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『ドラゴン・タトゥーの女』来日記者会見

2012-02-04 更新

ルーニー・マーラ、デヴィッド・フィンチャー監督

ドラゴン・タトゥーの女

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2月10日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー!
http://dragontattoo.jp/

 全世界で6500万部を売り上げた大ヒットミステリー小説を『セブン』のデヴィッド・フィンチャー監督が映画化した大注目作『ドラゴン・タトゥーの女』(2月10日公開)。本作の公開に先駆けて、本日記者会見が行われた。デヴィッド・フィンチャー監督は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』以来2年ぶり3度目の来日。初主演にして本年度アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされたルーニー・マーラは初来日でもあり、大勢のマスコミが詰めかけた。


まずはご挨拶をお願いいたします。


デヴィッド・フィンチャー監督: 今日はお越しいただきありがとうございます。昨日はジャパンプレミアで、客席から舞台まで、長いランウェイを歩いてモデルのような気分でした。モデルは久しぶりなので(笑)、少し緊張しました。
ルーニー・マーラ: 初めての来日になります。まだあまり見ていないですが、東京はとっても好きです。午後少し時間があるので、街に出てみようと思います。日本に来れたことだけで嬉しいです。


大ベストセラー、さらに一度映画化されている作品を取り上げた理由は? 舞台はスウェーデンですが、スウェーデン版との違いは?


デヴィッド・フィンチャー監督: スウェーデン版は一度しか観ていません。特に入念に観たわけではないのですが、、強いて言うならば脚本がだいぶ違うと聞いています。何よりも自分が実際に原作を読んだときに感じたことを忠実に描くように心がけました。あえてスウェーデン版との違いをつくろうとして作ったわけではないんです。


リスベット役を引き受けた理由は? 彼女のどこに共感しましたか?


ルーニー・マーラ: 原作を読んで好きになりました。読まれた方は皆さん彼女に共感を覚え好きになると思います。彼女をどのように演じたらいいかよく考えて、私はリスベットを演じことができる、理解できていると思ったんです。彼女にはいろいろな形で共感しました。人生の中で、周りに誤解される、のけものにされると感じることは誰にでもあることだと思います。特にその点で共感することができました。引き受けた理由は、若い女優にとってこのような役に巡り合えるのはめったにないことですし、これは大きなチャンスだと思ったからです。


リスベットのキャラクター造形についてですが、原作より魅力的に感じました。どのような独自性を出しましたか?


デヴィッド・フィンチャー監督: 特に足したことはありません。原作の中でかなり入念に描かれています。なので2作目、3作目も読んで創っていきました。映画ではキャラクターが何を考えているかを表現することが大事だと考えています。ただし原作すべてを映像にするのは難しいので、シチュエーションをいくつか選んで、その中でリスベットだったらどのように振舞うかを見せることで、観客にはそこから感じてもらえるようにしました。足したというよりも、引いて、排除していく作業でしたね。まるで砂金をふるいにかけてを金だけを残すように、彼女の光り輝く部分を残すようにしました。このようにヒントを提示していくのは、クリエイトというよりも解釈した、というほうが近いかもしれませんね。
ルーニー・マーラ: 今回のキャラクターづくりはすべてコラボレーションでした。監督、衣装デザイナー、プロデューサー、全員と話をさせてもらって、衣装からアイテムまですべて決めていきました。原作からのイメージが基本です。

スウェーデンにこだわったのは、原作のどの部分に印象を受けてですか? またスウェーデンでの長期撮影の苦労は?


デヴィッド・フィンチャー監督: 他の街はまったく考えられませんでした。原作で描かれているように街がキャラクターにもたらすものはあまりにも大きい。それに、とてもスウェーデンっぽい物語です。さらには、なんといっても原作がスウェーデンを舞台にしていて、あれだけヒットされているんだから、映画も見習おうと思いました。
 ストックホルムというのは独特のデザインをもった街です。街のもつ雰囲気を作品に取り込むことができたと思っています。電車のシーンもそうですし、ラストシーンのミカエルのアパートの下にある石畳の道はとても美しいショットが撮れました。あとはなんといっても寒さですね。皆さんには作品を観ていても、スウェーデンの凍てつくような寒さを感じていただけるかと思います。

今回はレッド・ツェッペリンの「移民の曲」、『ソーシャル・ネットワーク』ではビートルズの「Baby You're a Rich Man」を使われていました。世界的に有名な曲を起用する理由は?


