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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『マシンガン・プリーチャー』トークショー付き試写会イベント

『マシンガン・プリーチャー』
トークショー付き試写会イベント

2012-02-06 更新

渡部陽一(戦場カメラマン)

マシンガン・プリーチャー

配給:日活
ヒューマントラストシネマ有楽町で公開中、全国順次ロードショー!!
(C)Ilze Kitshoff
(C)2011 MGP Productions, LLC. All Rights Reserved.

 『チョコレート』のマーク・フォースター監督がジェラルド・バトラーの新境地を開拓! 麻薬売人を脱して、アフリカの大地に人生を捧げる男の真実の物語『マシンガン・プリーチャー』(2月4日より公開中)の公開に先立ち、戦場カメラマンの渡部陽一のトークショー付き試写会イベントが開催された。

渡部陽一: こんばんは。戦場カメラマンの渡部陽一です。今日は戦場カメラマンとして実際に訪れたスーダン、そこで起こっている現状、そこで暮らしている子供たちの声を伝えたいです。よろしくお願いいたします。

MC: 渡部さんには2月4日の公開に先駆け一足早く『マシンガン・プリーチャー』をご覧いただきましたが、映画についてはいかがでしたか?

渡部陽一: 舞台になっている、アフリカのウガンダ・スーダンは今でも戦争が続いている地域です。しかしスーダンの情勢はなかなか伝わってきません。スーダンで暮らしている子供たちの声がはっきりと聞こえてきました。そこで何が起こっているのか。『マシンガン・プリーチャー』の説教師が見たもの、胸に刺さるものがありました。

MC: ジェラルド・バトラーが演じるサム・チルダースという人物は強烈なキャラクターです。元麻薬売人から建設業者で社長、ボランティアを通じてアフリカの子どもたちを救うというドラマチックな経歴の持ち主ですが、サムの経歴はどうでしたか?

渡部陽一: 人生そのものに乱高下がある生きざまがはっきりみえてきました。それぞれの国籍や職業、自分たちが納得をした時間を過ごし自分が決めたことで動いて行くこと、その中では非常に想いが伝わるものがありました。サムさん自身も悩み、葛藤している面もありました。共通していること、それは世界中で泣いている子供たちの声を知ってもらうこと。それはもしかしたら説教師でもあり、ジャーナリストでもあり、カメラマン、ボランティアでもあり、ビジネスマンでもあるかもしれません。その中で、サムさんからの視点、生きざまというものをはっきり感じました。

MC: 職業は問わないということですね。

渡部陽一: それぞれの職業によってこれはいい、これはどうだろうと様々な悩みがあるが、それをいかに一つ一つクリアしていくのか。その中でたくさんの苦しみが重なっています。そのサムさんから見た悲しみの声も映画の中から聞こえてくると思います。

MC: この映画の中ではサムが武力を選ぶ手段が出てきます。家族を救うためには手段を選ぶことはできないと言っていますが、そのことに関して渡部さんはどう思われますか?

渡部陽一: アフリカのスーダンで何が起こっているのか、民族、宗教、資源や環境の戦争が絡み合っている、世界中で起こっている戦争の理由がスーダンという小さな国の中にうごめいている。戦争の犠牲者はいつも子供たち。その子供たちの声を聞いて届ける方法、サムさんの生きざまを見て改めて感じることができました。

MC: 映画の中でサムは家族と離れる時間が非常に長いということが描かれていますが、渡部さんご自身も家族と離れる時間が長いのでしょうね。

渡部陽一: 情勢が不安定な地域で時間が長くなると家族に会えません。カメラマンという仕事は重要ですが、第一にあるのは家族です。サムにとっても葛藤があったと思います。優先順位をどうおいて、子供たちの声に触れていくのか、考え方によってこれほど変わるのか、見ていて非常に感じるものがありました。

MC: サムは行動力がある人物ですが、リーダーシップという面ではどうですか?

