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『とんび』ただいま岡山!公開御礼会見

2022-04-23 更新

阿部 寛、北村匠海、瀬々敬久監督

とんびtonbi ©2022『とんび』製作委員会
大ヒット公開中

 映画『とんび』の撮影地である岡山県にて4月23日(土)、公開御礼会見が開催され、主演の阿部寛、北村匠海、そして本作で監督をつとめた瀬々敬久が登壇した。


 今回、阿部と北村、監督が訪れた岡山県・大谷地区の商店街は、本作で阿部演じるヤスをはじめとした“備後の町の人々”が生活する「みゆき通り商店街」の撮影場所。撮影以来に思い出の地に凱旋するキャスト監督陣を歓迎すべく、商店街の入り口には、大きな「みゆき通り商店街」の大きな看板、そしてそれぞれのお店も撮影当時の看板が掲げられ、『とんび』の世界観を完全再現。さらに商店街の中央にはレットカーペットが敷かれ、当時撮影を支えてくれた地元の人々が集まり、阿部らキャスト監督陣の約1年半越しの凱旋を、温かく歓迎した。

 イベントが始まり、阿部、北村、監督がレッドカーペットに登場すると、集まった地元の人たちは、大きな拍手で大歓迎。中には感動のあまり涙する人まで……。阿部らは当時の撮影の思い出や、再び岡山に“帰郷”できた喜びをかみしめるように、ゆっくりと手を振りながら、「みゆき通り商店街」に敷かれたレッドカーペットを歩いて行った。そして、レッドカーペットの先にあるステージへ登壇。ステージの後ろには、薬師丸ひろ子演じるたえ子が営み、ヤスをはじめとした“備後の町の人々”が集う「小料理 夕なぎ」も完全再現されていた。また、『とんび』キャスト・監督陣の凱旋を祝うべく、伊原木隆太・岡山県知事、栗山康彦・浅口市長も、ステージに登壇した。


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 こうして岡山に再び戻り、温かい地元の人たちに囲まれてイベントを実施することができた気持ちを聞かれた阿部は、「皆さん、帰ってきました。ここに立つと、まるで昨日のことのように撮影を思い出します。この町が本当に明るく僕たちの撮影を見守ってくれたので、温かい映画が出来たと感謝しています」と、北村は「歩いているだけで懐かしくて、いろいろなことを思い出しながら(レッドカーペットを)歩いていたんですけど、こうやって人と人を繋げる場所だったなと思い出しました。映画の中でもそうですし、実際に先ほども旅館の方とお話をしていて、“この映画を通じてここを盛り上げることができたのでありがとう”という言葉を聞いて、すごくじんわりとしました。この『とんび』という作品に参加できて、そしてこの場所に来られて本当に良かったなと、改めて思います」と、監督をつとめた瀬々は「最初ロケハンでこの場所に来た時に、やっぱりここがいいなと思ったのですが、改めて(本日訪れて)間違いなかったなと思いました。本当に皆さまのお陰で映画を完成させることができました。ありがとうございます」と、それぞれが感謝の意を述べるとともに、岡山への凱旋への喜びをあらわにした。


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 岡山で本作が撮影されたのは1年半程前となる2020年の11月からの約1ヵ月間。撮影から月日が経ち、無事に公開を迎えた思いを聞かれた阿部は「岡山という場所が穏やかで温かく、そして、ずっと晴天でした。この商店街の人も皆さんそうですけど、応援してくださった皆さんの優しさや温かさが、常にそれが励みになりました。エキストラとして出演していただいた方もいますし、この町で一緒に、本当に家族のように撮影できたのが、嬉しかったですね」と、北村は「僕は、作品の中盤からの参加で、普段は途中参加の作品というのは、ちょっと気合がいるのですが、『とんび』という作品と、ここで生活する全ての人々の温かさみたいなものが現場を作り上げていたので、毎日心穏やかに、とても良い空気の中で何も気負いせずにアキラという役を演じることができました。僕自身もこの映画を観て泣いたんですけど、作品の持つ温かさや柔らかさは、本当にこの町が作り上げているのだと思いました」と、瀬々は「原作の重松 清さんが岡山県出身ということもあり、そして、本作のアキラが重松さん自身を描いたような、自伝的な物語でもあるので、ぜひ(重松さんの出身地の)岡山で撮影したいという思いがありました。この作品には主人公のヤスとアキラ以外にも魅力的な登場人物がたくさん出ています。誰彼ともなく感情移入できる、皆の映画となっているので、これが岡山の皆さんの映画にもなればいいなと思っています」と、喜びに満ちたコメントをした。


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 そして、本作では今回訪れた商店街をはじめ、岡山県内8市町村にて撮影が敢行された。撮影当時の思い出や、印象的だったことを聞かれた阿部は「撮影では多くのエキストラの方が出ていただき、今日もそうですけど、地元の大工さんがこの商店街のセットを作ってくださったというのもびっくりしました。そういう町の温かさが常にありました。また瀬戸内海は穏やかで綺麗な映像が撮れたり、いろいろな場所で、『とんび』という映画にふさわしい空気というかそういうものが映画には映っていると思います。僕も1ヵか月近く岡山に滞在したのですが、常に心穏やかに撮影できたというのは、岡山の皆さんのおかげだと思っています」と、北村は「ご飯がおいしかったという思い出があります。現場のモチベーションとして、ご飯は意外と大事だったりするのですが、魚を現地の方が焼いてくださったりしました。杏さんが『夕なぎ』の向かいの魚屋さんとお話しされていたのも思い出深いです。多分そのままお刺身も頂いた気がするんですよね(笑)。そうやってコミュニケーションをとらせていただいたり、温かいご飯を頂いたのが印象深いです。それらが現場をさらに盛り上げていたという気がします」と、瀬々監督は「晴れの国という印象です。撮影中は一度も雨がなかったですね。それはとてもよかったのですが、実は一ヵ所雨のシーンがあって、その時は“晴れだけどどうするんだよ、監督”と現場もなっていましたが、“狐の嫁入りだね”という台詞を急遽足して撮影に臨みました。結果的にはとても良いシーンになったと思います」と、撮影当時に思いを馳せながら回答した。