デヴィッド・フィンチャー監督: これまで世界的に無名の曲もたくさん使ったこともありますが(笑)、今回はたまたまスウェーデンをロケハンをしているときにレッド・ツェッペリンのアルバムがかかっていたんです。ふと思ったのがあの曲を女性のボーカルで歌ったら面白いんじゃないかというインスピレーションが沸きました。『ソーシャル・ネットワーク』の「Baby You're a Rich Man」は相談しながら、あの場面ではパーフェクトだと考え決めました。インスピレーションなのでなんと答えるのは難しいですが……。今回の作品ではエンヤの歌も使用していますが、それは殺人のトーンを創りあげるのに良い曲じゃないかと思ったからです。少なくともABBAよりは合っているかと(笑)。

『ソーシャル・ネットワーク』のときは冒頭シーンを100テイクくらい撮ったと伺いました。今回は?


ルーニー・マーラ: 監督はすべてのシーンでなんども撮り直す手法をとられるので、いちいち数えていません(笑)。
デヴィッド・フィンチャー監督: 54テイクというシーンもありましたよ。
ルーニー・マーラ: そもそも数えていませんし、それが当たり前だと思って演技をしていましたから。『ソーシャル・ネットワーク』の100回テイクは9ページくらいある長いシーンだったので、特別なことではありません。
デヴィッド・フィンチャー監督: 今回テイクを重ねたのは、特に天候によるところが大きいんです。たとえば夜橋に向かってリスベットがバイクを飛ばすスタント・シーンでは、道路が凍りつかないように火を使って溶かしながら撮影したり。何回撮ったか数えていられませんし、とにかく1週間くらい撮っているような気分で撮っていましたよ。

ダニエル・クレイグの起用について、また、共演エピソードについてお聞かせください。


<デヴィッド・フィンチャー監督: ダニエルは一番最初にキャスティングした男優です。彼こそミカエルだと思いました。ボンド以前から彼のことを知っていて、いろいろな役を演じられる才能豊かな俳優であることはもちろん知っていました。ミカエルの男らしさ、いろんな女性と友情関係を築けること、うまい聞き手であること、そしてウィットに富んでいることを重視して、それらを全部網羅しているのはダニエルしかいないと思い起用したわけです。
ルーニー・マーラ: 彼と一緒の仕事はアメイジングな経験でした。素晴らしい才能豊かな俳優であることは間違いないですが、それに忍耐強い人で、俳優としていろいろ教えてくれました。初めてのことにトライするのに、彼に勝る人はいません。ユーモアのセンスもあって、一緒にいて楽しい方でした。

ファッション・アイコンとしても注目されている今の気持ちは?


ルーニー・マーラ: 世間からそのように見られていることはあまり考えないようにしています。そのようなことに注意を払うことなく、自分なりの生き方を続けています。


印象的なオープニングロールでしたが、どういうインスピレーションで創られましたか?


デヴィッド・フィンチャー監督: 前提として良い曲があったので、これをタイトル・シークエンスに使おうと決めました。その後ティム・ミラーに、リスベットの悪を映像化してほしいと依頼しました。それは抽象的でも、滑稽でもいい。体からいろんなものが出てくるようなもの。黒い漆がにじみ出てくるようなもの。とお願いしました。彼からは75個くらいのアイデアを出してもらったのですが、そこから25個選び、8週間で創ってもらいました。もっと時間をかけたかったですね。


次回作もフィンチャー監督が担当されたいですか?


デヴィッド・フィンチャー監督: まずはたくさんの方に観ていただかなければ2作目、3作目は続けられません。すごく大勢の方々に観ていただかないとね!(会場笑)


(オフィシャル素材提供)


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