インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash





広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『自虐の詩』第20回東京国際映画祭舞台挨拶

第20回東京国際映画祭舞台挨拶

2007-11-03 更新

中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀、安藤裕子(主題歌)、堤幸彦監督、内藤大助選手(WBCフライ級王者)

自虐の詩

配給:松竹
10月27日より全国公開
(C)2007「自虐の詩」フィルムパートナーズ

 業田良家の4コマまんがを鬼才・堤 幸彦が映画化した『自虐の詩』が完成した。薄幸の環境に生まれた女と元ヤクザの無職男のどん底ラブ・ストーリーで主役を演じたのは、『ケイゾク』の中谷美紀と『TRICK』の阿部寛という共に堤組の経験者だ。ファンで満員となった舞台挨拶の会場はサプライズ・ゲストも登場し、熱気に包まれた。

 六本木ヒルズのアリーナでのイベントに続いて行われた舞台挨拶。さっそく挨拶とこの映画に出演しての感想を求められると、「東京国際映画祭でたくさんの映画が上映される中、『自虐の詩』を選んでいただき、本当にどうもありがとうございます。ちょうど1年ほど前に撮影しましたが、出来上がった時には、もうこれ以上の作品は作れないかもしれないと思ったほどです。『TRICK』の仲間にようやく入れていただくことができ、すごくうれしかったです。今日はどうぞ楽しんでご覧下さい」(中谷)
 「この作品に携わることができ、非常に幸福に思っています。僕が演じた元ヤクザの男には、1行以上の長さの台詞はありませんでした。こんなに内縁の妻である(中谷が演じる)幸江が(阿部が演じる)夫のことを愛してくれていて、実際に現場では中谷美紀さんから愛されている幸福を毎日感じながら、それでもちゃぶ台をひっくり返したりするつれない夫なのですが、そういう些細な日常の幸福が出ている作品だと思いますので、皆さんも小さな幸福を味わって帰っていただきたいと思います」(阿部)

 「この作品の台本を初めて読ませていただいたのは、堤監督と阿部さんのコンビによる『大帝の剣』という映画に化け物役で出演していた時でした。本当に感動してウルウル来てしまい、そのままの気持ちを素直に監督に伝えました。試写でこの作品を観た時にも、本当に感動させてもらいました。自分が出る作品にはいつもR(年齢制限)がかかっていて、どの世代でも観ることができる作品はなかなかないのですが、この作品は子供からおばあちゃん、おじいちゃんまで観ていただける作品だと思います。小学校や中学校、高校ではいじめや自殺といった問題がありますが、この映画を観ていただければ、幸福と不幸とはまっぷたつに分けるものではないということが判ります。ラストでは中谷さんのナレーションが入り、そこでまた感動するのですが、ぜひお子さんをお持ちの方たちは、子供たちをつれて再度劇場に駆けつけていただければうれしく思います」(遠藤)

 「最初に監督とお会いした時、“年の設定はいくつなんですか?”と聞きましたら、“40から70まで”と言われまました。“えっ? どうしよう”と思いましたが、“まぁいいや、来月で65歳になるので、実年齢でいけば良いんだ”と思いました。次に“メイクはどうするのでしょうか?”と聞きましたら、じっと私の顔を見た監督は“はい、そのままで”と言われました。西成のおばちゃん役なので、衣装さんからは普段の私なら絶対着ないような格好をして下さいと言われました。でも、現場に入ると、どうしてもメイクをしたくなるのですね。素顔でと言われても何か塗りたい。眉毛を描きたい、マスカラを塗りたい。でも、それをやると、中谷さんから“麻紀さん、今日はチークが入りすぎですよ”と言われ、“そうですか?”と取ることになります。映画の世界でも長い間やってきましたが、素顔での出演というのはほとんど初めての経験でした。中谷さんも素顔なので、お互いに顔のマッサージばかりしていましたが、出来上がった作品を観て、なぜ監督が素顔でやれと言われたのか意味がよく分かりました。最後では綺麗に撮っていただき、本当に監督、ありがとうございました」(カルーセル)

 「自分は音楽ですが、こういった良い作品と一緒に何かを作れるというのは非常にうれしい出来事でした。映画を観終わった後には、それぞれの人の中に自分なりの答えがあると思いますが、この曲が出来た時には、自分の中ではその答えが判りませんでした。ハッピーエンドなのかということがずっと曖昧だったのですが、映画を観終わった時に、人との結びつきというか、温かい気持ちになれたのが一番うれしい出来事でした。皆さんも、映画と共に曲もぜひかわいがってやってください」(安藤)

 「たくさんお集まりいただきまして、ありがとうございます。そして、大きな映画祭に呼んでいただきまして、ありがとうございます。ここに並んでいらっしゃる素敵なキャストの皆さん、そして素晴らしいスタッフの力で皆さんにお届けできるこの機会を得たことは本当に幸福です。何度も申し上げていますが、寒い冬の中の一杯のシチューのような映画が出来たと思っていますので、ぜひ観終わって暖まっていただきたいと思っています。今日は本当にありがとうございます。楽しんでいってください」(堤監督)と満員の場内に皆うれしそうな表情。

 撮影中、一番大変だったことと幸福だと感じたことを聞かれた堤監督は、「撮影中ではないですが、業田先生が書かれた原作があまりにも素敵で素晴らしくて。僕はだいぶ前から知っていましたが、これを自分が映画化できるのかが不安でした。普通、どうしても反省点が先立つので出来上がってからは見直さないのですが、この映画は何度も見たいなと思う映画です。それが一番幸福ですね」と答える。

 ここで、文字通り亀田一家をノックアウトしたWBCフライ級王者内藤大助選手がサプライズ・ゲストとして登場。「この映画は夫婦の話だと聞きました。ちょっと貧乏っぽい話らしいですが、うちも“月収12万円夫婦”とか貧乏くさいことばかり言われているので、楽しみにしていました」とおなじみのスマイルで語り、登壇者にお祝いの花束を贈呈した。

(文・写真:Kei Hirai)


関連記事

Page Top