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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『ハブと拳骨』初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

2008-07-04 更新

尚玄、虎牙光揮、宮崎あおい、辰巳蒼生、サイ・ホージン、大口広司、中井庸友監督、田中雄一郎(CD)、山下貴裕プロデューサー

ハブと拳骨

配給:ナインエンタテインメント
6月21日よりユーロスペース、K’s cinemaにて公開
(C)THREE ARROWS ENTERTAINMENT

 2007年の東京国際映画祭で大きな反響を呼んだ『ハブと拳骨』が、いよいよ公開された。 返還前の沖縄を舞台に血の繋がらない家族の熱い愛情を描いた本作だが、2006年の製作以来約3年を経て、待望の劇場公開を迎えることが出来た。公開初日には、多忙を極める宮崎あおいも駆けつけ、華やかな舞台挨拶となった。

 この日の舞台挨拶は初回の上映前という早い時間ながら、熱心なファンで会場は満員。MCの声掛けで次々と登壇したキャストとスタッフたちは、「ちょっと朝が早かったですが、こうして集まってくれるとうれしいですね」(尚玄)、「撮影したのはずいぶん昔だったので、こうやって公開を迎えることができ、とてもうれしく思っています」(宮崎)。

「こんなに多くの方に観に来ていただき、とてもうれしく思っています。やっとこの日を迎えることができ、幸福です」(虎牙)、「今日はゆっくり楽しんでいって下さい」(辰巳)、「同じく、今日が初日の『インディー・ジョーンズ』ではなく、『ハブと拳骨』に来ていただき、どうもありがとうございます(笑)」(サイ)、「雨が降ったら来るのを止めようと思っていましたが、目が覚めたら晴れていたので来ました。映画としては素晴らしい出来だし、中井監督も人柄が良い。帰ったら、“これよかったぞ、見ろ! バカヤロー!”と友達に使えて下さい」(大口)、「本編を上映する前なので、観ていただければそれだけで。今日は俺だけ服装が汚いと皆に罵られましたが、これでも俺が持っている服では一番穴が少ない方なので……」(原案・音楽の田中雄一郎クリエイティブディレクター)、「今まで粘っていただいた関係者の皆さん、本当にありがとうございました。やっと初日を迎えることができました」(山下プロデューサー)、「ここまで長かったですが、やっと新たな戦いができるかなと思います。僕たちはまだヨチヨチでつたないですが、全身全霊で作った作品なのでどうか楽しんで下さい」(中井監督)と、公開までの道のりが長かっただけに、嬉しさもひとしおの様子。

 撮影当時の思い出やエピソードを聞いてみると、「実は3年前の6月21日がクランクインで、だいぶ時間が経っていますが、僕にとっては最初の長編映画だったので、鮮明に覚えていることが多いですね。今日はいらっしゃいませんが、お母さん役の石田えりさんと血の繋がらない兄弟との家族のシーンでは、良い雰囲気を感じて演じました。現場では尚玄ではなく(演じた役柄の)与那覇良だったので、最初から厚かましく“母さん! 母さん!”とえりさんには言っていましたが、全て受け止めてくれました。えりさんは、あのように見えてもすごくひょうきんなところがあるので、とても楽しかったです」(尚玄)。

「普段から仲が良いので、撮影は楽しかったですね。お芝居なのに、本物の家族のような感じがしました」(宮崎)、「皆古い付き合いですが、石田えりさんとは初めてだったので、どういう感じになるのか心配でした。でも、初日からしっかりとこの3人を受け止めてくれて、普通にお母さんでした。えりさん以外は考えられないですね」(虎牙)と、タイで行われた撮影の思い出が蘇る。

 中井監督も、「まず、出来上がって感無量です。皆本当にうるさいですが、がっぷり四つに組んで、公開までこぎ着けました。撮影中、俳優陣は皆可愛い子供のようにじゃれていたので、毎日がやがやと修学旅行のようでした」とうれしそうだ。

 最後に、これからこの映画を観る場内の観客にひと言求められると、「ひとつでも何かを受け止めてくれたら良いと思います」(尚玄)、「この映画に出てくるのは血のつながりのないちょっと複雑な家族ですが、血のつながり以上に強いものを感じてもらえるのではないかと思います」(宮崎)、「全てのシーンに思い入れが強いので、みどころを話すと本編全てを語ってしまいそうです」(虎牙光揮)、「最近、私たちの国では殺伐として目を覆うような事件が多いですが、この映画を観て、形なきものを信じる強さを感じていただければと思います」(辰巳)、「この映画の温かさを感じて、泣いて笑って充分に楽しんで下さい」(サイ)、「(宮崎に)今日は、まさか篤姫は来ていないと思ったけれど、来ましたね。(忙しいのに)良いんですか(笑)? この映画の見どころはいっぱいあると思いますが、俺が見どころかな?」(大口)、「この映画は、最近ではちょっとないような作品です。温度感や人間の薫り、僕らが何を大切にしてこの映画を作ったのか感じていただければうれしいです。音声はモノラル、声はアフレコなので、何となく懐かしくて優しい雰囲気を楽しんでいただけたらと思います」(田中)、「僕らが3年前に魂を込めて作ったエネルギーを感じて元気になっていただけたらと思います」(山下プロデューサー)、「本当に世知辛い世の中ですが、ささくれだった皆さんの心に、優しい水を一滴でもかけることができればと思っていますし、そういう作品に仕上がっていると思います。少々ハードなところもありますが、最後は何かを考えて優しくなれるようなことが伝われば幸いだと思います」(中井監督)と口々に語り、この日の舞台挨拶は終了した。

 返還前の沖縄が舞台なので、当時の社会背景にどうしても目が向いてしまうが、描かれているのは、血が繋がっていないとはいえ“家族の愛”という普遍的なテーマ。3年前の宮崎あおいの姿をようやく目にすることができたという意味でも、貴重な作品だ。

(文・写真:Kei Hirai)


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