インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash





広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

インタビュー

トップページ > インタビュー > 『受験のシンデレラ』寺島 咲 単独インタビュー

寺島 咲 単独インタビュー

2008-04-04 更新

「人生は変えられる。夢はきっと叶うんだ」ということが伝わってくる作品です

受験のシンデレラ

寺島 咲

1990年東京生まれ。2004年に大林宣彦監督作品『理由』に抜擢され、映画デビュー。以降、『青い歌~のど自慢青春編~』(06)、『水の花』(06)、『転校生~さよならあなた~』(07)、『魍魎の匣』(07)などに出演。日本映画界で最も注目されている若手女優のひとり。

配給宣伝:株式会社大風
共同配給:ファントム・フィルム
3月29日より新宿K's cinema、シアターN渋谷、横浜ジャック&ベティにてロードショー
(C)「受験のシンデレラ」パートナーズ

 どん底の生活を続ける女の子が余命幾ばくもないカリスマ塾講師と知り合い、見事東大に合格するまでを描いた『受験のシンデレラ』が完成した。大の映画好きで受験アドバイザーとしても知られる精神科医の和田秀樹が、初めてメガホンを取ったのが本作。実際に活用できる数々の受験のテクニックはもちろん、末期癌の緩和ケアや格差社会といったさまざまな問題を描いた内容が評価され、モナコ国際映画祭で最優秀作品賞・最優秀脚本賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞を獲得するなど、公開を前に評価が高まっている。若き実力派女優として知られ、実生活でも大学受験を控えた主役の寺島 咲が、本作の魅力について語ってくれた。

-----『受験のシンデレラ』という一風変わったタイトルを最初に聞いた時の印象は?

 “受験”だから、たぶん試験を目指してがんばるストーリーかな? “シンデレラ”だから、だんだん良くなっていくストーリーかな? と思いました。

-----台本を読んで、どう思いましたか?

 受験をするのが主なストーリーですが、格差社会の問題、お金持ちの人だけが東大に行けるのではないという話、命について考える癌患者の緩和ケアなど、いろいろなメッセージが含まれている作品だなと思いました。

-----今は何年生ですか?

 高校2年生で、4月から3年生になります。

-----高校卒業後は、大学に進学したいと思っていますか?

 はい。

-----それなら、この映画で描かれた大学受験はご自身にとっても身近な問題になりますが、中学や高校に進学する時には受験したのですか?

 推薦枠で入学したので、本格的な受験勉強はまだ経験したことはありません。

-----映画の中で、カリスマ講師・五十嵐役の豊原功補さんが、いろいろな受験のテクニックを寺島さんが演じる真紀に教授しますが、この内容から感じたことは?

 やはり、東大に合格するためには要領よく勉強をするのが近道とはいえ、それでもたくさん勉強をする必要があるので、やはり東大には簡単に入れないんだなと思いました。

-----高校の同級生も、かなり受験勉強をしていますか?

 はい。最近では受験が話題になっていますが、予備校に行っている人はあまりいません。

-----この映画を通じて、自分自身の受験にも役立ちそうな情報は手に入りましたか?

 計画を立てることが大事だなと思いました。私自身はせっぱ詰まらないとやらないというか、ちゃんと計画を立てないとだらけてしまうところがあるので、計画を立てることを参考にしようと思いました。

-----どちらかというと、出たとこ勝負派?

 短期集中型なのですが、やはり受験はそうはいかないですね。

-----では、期末試験の時も、前日になって勉強を始めるとか?

 はい、ぎりぎりまでやりません(笑)。

-----大学に進学したら、どんなことを勉強したいですか?

 まだ具体的には決めていませんが、4年制大学に行きたいです。

-----この映画に込められている学歴社会や格差社会といった問題には、どのように感じましたか?

 自分が演じた)真紀みたいに苦労している人がいることは判りますが、自分の周囲にはいないので、あまり意識したことはありませんでした。今回、真紀の役を演じて、同い年でもこんなに苦労している人がいることを実感しました。でも、そういう人たちも、この作品の中では諦めなければ夢がかなったので、頑張って欲しいと思います。

-----今回演じた真紀のように、寺島さん自身もしっかりしていますか?

 真紀ほどはしっかりしていないですね。見習わないといけないなと思いました。

-----貧乏な真紀の衣装はかなりひどかったですが、そういったことも含め、撮影で一番大変だったことは?

