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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『スラムドッグ$ミリオネア』来日記者会見

来日記者会見

2009-03-30 更新

ダニー・ボイル監督

スラムドッグ$ミリオネア

配給:ギャガ・コミュニケーションズ
4月18日(土)より TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開
(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 世界80ヵ国以上で親しまれている人気クイズ番組の「クイズ$ミリオネア」を題材に、インドの貧民街(スラム)で育った一人の少年の波乱の人生を描き、世界が絶賛した感動作『スラムドッグ$ミリオネア』。本年度第81回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめ、8冠を達成。アメリカの製作ではない作品が受賞するのは『ラストエンペラー』以来21年ぶりにという快挙を果たした。
アカデミー賞の発表前に映画のプロモーションのためにダニー・ボイル監督が来日し、記者会見に登壇した。

まずはご挨拶をお願いいたします。

 毎回来るたびに楽しい思いをしている。また来日することができて本当にうれしいよ。(※『ザ・ビーチ』『サンシャイン2057』に続き、3度目の来日)

アカデミー賞に作品賞、監督賞ほか9部門10ノミネートされたときの感想を聞かせてください。

 本作のような作品にとって、賞シーズンというのはとても重要なんだ。その時期には賞を意識して普通とは違うタイプの作品が作られたり、俳優たちがリスキーな役に挑戦したりするね。
ノミネートされたことはとても光栄に思っている。今までは普通にダニー・ボイルと呼ばれていたが、ノミネートされてからは“オスカー・ノミネートのダニー・ボイル”と呼ばれるようになって、変な気分だよ(笑)。子供たちからも“オスカー候補のパパ”と呼ばれて、からかわれているんだ。(※実際にアカデミー賞を受賞したことで、今では“オスカーパパ”になっている。)

作品の軸になっている“運命”についてはどのようにお考えですか?

 “運命”については、インドに行くまではあまり信じてはいなかったんだ。でも、インドでは運命を受け入れると同時に、運命の恩恵を授かった撮影となった。“運命”というと、何かロマンティックなものを想像しがちだが、深く複雑なものであるということを、私はインドという土地で体験したよ。それに、撮影の舞台になったムンバイという街はほんとに素晴らしい場所で、これ以上ない最高の場所だったね。

難航したというジャマールのキャスティングが決定するまでのいきさつを教えてください。

 インドでオーディションをしたんだが、インドの18歳の少年たちは体を鍛えていて、筋肉質な少年が多い。負け犬タイプの風貌をした少年を探すためにあらゆる方面を探したが、なかなか見つからなかった。そんな時にわたしの娘が、「負け犬タイプならデーヴ・パテルがいいんじゃない」と進めてくれたんだ。実際に会ってみて、“ジャマールは、彼だ”と直感した。彼はロンドン在住で、僕のすぐ側に住んでいたんだ。そんなことも運命といえるね。

無名の俳優と少ない製作費で作られた本作は、最初は配給がつかず、即DVD化とも言われ、わずか10館からのスタートでしたが、今の成功についてはどう思われますか?

 配給の買い手がついたことも自分のすぐ側に主演俳優がいたことも、すべてが“運命”だと思う。監督という職業には、技術よりも何よりもまず、信じることと努力が必要だと思うよ。

機会があれば「クイズ$ミリオネア」に出演したいとは思いませんか?

 僕は、出演してもうまく答えられないと思うよ。TVやセレブのゴシップなんかの質問が出ても絶対に答えられないからね(笑)。

日本の『おくりびと』についてはどんな感想をお持ちですか? お好きな日本映画があれば教えてください。

 残念だが、ロンドンではまだ公開されていないのでまだ観られてはいないんだが、早く観たいと思っているよ。
日本の映画では三池 崇監督の『オーディション』が楽しくて好きだね。今回の来日では『サンシャイン2057』で一緒に仕事をした真田広之さんと一緒に食事をすることになっているんだ。彼とはまた一緒に仕事をしたいと思っているよ。


 この日ゲストに登壇したのは、日本の名物司会者みのもんたさん。自身が日本版「クイズ$ミリオネア」の司会を務めていたこともあって、監督にエールを送るために現れた。
作品を絶賛した後、「映画の中の司会者は悪い奴ですねえ~。でも日本の司会者は素晴らしいということを伝えに来ました(笑)」と満面の笑みをたたえて登場した。
日本でのゲンかつぎの定番“カツ(勝つ)カレー”を差し入れし、ふたり一緒に美味しそうに頬張る場面も。

ファクトリー・ティータイム

「監督に必要なのは自分を信じることと努力をし続けること」というボイル監督。
爆発しそうなエネルギーと生命力に心打たれる、世界が絶賛した“ある少年”の物語。
アカデミー賞<作品賞>含む最多8部門受賞! 他、総計85もの映画賞を獲得し、遂に世界の頂点へ!
“信じることで勝ち進む人生”、映画を通してジャマールは教えてくれる――。“自分と愛を信じてみよう!”と思わせてくれる、涙と感動の素晴らしい映画だ。
(写真・文:Sachiko Fukuzumi)


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