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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『ダゲレオタイプの女』ジャパンプレミア&記者会見

『ダゲレオタイプの女』ジャパンプレミア&記者会見

2016-09-15 更新

黒沢 清監督×タハール・ラヒム

ダゲレオタイプの女dagereo

配給:ビターズ・エンド
10月15日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開!
© FILM-IN-EVOLUTION - LES PRODUCTIONS BALTHAZAR - FRAKAS PRODUCTIONS – LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinéma

 このたび、黒沢 清監督が初めてオール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた最新作『ダゲレオタイプの女』(10月15日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開)の公開に先駆け、9月15日(木)に、トロント国際映画祭から帰国したばかりの黒沢監督と、初来日となる主演のタハール・ラヒムが、記者会見とジャパンプレミア上映の舞台挨拶に登壇した。相思相愛!お互いを称賛し合う笑顔の絶えないイベントとなった。


【プレミア上映会舞台挨拶レポート】

dagereo 『岸辺の旅』や『クリーピー 偽りの隣人』と、世界で高い評価を受けてきた黒沢 清監督の海外初進出作品『ダゲレオタイプの女』。11日に上映されワールドプレミアとなった北米最大の映画祭、第41回トロント国際映画祭にヒロインのコンスタンス・ルソーとともに登壇した黒沢 清監督、主演のタハール・ラヒム。「まるで魔法のよう! とても感動的で、素晴らしい演技、監督も素晴らしい! 本当に驚いた!」(ヴァニティ・フェア誌)などと世界で喝采を浴びたその足で、黒沢監督が凱旋帰国、主演のタハール・ラヒムが初来日。公開を待望していた日本のファンに向けたジャパンプレミアの上映前舞台挨拶に登壇した。

 満席の会場には、この日を待ちわびた、黒沢監督ファン、タハール・ファンの姿が。盛大な拍手に迎えられ満面の笑みで登場する黒沢監督とタハール・ラヒム。

■初めに――

タハール・ラヒム: 日本に来ることができて大変嬉しいです。黒沢監督の作品に出演できて、そしてそれを今こうして皆さんの前でご紹介できることが大変嬉しいです。

黒沢 清監督: タハールは今回初来日なんです。初めて日本以外で撮影して完成したフランス映画を、初めて日本の皆さんにご覧いただくという、なんだか初めてづくしな日になりました。キャリアは長いですけれど、新人監督に戻ったような緊張と興奮をしています。

■トロント映画祭では――

黒沢 清監督: 大きなホールで沢山の方にご覧いただきました。通常、映画祭では途中で出て行ってしまう人も多い中で、誰1人出て行かなかったと思います。でも隣でタハールだけが席を立ちましたね(笑)。

タハール・ラヒム: (はにかんで)ちょっとトイレが我慢できず……(笑)。観客の皆さんは熱心に観てくれていました。上映後のQ&Aにも多くの人が残ってくれ、的を得た質問をしてくれました。“この映画のことをちゃんと分かってくれているな”と感じました。

■完成した映画を観て――

dagereo黒沢 清監督: タハールの表現力がとにかく素晴らしいです。動き、顔の表情、一挙手一投足に引き込まれることでしょう。大げさではなく、彼に注目がいくんです。ここでご覧になった皆さんも彼に釘付けとなると思いますし、この作品で彼のファンが急増すると思います。(監督のその台詞に照れくさそうに手で顔を仰ぐタハール。また、本作のヒロイン、コンスタンス・ルソーについて)本作では、彼女という“ひとつの発見”が出来ました。こんな素晴らしい女優が、フランスに、そしてヨーロッパにいたのか、と皆さんにもご覧いただけると思います。この作品のヒロインに、これ程マッチする人はいないと思います。

タハール・ラヒム: とても美しいラブ・ストーリーでした。普遍的な物語ではあるのですが、それでも従来の“黒沢監督”のテーマが総て詰め込まれています。この映画を観るときに、“黒沢監督がフランスで撮った映画”と観るのではなく、“フランス映画”の一本として観ていただきたいと思います。音楽も素晴らしい。「ブラボー」と言いたいです! そして、黒沢監督の映画に出演できたことに、本当に嬉しく思っています。


■演出について――

dagereoタハール・ラヒム: 黒沢監督の演出は、俳優に簡単な指示をしたあとは、俳優たちに自由にやらせてくれます。1つひとつの動きを細かく決める監督もいるので、そこに関しては、嫌なプレッシャーはありませんでした。監督は撮影初日から最終日まで上機嫌でした。間近で照明の付け方や、動きの付け方を見ることができ、光栄でした。黒沢監督の映像は、いわば“1つの絵を作っていく”ようなものでした。

黒沢 清監督: 上機嫌……でしたか(笑)。50%の脚本、20%の指示で、僕が作った70%のものに、30%の照明部や美術部が付け加えて、いきなり100%の作品に出来上がって現れるのですから、それは誰でも上機嫌になりますよね。


■最後に、観客の方に一言――

タハール・ラヒム: 本作のすべてを気に入ってくれることを期待しています。そして今作を集中して観てください。

黒沢 清監督: オーソドックスな若い男と女のラブ・ストーリーとして十分に満足していただける出来だと信じています。そして、タハール・ラヒムの演技が最初はどう登場し、どういう表情でこの物語が終わるのか、目を皿にしてご覧ください。


【記者会見】

 記者会見では、最新作が完成に至るまでの熱い思いを語った。

dagereo黒沢 清監督: はじめ、この話が実現するとは思っていませんでした。タハールは、撮影が進んでいくうちに予想していたよりも遥かに精密で力強い表現者なんだと思いました。彼をはじめとする素晴らしい俳優、スタッフに出会え、実現できて本当に夢のような時間でした。

タハール・ラヒム: 黒沢監督に敬意を表したいです。監督のすばらしさは、一緒に仕事をしてみないと分からないかもしれませんが、映画を通してその芸術性と技術の素晴らしさは感じていただけると思います。監督の新作が観られる皆さんは、ラッキーだと思います。

 ……と、最後まで相思相愛っぷりを感じさせる、和気あいあいとしたイベントとなった。


(オフィシャル素材提供)



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