 真紀の服については、最初の衣装あわせの時にびっくりしましたが、普段は絶対に着ないような服なので、逆に楽しむことができました。今まで演じた役は、感情や表情での演技が多かったのですが、今回の役はテンポの良い会話が多かったので、台詞回しが難しかったです。

-----この映画で真紀を演じた経験から、その後の日常生活に何か影響はありましたか?

 家族に対する感謝の気持ちですね。今までは、家族がいて親に養ってもらっているのは当たり前で、そのことを特別に意識していなかったのですが、真紀みたいな境遇の子を演じ、自分は恵まれているなと思うようになりました。

-----お金の計算が細かくなったようなことは?

 元々無駄使いが嫌いなので、どちらかというと、性格は真紀に似ていますね(笑)。そういった点については、真紀に対して“あぁ、これは判るな”といった感じでした。

-----青山真治監督・黒沢清監督・阪本順治監督といった監督とご一緒されている大先輩の相手役・豊原功補さんは、どんな方でしたか?

 映画やテレビで出演されている作品では面白い役が多いですが、演技に関してはとてもまじめで情熱的な方だと思いました。

-----豊原さんとの撮影中のエピソードはありますか?

 真紀は、豊原さんが演じた五十嵐にいつも喫茶店で勉強を教えてもらいますが、毎回、受験の要領を書いたカードを必ず渡されます。その時、カードの渡し方がいつも違うのですが、あのシーンは全て豊原さんのアドリブで、そういうところまで考えていてすごいなと思いました。いつも、本番でいきなり変なところからカードが出てきました。

-----和田監督はかなりユニークな経歴の持ち主ですが、どんな方ですか?

 精神科医をされているだけあってお話が巧みで、映画監督をやるのは初めてですが、とても判りやすく説明してくれました。映画を撮るために医者をやっているんだとおっしゃっているだけあって、映画に対する情熱がすごく伝わってきました。今までご一緒した監督さんよりも役者に任せてくれるところが多く、演技については殆ど自由にやらせてくれました。でも、シチュエーションの設定については、机にはこういう物が置いてあってこれがここにないと駄目だとか、指示が細かったです。実際に受験のプロの方でもあるので、そこは忠実に表現したかったのだと思います。

-----この映画で、モナコ国際映画祭の最優秀主演女優賞を受賞されましたが、モナコには行かれたのですか?

 いいえ。東京にいたら連絡が来て、びっくりしました。

-----国際的な賞の受賞は初めてだと思いますが、聞いた時の感想は?

 まさか自分がというか……。映画祭に招待されたことも詳しく聞いていなかったので、突然の連絡で本当にびっくりでした。でも、いつかは賞をいただきたいなと思っていたのでうれしかったです。言葉が判らない外国の人たちがすごく感動してくれたみたいなので、そういう点は特にうれしかったですね。

-----仕事がない時には何をやっていますか?

 溜まった学校の勉強をしていることが多いですが、本当に何もない時には友達と買い物に行ったり、散歩に行きます。

-----散歩も友達と一緒に?

 友達や家族と一緒に行きます。

-----お勧めのコースはありますか?

 とりあえず電車で遠い場所まで行って、川沿いを歩いたりします。最初は家の近所でしたが、だんだん飽きてきたので、知らない場所に行くようになりました。

-----芸能界で同年配の仲の良いお友達はいますか?

 仕事のお友達とは、普段はあまり遊ばないので、特にいません。

-----映画を見るのもお好きだと聞きましたが、最近見て印象的だった映画は?

 『陰日向に咲く』です。

-----これからも映画中心に活動したいと思いますか?

 はい。

-----今後の活動予定は?

 『きみに届く声』(塩谷 俊監督)という映画が、年内に公開の予定です。

-----最後に、これから映画をご覧になる方々に、ひとことメッセージをお願いします。

 東大を目指すストーリーが中心ですが、それだけではなく、格差社会の問題や生きることについても考えさせられる作品なので、ぜひそういうところにも注目して観て下さい。そして、観た人はきっと、キャッチフレーズにもなっていますが「人生は変えられる。夢はきっと叶うんだ」ということが伝わってくると思うので、ぜひこの映画を観て、前向きな気持ちになっていただけたらうれしいです。

ファクトリー・ティータイム

本作で演じた遠藤真紀同様、頭脳明晰ながんばり屋さんといった印象の寺島 咲。等身大の女の子を演じた本作でも、素晴らしい演技を見せてくれた。新人監督ながら、ラストには清々しい達成感と感動が待っている『受験のシンデレラ』。タイトルの印象だけで受験のテクニックを描いた映画だと誤解することなく、ぜひ劇場まで足を運んで欲しい。
(文・写真:Kei Hirai)


関連記事

Page Top