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トップページ > 最新ニュース > 岩井俊二監督×行定勲監督 登壇スペシャルトークショー

岩井俊二監督×行定勲監督
登壇スペシャルトークショー

2016-02-18 更新

iwai_yukisada


 1月9日(土)より全国にて公開され、現在、動員30万人突破、興行収入4億円を超える大ヒットを記録している『ピンクとグレー』の行定 勲監督と、原作小説がすでに話題沸騰!そして、黒木 華を主演に迎えた待望の実写長編作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開が3月26日(土)に控える岩井俊二監督。

iwai_yukisada 行定 勲監督が助監督時代、岩井俊二監督作『Love Letter』(95)、『スワロウテイル』(96)に参加していたこともあり、20年以上の付き合いで、師弟関係ともいえる間柄の二人。この度、二人の最新作の公開を記念して、『リップヴァンウィンクルの花嫁』×『ピンクとグレー』スペシャルトークショーが実施された。

 当日は、立ち見もあるほど満席中、岩井監督と行定監督が登場。行定監督は、岩井監督の助監督をしていたこともあり、「僕の片腕だった」と絶賛しながら、気心が知れた様子でトークがスタート。観客は真剣な眼差しで聞く中、二人は当時を振り返るエピソードやお互いの作品について、現在の映画業界について熱を込めて語った。貴重な二人の対談に時間はあっという間に過ぎ、短い時間を惜しまれながらも、イベントは幕を閉じた。


MC: それでは、岩井俊二監督、行定監督からお一言づつ、お願いいたします。

岩井俊二監督: 行定は一番優秀で、大切な片腕でしたからね。いなくなってから大変でしたよ。彼はキャスティングが天才的で、連れてくる子がみんないい子ばかりだった。彼の存在は非常に助かっていましたね。

行定 勲監督: 昔、岩井さんに「お前は監督になるんだろうからさ、それまではうちでやってよ」って言われた一言が、今でも支えになっているんです。この人は日本映画を変えるなって思っていたし、負けない監督になれてるかなって思いますね。キャスティングする時も、求められていることと違ったものを出すと、「なるほど」ってそれが採用って意味で。こっちがしっくりきているキャスティングを出すとしっくりしすぎているって却下されることもあって……。今回の岩井さんの作品でキャスティングは絶妙でうまいですよね。悔しいです。

MC: 岩井監督は、行定監督を見守られているのですか?

岩井俊二監督: 彼は時々ハラハラしつつも、自分のテイストを上手くエンターテイメントに加えていて、こだわり続けているなぁって思います。彼の作品は“主人公不在”という永遠のテーマを掲げている気がして、この作品はその中でもひとつも到達点かなって思いますね。

MC: 行定監督は、助監督として働いていた頃と見方は変わりましたか?

iwai_yukisada行定 勲監督: 変わりましたね。『リリイ・シュシュのすべて』を観た時に、これが岩井美学かって改めて感じました。スクリーンからはみ出すくらいの圧を感じるんですよね。それが心地いい。岩井さんの癖が内側と外側から見るのとじゃ全然違う。敵わないなって思いますね。岩井さんの作品は社会派のものが多いですが、だからって10年経っても古くならない。この間、娘と『スワロウテイル』を観る機会があって、「すごい面白かった」って言ってました。

MC: まずは、3月26日に公開を迎えます『リップヴァンウィンクルの花嫁』についてお話を伺いたく思います。なぜ今この作品なんでしょうか?

岩井俊二監督: 僕は海外にいて感じたのは、3.11が起こる前の日本は、どこかイジメが蔓延している教室のような雰囲気でした。そんな中で何を表現したらいいのか、みんな何が起こさなきゃいけないって分かってはいても、前に進めないような感じでした。そんな時に3.11が起こって、そこで何が描けるかって、この作品が生まれました。

MC: 行定監督は『リップヴァンウィンクルの花嫁』をご覧になっていかがでしたか?

