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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『アース』第20回東京国際映画祭舞台挨拶

第20回東京国際映画祭舞台挨拶

2008-01-17 更新

マーク・リンフィールド監督、ソフォクレス・タシオリス(プロデューサー)

アース

配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
1月12日(土)より、日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
(C)BBC Worldwide 2007

 日本でも大ヒットを記録した海洋ドキュメンタリー『ディープ・ブルー』を送り出した「プラネットアース」のスタッフが再結集、46億歳の地球を舞台に、そこに存在する“生命”の驚異を5年の歳月をかけて捉えた、壮大なスケールのドキュメンタリー『アース』。ドキュメンタリー史上、フランスで大ヒット記録を打ち立てたという本作が、第20回東京国際映画祭「特別招待作品」として上映されるのに合わせ、共同監督を務めたマーク・リンフィールドと、プロデューサーのソフォクレス・タシオリスが来日、上映前に舞台挨拶を行った。

 リンフィールド監督はキリン、プロデューサーは象の縫いぐるみを抱いて登場。まずは、「今晩、こうした形で皆様の前に立てることを、大変光栄に思っているんだ。日本に来たのは2度目で、1度目はこの映画でご覧になっていただけるシーンのために来日した。吉野の桜を撮影したんだ」(リンフィールド監督)、「この劇場で『アース』を上映できることをとりわけうれしく思っているよ。実は4年前、『ディープ・ブルー』を日本で初めて上映したのがここだったからね。日本の観客の方々は素晴らしく、この日本から『ディープ・ブルー』の成功の旅が始まったんだ。同じような形で『アース』もご覧になっていただき、楽しんでいただければうれしいね」(タシオリス)と挨拶。
 この『アース』の壮大なる旅が始まったきっかけを問われた監督は、「地球は今、急速な変化に見舞われている。将来はもう見られなくなってしまうものがたくさんあると感じて、それを映像に収め、大きなスクリーンでお見せしたいと思ったからなんだ」と、複雑な想いをこめながら語った。製作にかかった期間は5年。「プロデューサーとしてはちょっと時間がかかりすぎたね(笑)」とタシオリスは正直な言葉を口にしながら、「でも、とても野心あふれる作品だったし、それだけに、ここのいるマーク・リンフィールドとアラステア・フォザーギルのような経験豊富な素晴らしい監督に参加していただけてラッキーだった。信念と希望を感じさせてくれる人たちとでなければ、この映画は製作できなかっただろう」と両監督を讃えた。

 あたかもカメラなど存在していなかったかの如く、動物たちの自然な姿をダイナミックに生き生きと捉えることに成功した本作。「カメラの存在を感じさせないというのは、僕たちが目指したことでもある。良い写真や映画を観るときはカメラを意識しないで、ストーリーに入り込みたいものだよね? 僕たちも、動物たちの行動パターンを決して乱さないような形で細心の注意を払って撮影をしたんだ。例えば、象の撮影に関してはほとんどが空撮で、それを可能にしたのは、今回導入されている新しいテクノロジーのおかげだ。カメラを固定しつつ、相当な遠距離から撮影できるデバイスで、象のシークエンスは実に1キロくらい離れたところから撮影したんだけど、とてもそうは見えないと思うね。そういうテクノロジーを利用することによって、彼らの邪魔をすることなく、これまで見たことのないような行動パターンを撮影することができたんだ」と監督。「だから、この映画は大スクリーンで観ていただいてこそ、醍醐味を感じることができる。まるでその場に居るような気持ちになっていただけると思うよ。これは決して、自宅のテレビでは経験できないことなので、ぜひスクリーンで観ていただきたい」と熱く語った。

 その後、日本語版でコンダクターを務めている渡辺 謙のビデオ・レターが紹介された。「今回は、私がこの『アース』のナレーションを担当させていただくことになりました。本日上映されるのは字幕版ですが、公開時には私のナビゲーションでお届けできると思います。今まで目にしたことのない素晴らしい地球を、大きなスクリーンで体感してください」。
 そして最後に、リンフィールド監督が日本の観客に向け、「この映画を製作しているときに僕たちが味わった喜びの半分でも、この映画をご覧になって感じていただければうれしいね。撮影を通じて、僕たちは本当に素晴らしいものを目にすることができた。インスピレーションをかき立てられたし、地球上にはまだ多くの素晴らしいものが残っているということを知って、深く心動かされたよ。この映画の製作に関わったスタッフ全員がそう感じていたんだ。地球は特別な場所であり、保存のために闘う価値のあるものがまだたくさん残っている、と。皆さんこの作品をご覧になって、同様のことを感じていただけたらうれしいね」とメッセージを送った。
 「ちなみに、だっこされている縫いぐるみは、大好きなペットなんですか?」とMCに聞かれ、タシオリスは「そう、家を出るときもいつも一緒だよ」とニッコリ。縫いぐるみを脇にしっかりと抱え、肩を組んで体を左右に揺らしながら、実に楽しげにムービー・カメラに向かって挨拶をする二人だった。
ところで、今回取材に駆けつけたマスコミ全員には、劇場窓口で購入する前売り鑑賞券に付いてくるという、エコマークのついた『アース』エコバッグがプレゼントされた。買い物袋購入制のスーパーも増えている昨今、筆者も今後は積極的にこれを使用して、身近なところから“地球にやさしく”しようと思った
。  本作『アース』は1月12日(土)より、日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

(文・写真:Maori Matsuura)


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