。そんな何気ない気持ちを抱きしめられるような感覚の物語にしようと思ったら、恋愛ものになったんです」と本作誕生秘話を明かしている。

 松居監督や尾崎と20代前半を共に過ごした仲という池松は「一緒に同じ本を読んだり、同じ映画を観たり、そんな自分の青春と言っても過言ではない人たちと再会をして、青春に決着をつけようと思ったんです」と久々の黄金トリオ集結に思いもひとしお。


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 タクシードライバー・葉役の伊藤は「内容も構成も面白いし、企画がとても魅力的。松居監督が台本を作るにあたり、私のこれまでの恋愛においての経験をインタビューしてくれて、脚本にそれを反映してくれました。それも含めて、いろいろな方向からの愛を感じる作品だと思っています」と振り返った。


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 池松にとっては久々のラブ・ストーリーへの挑戦だが「なかなか縁のないもので。照れ臭いというか、恥ずかしかった」と照れくさそうな様子。「伊藤さんとは初共演でしたが、照生と葉の6年間を体現しなければならなくて……。僕は人と距離を詰めるのが苦手で、一日に二つくらいの質問をしながら少しずつ距離を縮めていきました」と当時を思い出し苦笑い。伊藤も「私もどうやって距離を縮めようかと……。緊張していて『ラブ・ストーリーは得意ですか?』と聞いたら『はい?』と言われて。質問間違えた!と思ってた(笑)」とエピソードを明かし、場内には笑いが。

 ラブ・ストーリーに照れる池松は、脚本の中で言いたくなかったセリフがあったとか。「『夢で待ち合わせね』というセリフがあったんですけど、恥ずかしくて言いたくなくて。松居監督に『なんでこんなのを書いたの?』と聞いたら『俺、結構言うよ』と言われて……すごいなと」と池松が明かすと、伊藤は「私はそのセリフを言われて嬉しかったです。安心して眠りにつけるから。それを池松さんに伝えたら『え~!』って。いろいろな感じ方があるんだなぁと思いました」と劇中ではリアルな会話劇を繰り広げる二人でありながら、真逆のリアクション。当の松居監督は、「寝ると会えなくなっちゃうから。これだと、ずっと繋がっていられるような気がして……」と反論。それに対し尾崎は、「寝るときは休んだほうがいいです」と冷静にツッコミ、場内には笑いが起きていた。

 ミュージシャン役として出演も果たしている尾崎は「長く活動すると慣れていることばかりになるので、初めてのことは楽しかったです。皆さんにイジられながらも、役割を全うできたかなと思います」と俳優としての手応えを口にすると、池松からは「カットがかかるたびに『俺どう?』と聞いてくるんですよ。それがちょっとうっとうしかったですね(笑)」とイジられ、尾崎もたじたじ。タクシー運転手と乗客という設定で尾崎と共演した伊藤は、実はクリープハイプの大ファン。ゆえに「緊張し過ぎてバックミラーを見れていません。もうガチガチで、待ち時間の沈黙も……」と告白すると、尾崎も「役者の方にしゃべりかけたら悪いのかなと思ってしゃべりませんでした」と初めての現場ならではのエピソードを明かし、伊藤は「チャンスを逃した!」と一ファンとして悔しがっていた。


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 一方、伊藤と池松は車中で会話がはずんだという。池松は「あの話していい?」と伊藤に確認すると「伊藤さんって妖精らしいです」と伊藤のまさかの本性を暴露。「知っていますか? それを車の中で聞いて……なんて返せばいいのか分からず、信じたほうが話も盛り上がるのかなと思って話を合わせました」と驚きの撮影秘話を披露。それに対し伊藤は「占い師さんに『あなたは人間ではない。妖精です』と言われたから! 友達とかにも、そう言われると人間っぽくないって言われて……」と必死に弁明。「池松さん、『ごめんね、気づかなくて』と言ってくれたから、受け入れてもらえたと思っていたのに……」と残念そう。すかさず池松が「いやいや、妖精に会えてとても嬉しかったよ」と感情ゼロで話すと、伊藤は「こんな棒読みってできるんだ!」と爆笑。場内も大きな笑いに包まれた。


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 さらに、映画のタイトルにちなんで、“ちょっと思い出してしまう”エピソードの話に。池松は「絶対この質問くると思った! 難しい……」と悩んでいると、尾崎が先陣を切り「僕は、この池松壮亮のしゃべり方ですね。独特の間とかこの声とか、この人しかいないんですよ。久しぶりにあって思い出しました」とコメント。池松は、「タクシーに乗ってたとき、友達に悩み事を聞いてもらっていて……」と話し出すと、なぜか伊藤が笑いをこらえる様子に。池松は気にせず話を続け「運転手さんが突然振り返って、『君は大丈夫だよ』と言ってくれたことがあったんですよね」と話し終えた瞬間に、伊藤が「それ私の話です!」と横やり。「それ、とっておきの話だったのに!」と池松の横暴っぷりを会場に訴え、笑いを誘っていた。そんな伊藤は子役時代に共演した俳優さんとのエピソードを披露。「つい最近、同じ俳優さんに、当時受けたアドバイスと同じことを言われたんです。内容が“変わらないでそのままでいてほしい”というものだったので、同じことを言ってくださってグッときましたね」と語ると、松居監督は「渋谷の映画館で池松くんたちとよく映画を観ていたので、それを思い出しますね」と青春時代のエビソードを明かしていた。

 最後に尾崎は「僕は自分が聴きたいと思う曲を作っているつもりなので、松居監督も自分が観たい作品を撮ったと信じています。そういう作品を作ってくれたことがすごく嬉しいです」と改めて喜びをコメント。伊藤は「この映画のことがシンプルに大好きなんです。皆さんがこの映画を通して、何を思い出すのかに興味があります。皆さんに寄り添える前向きな作品になっていれば嬉しいです」と明かし、池松は「映画を観ている間だけでも、日々を忘れて作品に浸ってもらえると嬉しいです。コロナ渦という経験を経て、いつか来る夜明けを、映画と共に皆さんと迎えることができればと思っています」とコロナ収束も祈願しながら映画をアピール。松居監督は「マスクをして距離をとっていても、映画館に来て同じ作品を共有する感覚はすごく愛おしいものだと思っています。明日も頑張ろうと思える映画になっていればいいなというのを信じて作りました。よかったら映画と一緒に時間を過ごしていってくれたら嬉しいです」と思いを込め、舞台挨拶を締めくくった。


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(オフィシャル素材提供)



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