インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash




広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『ある町の高い煙突』

『ある町の高い煙突』
茨城先行公開舞台挨拶

2019-06-16 更新

井手麻渡、渡辺 大、城之内正明、松村克弥監督

ある町の高い煙突takaientotsu 配給:エレファントハウス/Kムーブ
6月22日(土) 有楽町スバル座ほか全国ロードショー
ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくば 6月14日(金)先行公開
© 2019 Kムーブ

 文豪・新田次郎の小説を原作に、約100年前に茨城県日立市で、開発を進める鉱山会社とその煙害に苦しむ住民が、対立の末に協力し、世界一高い煙突の建設する史実を描いた映画『ある町の高い煙突』。本作が地元・茨城県内で6月14日(金)に先行公開を迎えたが、15日(土)には、ユナイテッド・シネマ水戸で舞台挨拶が行われ、主演の井手麻渡をはじめ、渡辺大、城之内正明、松村克弥監督が駆け付け、会場は大きな盛り上がりを見せた。


 あいにくの天気にもかかわらず、映画館は朝から超満員! 井手ら登壇陣が姿を見せると、会場は大きな拍手に包まれた。

 本作で映画初主演を果たした井手は「毎日、現場の中心にいさせていただき、役者として今までにない経験をさせていただきました。監督、大さん、城之内さんをはじめ、皆さんに助けていただき何とか乗り切ることができましたし、地元・茨城の皆さん、ボランティアで協力してくださった皆さん、誰一人が欠けても、この映画はできなかったと思います」と感謝の思いを口にする。

 渡辺は劇中、ゲートルを巻いているが、20代前半で映画『男たちの大和/YAMATO』で年少兵を演じた頃を思い出したそうで「懐かしかったです」と、しみじみ。「僕も初めて主演を務めたのは24歳くらいの時。井手くんがこうやって主演をしていて、それを支えられる立場になったのかと思うと、無駄に歳をとったわけじゃないと証明できたのかな。今年で34歳ですが、そういう役回りになったんだな……」と感慨深げだった。

 劇中、吉川晃司が演じる鉱山の社主・木原と対峙する場面があるが、渡辺は「吉川さんは、セリフはあまりないけど、少ない言葉でドスンと攻めてくる。井手くんとタッグを組んで、迫力に負けないようにとガンガン攻めましたが、緊張しました」と振り返った。

 城之内が演じた孫作は劇中、井手演じる三郎と激しい格闘を繰り広げたかと思えば、渡辺演じる加屋には銃を突きつけるシーンも! 「悪いことばっかりしてますね」と苦笑し「三郎とのシーンは(拳が)当たっているように見えず、5~6回、撮り直したんですが、最後の1回で実際に当たってしまって……」と申し訳なさそうに懺悔。井手が「まだお詫びをいただいてないですが……(笑)」とまぜっかえし、会場は笑いに包まれた。

 また、公害問題や男たちの友情といった部分に加え、映画では、三郎と加屋の妹・千穂(小島梨里杏)との淡い恋模様も描かれている。このシーンについて、井手は「僕の撮影の初日が浴衣でのデート・シーンで、クランクインで緊張していたんですが、僕の緊張と三郎の緊張がマッチしていればいいなと思っていました」と述懐。

 松村監督は、三郎と千穂の海辺でのシーンについても言及。原作者・新田次郎の息子で「国家の品格」などのベストセラーでも知られる藤原正彦氏が、映画を観て「素晴らしい」とこのシーンを絶賛していたと明かし、井手は照れくさそうに笑みを浮かべていた。

 昭和38年生まれの松村監督は、幼い頃から東京で大気汚染などの公害を体験しており「新田さんが原作を書いたのも昭和40年代。新田さんは『日本は世界一の公害大国だ』と語り、そのアンチテーゼを込めて。100年前に公害を克服した人たちの勇気と愛を描いたんですが、これがフィクションではなく、実話だということが本当にすごいことだと思います」と熱く語った。

 締めの挨拶では、井手は「映画で僕と加屋さんは、直で対話していきます。いま、直接話し合い、ぶつかり合って解決するということが希薄な現代において、メッセージ性の強い映画になっていると思います」と呼びかける。

 渡辺は「村民とのやり取りで『この煙突を建ててくれたら100年、忘れることはないでしょう』というやりとりが出てきますが、それからちょうど100年が経ってこの作品ができました。100年以上経っても忘れられない物語になっていると思います」と胸を張り、城之内は「1993年に煙突が倒れて3分の1の高さになってしまい、若い世代はもう煙突のことを知らないかもしれません。知らない世代も、156メートルの煙突を知っている人たちも、全員でこの映画を発信していただけたら」と呼びかけた。

 そして、松村監督は「この煙突は日立であり、茨城、いや、日本の誇りだと思います。その素晴らしさをこの映画で全国、世界に広めたいし、世界の映画祭も目指したいと思います」と力強く語り、会場は温かい拍手に包まれた。



(オフィシャル素材提供)



関連記事
小島梨里杏 インタビュー&メイキング映像解禁!
初日舞台挨拶

Page Top