行定 勲監督: 絶望の中に幸せって必ずあるってところに胸が打たれましたね。絶望のままじゃいられない。だから小さな幸せを見つける。岩井さんは壮大な何かに繋げようとしているんだって思いました。

岩井俊二監督: みんなが正しいと思っていることが本当に正しいのか。全く嘘をつかない人がいれば、その人は人を傷つけますよね。昔はテレビの前で呟いていたことが、今はSNSで呟くことができる。加害者は自分の意見を言っているだけだけど、それが一塊になった時、恐ろしいし、それは一瞬にして人の生活を踏みにじってしまう。だから、そういう意見が規定になってしまうことが、僕たちには死活問題で、試行錯誤しないと太刀打ちできなくなってしまうんですよね。

MC: 現代の若い方にぜひ観ていただきたいという映画だと伺っております。

岩井俊二監督: 作ったばかりなので、これからじっくり検証するところです。昔よりは嘘の質が求められている気がします。真実であればいいってわけではなく。

MC: それでは、大ヒット公開中の『ピンクとグレー』についてお話を伺いたく思います。

行定 勲監督: ちょっと、やっちまった感があります(笑)。今までに他の監督の前例があったら安心なんでしょうけどね。キャストや原作を考えた時、若い子たちが観るだろうなって思って、いかに飽きさせずに見せるかと考えました。他がやらないことでこんな映画があるのかって見せたかったし、映画ってこんなに自由でいいんだって思ってもらいたかった。岩井さんがメールをくれて、意外と楽しんでもらえたんだなって分かった時は嬉しかったです。

岩井俊二監督: 思っていたところから一変して、「えっ」って驚いた。大林宣彦監督の『北京的西瓜(ぺきんのすいか)』みたいに、たまによく途中で画面が切り替わって、映画をやめちゃう作品ってあるんですが、そういうのとはまた違って今までにないものだった。あまりにもよくできたトリックでした。ヨーロッパ映画のようなテイスト感で、ビター&スイートな世界でしたね。

行定 勲監督: 映画って新しい人が感化されていくものだと思っていますが、最近は破綻した作品が少ない気がします。今回、岩井さんの作品は3時間って聞いて、やらかしてくるなぁ~って思いましたね。でも、その3時間は今までこれほど純度の高いものってないんじゃないかってくらいです。


映画『ピンクとグレー』


 【ストーリー】大人気スター俳優・白木蓮吾が、突然、死んだ。第一発見者は幼い頃からの親友・河田大貴。蓮吾に何が起きたのか?
 動揺する大貴は、6通の遺書を手にする。遺書に導かれ、蓮吾の短い人生を綴った伝記を発表した大貴は、一躍時の人となり、憧れていたスターの地位を手に入れる。
 初めてのキャッチボール、バンドを組んで歌ったこと、幼馴染のサリーをとりあった初恋……。いつも一緒で、いつも蓮吾が一歩先を進んでいた――。輝かしい青春の思い出と、蓮吾を失った喪失感にもがきながらも、その死によって与えられた偽りの名声に苦しむ大貴は、次第に自分を見失っていく。
 なぜ、蓮吾は死を選んだのか? なにが、誰が、彼を追い詰めたのか? 蓮吾の影を追い続ける大貴がたどり着いた“蓮吾の死の真実”とは――。

(2015年、日本、上映時間:119分)

■監督:行定 勲
■原作:加藤シゲアキ「ピンクとグレー」(角川文庫)
■脚本:蓬莱竜太・行定 勲
■音楽:半野喜弘
■出演:中島裕翔、菅田将暉、夏帆、岸井ゆきの、小林涼子、宮崎美子、柳楽優弥ほか

配給:アスミック・エース
  大ヒット公開中!!

 © 2016「ピンクとグレー」製作委員会

 オフィシャルサイト:http://pinktogray.com (外部サイト)

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』


 【ストーリー】舞台は東京。派遣教員の皆川七海(黒木 華)はSNS で知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野 剛)に依頼する。
rvw-bride 新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出される。
 苦境に立たされた七海に安室は奇妙なバイトを次々斡旋する。最初はあの代理出席のバイト。次は月100万円も稼げる住み込みのメイドだった。
 破天荒で自由なメイド仲間の里中真白(Cocco)に七海は好感を持つ。真白は体調が優れず、日に日に痩せていくが、仕事への情熱と浪費癖は衰えない。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出す。

(2016年、日本、上映時間:180分)

■監督・脚本:岩井俊二
■原作 岩井俊二「リップヴァンウィンクルの花嫁」(文藝春秋刊)2015年12月4日発売
■出演:黒木 華、綾野 剛、Cocco、原日出子、地曵 豪、和田聰宏、金田明夫、毬谷友子、佐生有語、夏目ナナ、りりィほか

配給:東映
  3月26日(土) 全国ロードショー

 © RVWフィルムパートナーズ

 オフィシャルサイト:http://rvw-bride.com/ (外部サイト)


(オフィシャル素材提供)



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