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『茜色に焼かれる』完成報告会

2021-04-30 更新

尾野真千子、和田 庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、石井裕也監督

茜色に焼かれるakaneiro 配給:フィルムランド
5月21日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

 映画『茜色に焼かれる』(5月21日全国公開)の完成披露報告会が4月27日(火)、東京のスペースFS汐留で行われ、主演の尾野真千子、共演の和田 庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、そして石井裕也監督が参加した。

 コロナ禍の現実を舞台にした理由について石井監督は「大変な状況ではあるけれど、明らかに置き去りにされているのは人間個人の感情です。そのようなリアルな状況を前提にして、今の時代にしか描けない愛や希望を映画にしたいと思いました」と明かし「不確かな状況ではありますが、いい映画を作れたという自負がある。自分にとって特別な映画になりました」と胸を張った。

 傷つきながらも自身の信念の中で真っ直ぐに生きる母親・良子役の尾野は「決め手は台本。今自分が伝えなければと思うことがたくさん詰まっていました。撮影中は精神的に辛い時もありましたが、自分の気持ちが変化しているのを感じるのは楽しかった。母になった気分になったし、母の気持ちが少しは分かった気がする」と充実した表情。良子の息子・純平役の和田は「尾野さんには怖い人というイメージがあったけれど、実際はそんなことはなくて優しくて明るくて面白い人でした。本当の親子のように接してくださって、自然に演技ができました」と感謝した。

 風俗店の店長・中村役の永瀬は尾野について「まさに鬼気迫る演技」と絶賛し「でも演技以外では現場を温かくハグして進めて行っているような雰囲気でした」と座長としての優しさを感じた様子。風俗店での良子の同僚・ケイ役の片山も「メチャクチャカッコ良かったです! 演技もそうですが、尾野さんの明るさにも救われました」とリスペクトを示した。

 良子の夫で事故死したロックミュージシャン・陽一役のオダギリジョーは、尾野を同志のように思っているという。「10年以上前から共演していて、同じ時代を歩んできたような仲間」と親愛を込めて「今までの尾野さんの作品は全部観たけれど、この作品が一番! 良子を見ていると、自分の母親のことを思ったりした」と賞嘆。しかし「一つウソを言いました。尾野さんの作品のすべては観ていません(笑)。でもこの作品が一番いいと思う」とユーモアを交えて場をほぐしていた。

 共演者からの絶賛に尾野は照れつつも、昨年8月に行われた撮影を振り返り「主役ということを気にせず、楽しくやろうと思いました。こんな時だからこそ、距離が遠くてもニコニコしていればきっと良いものになると。あとはただただ良子を伝えたいと思いました」と明かした。

 最後に石井監督は「このような時期に素晴らしいキャスト・スタッフと一緒に映画を作れたのは貴重な経験。尾野さんが全力で、命がけで携わってくれたことに感謝しています。そんな皆さんの強い気持ちが乗り移ったような映画です」とアピール。コロナ禍で作り、完成したことに尾野は「このような時代に、もう仕事ができないのではないか……と考えているときに脚本を読みました。“ここで止まっていたらあかん!”と背中を押してくれた作品です。自分にとってとても大切な映画になりました。そして自分にとって最高の映画です。映画館で観てほしい!」と大粒の涙を浮かべながら訴えていた。



(オフィシャル素材提供)



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