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『由宇子の天秤』
第71回ベルリン国際映画祭公式上映登壇

2021-06-21 更新

春本雄二郎監督、片渕須直(プロデューサー)、梅田誠弘(俳優)

由宇子の天秤yuuko ©2020 映画工房春組 合同会社
配給:ビターズ・エンド
9月、渋谷ユーロスペース他全国順次ロードショー!

 瀧内公美(『火口のふたり』『裏アカ』)を主演に迎えた春本雄二郎監督(『かぞくへ』)の最新作『由宇子の天秤』が9月より渋谷ユーロスペースほかにて公開となる。この度、今月9日(現地時間)よりドイツ・ベルリンで開催中の第71回ベルリン国際映画祭にて、本作の公式上映が17日21:45(現地時間)より行われ、春本監督、本作のプロデューサー・片渕須直(『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』監督)、出演・梅田誠弘が揃って登壇した! 本作は、世界各国から集められた良作かつ現代社会を独自の視点で切り取った作品を数多く選出することで有名な「パノラマ部門」に正式出品された。日本公開を前に、すでに11の海外映画祭に出品されてきた本作だが、今回ようやく念願の現地入りを果たすことができた。


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 会場に着くやいなや現地メディアの取材が殺到するなど、本作の注目度を感じるなか、いよいよ上映時間。

 上映前に、春本監督、片渕プロデューサー、梅田が揃って登壇した。映画祭ディレクターから本作を作るきっかけについて聞かれた監督は、「数年前に、いじめ自殺事件の加害者の父親と同姓同名の全く関係のない人が、一般人からSNSで誹謗中傷を受け日常を破壊される事件がありました。驚いたことに誹謗中傷をした人たちは、私たちの周りにいるごくありふれた人たちでした。私は、他者を容易に攻撃してしまう人と、そうでない人、その差を分けるものはなんなのか、こうした社会の先に何があるのか掘り下げてみたいと思ったのです」と力強く語った。また監督の印象を聞かれた梅田は、「春本監督は、撮影前から頭の中に役のイメージが強くあるのですが、何よりも俳優個人を大事にされる方。役者の個性とその表現力を尊重してもらえるので、とても演じやすい現場でした」と監督への厚い信頼を感じさせた。


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 また、本作が自身初のプロデュース作品となった片渕は、「私はアニメーション監督をしていますが、6年~8年と長い時間をかけて制作をしています。つねづね、自分たちの後輩に当たる若い監督たちにはもっと作品を作りやすい環境であってほしいと考えていました。そんな時、同じ思いを持つ友人の松島哲也監督(本作のプロデューサー)が紹介してくれたのが春本監督でした。彼の脚本には、社会的事件を取材している主人公が陥っていく問題について書かれていました。“真実”というものがどのように伝えられるべきなのか。伝える側も人間である以上は歪な形になることもありうる、そういった人間の普遍性に気づかされました」と、これからさらに羽ばたく若き監督へ賛辞を贈った。


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 エンドロールが流れると会場は拍手喝采! 上映が終わると、観客が監督たちへ熱を込めて感想を伝える姿も見受けられ、国境を超えて『由宇子の天秤』が人々の心に届いた手応えを確かに感じることができた。本映画祭は、20日(現地時間)まで開催される。


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 主演は、『火口のふたり』(19)で第93回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞に輝き、本作でスペインのラス・パルマス国際映画祭で最優秀女優賞に輝いた瀧内公美。脇を固めるのは『佐々木、イン、マイマイン』(20)の河合優実、『かぞくへ』(16)の梅田誠弘、さらに日本映画屈指のバイプレイヤー・光石 研ら。監督・脚本は、日本の片隅で生きる若者たちの葛藤と不器用な優しさを描いた『かぞくへ』の春本雄二郎。そして、長編アニメーション『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の片渕須直がプロデューサーとして参加している。



(オフィシャル素材提供)



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