渡部陽一: 世界中で様々なリーダーがいる。その地域の方々が求める方がトップに立っていました。世界の歴史に目を向けていくと、歴史が繰り返されたり、歴史が大きく変わっていったり、非常にダイナミックな一日が動いています。その中で世界の人たちは日本の事を知りたがっていました。僕自身もカメラマンとして日本のことを世界中に知ってもらいたいと思っています。世界中のリーダーの声をもっと丁寧に聞いていきたいと思います。

MC: 南スーダンへのPKO派遣も決まり、国際情勢はますます気になるところです。渡部さん自身スーダンを訪れていますが、実際スーダンでは何が起こっているのですか?

渡部陽一: スーダンでは昨年南スーダンという新しい国が出来ました。南北スーダンの国境地帯では石油資源が残っています。今アフリカに世界が目を向けている一つの理由は資源です。そんななかで日本もアフリカに自衛隊を派遣していき、アフリカという大陸ではなく一つひとつの国に目を向けていく時代になって欲しいと思っています。戦争ではなく、スーダンで暮らしている人たちの声、ウガンダやソマリアやナイジェリアといったそれぞれの国の人たちの声を聞いていきたいと思っています。

MC: ありがとうございます。子供たちの声を聞いてほしいと渡部さんはおっしゃっていますが、渡部さんも実際に少年兵をご覧になったことがおありになるそうですね。

渡部陽一: はい。戦場カメラマンになったきっかけがルワンダ内戦でかちあった少年兵の姿、そこでは子供たちが家族を守るため、強制的に連れ出されて武装勢力として戦わされていた、そんな姿を世界中に届けることは出来ないか、それが戦場カメラマンになった一つのきっかけでした。アフリカでどの地域に入っても、泣いているのは小さな子供たち、銃を取って戦わざるを得なかった子供たち、銃を持つのか、それとも自分の命を捧げるか、想像が出来ない戦争の現状が今も続いている。そんな声を聞くことが出来るのはメディア、ひょっとしたら『マシンガン・プリーチャー』の中からも聞こえてくるのかもしれません。

MC: 今日は実際に撮影したアフリカの写真を持ってきていただいたのですが、説明していただけますか?

渡部陽一: 一番右にある子供たちがたくさん写っている写真、これはスーダン、ダルフールで撮影したものです。子供たちが武装勢力に家を焼き払われ、家族を目の前で殺害され、逃げ戻ってきたのが難民キャンプ、そのなかには1万人にも及ぶ子供や女性たちが暮らしていました。1日2回の食事を食べれればいい、子供たちを診察するお医者さんは1万人に一人しかいなかった、そんな環境で暮らしている子供たちも笑顔を見せることがあった、そんな最前線で暮らしている子供たちの表情です。そして僕が持っている2枚の写真はまさに武器を持って戦っている子供たち、ソマリアの兵士たちです。彼らが武器を持っていた理由、ソマリアでは今も紛争が続き、無政府状態です。その中で自分たちが暮らす地域や家族を守るために自分たちが武器を取らざるをえなかった。その最前線で戦い、家を守るまだ10代半ばの子供たち、戦争が起こる中で現実に子供たちが闘い、亡くなっていた、その現状をカメラマンとして日々伝えることを心がけている大切な柱です。

MC: ありがとうございます。こうした子供たちの姿が『マシンガン・プリーチャー』の中にも出てきますので、みなさんご覧になっていただければと思います。それでは最後に、映画を通して伝えたいことをメッセージとして頂けますでしょうか?

渡部陽一: 日本からアフリカ大陸、地図上では遠いが決して遠い国ではないと思っています。日本とアフリカもたくさんの引き出しで繋がっています。そのアフリカで今何が起こっているのか、どんな生活を送っているのか、『マシンガン・プリーチャー』、優しい面も厳しい一面もたくさん描かれています。スーダンの子供たちの声を聞いて下さい。


(オフィシャル素材提供)


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