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 その後、地元メディアからの質疑応答では、岡山での撮影の印象的なエピソードを聞かれた阿部は「待ち時間とかがあると、お店に入ってお話を伺ったり、祭りのシーンでは皆さんと神輿を担ぐシーンも楽しかったです。そういう地元の人との優しさとかふれあいというのは、中々他の作品では無いことなので、今回は嬉しかったですね」と、北村は「今日この町に来て思ったのが、匂いが懐かったです。僕はたぶん半月くらいしか滞在していなかったんですけど、それでも帰ってきたときに懐かしく感じる匂いが、思い出深いです。他にもロケ地がある中で、一番ここが懐かしい感じがして、今こんな世の中ですけど、とても温かい優しい気持ちになりました。ここに住まわれている方への羨ましさもありますね。こういう所に住みたいなと思いました」と、瀬々監督は「やっぱり最初にロケハンに来た時に、懐かしい感じだけど、実際に生活感がある、人々が生きているという感じがするのが、良いなと思いました」と答えた。


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 さらに、2度ドラマ化されている『とんび』を映画化するにあたって目指したものを聞かれた瀬々監督は、「映画オリジナルとして令和のシーンまで描いているのですが、やはりこの作品は“あの時代はよかったな”という作品ではなくて、今の時代にバトンタッチしていく、人々の思いを次へ繋げていくという点を意識して作ろうと思いました」と、また、脚本を読んで感じた、自身のキャラクターの魅力について、阿部は「僕は幼い頃に、父親の弟さんがヤスのような感じだったんです。しょっちゅう遊んでいたんですけど、反面教師として育ったんですけどね(笑)。非常に人間味があって魅力的で、ダメなところはダメで、でも子どもにはすごく優しくて、常に全力な人でした。こういう役はいつかやってみたいと思っていたんですけど、全力で子どもを不器用ながら愛する役を演じられたのは、とても楽しかったです。今時代は変わってきていますけど、芯の部分は変わっていないと思います。ヤスは人に対して優しいし、助け合うし。今はそういうことが少なくなっている時代ではありますけど、こういった世の中にだからこそ、助け合いという心は必要だと思います」と、北村は「アキラという役は、この家族はどこまでも不器用なんだけど、命のバトンを繋いでいくところはすごく大事にしていかなくてはいけないと思いました。ヤスという父がいて、アキラがいて、そしてアキラも父になって……という『とんび』も本から始まり、ドラマや映画と何度も映像化されてきてバトンが繋がっていくという。アキラの生き方自体が、『とんび』という作品を表しているんじゃないかと思い、そこを大事にしました。アキラと自分の共通点は、アキラの持つ一見物静かだけど、中には頑固な部分があって芯が通っていて、自分の道は自分で決めて生きるんだという強さは、僕とちょっと似ているかと思いますね」と答えた。


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 さらに、役を演じるにあたってこだわった点や難しかった点を聞かれた阿部は「ヤスは全力で生きているから、僕も全力で演技をして、その中から出てくる優しさや弱さという人間味が出てくればいいなと思っていたので、とにかく全力で演技をしました」と、北村は「僕は、クランクインが坊主の髪型から入ったんですけど、その思春期から始まって、年を重ねていくようすを、例えば姿勢とか細かい仕草で表していくかというのは気をつけてましたね。でも、基本的には父であるヤス、阿部さんに体当たりしていけば、息子としては正解かなと思っていたので、大変さはあまりなかったですね。大船に乗った気持ちでした」と答えた。

 そして、イベントも終盤に差し掛かったところで、“故郷”岡山の人たちから、本作の公開と今回の凱旋を祝し、キャスト・監督陣へサプライズのプレゼントが……! 本作の中で、父・ヤス(阿部 寛)と息子・アキラ(北村匠海)が御神輿を担ぎ、町の人々がふたりを温かく見守るという、感動的なシーンがあるが、それを再現する形で、「みゆき通り商店街」に御神輿が登場! 「わっせい! わっせい!」という力強い掛け声とともに、躍動感に満ちた御神輿の登場で、キャスト・監督陣を祝福した。


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 突然の御神輿の登場への感想を聞かれた阿部は「撮影の時に一緒に担いでくださった方々ですか? 本当にありがとうございました! 僕も(撮影の時には)参加させていただいたんですけど、本当に楽しかったです」と、北村は「掛け声が懐かしかったんですけど、ここの商店街で神輿が通るときにお酒を配ったシーンがあるんですけど、そのシーンも楽しかったな、と思い出しました」と、瀬々は「『とんび』という映画は、親だけではなくて町全体がアキラを育てるという話でもあるので、町全体の人々という点を描くために、祭りのシーンを映画オリジナルで入れたかいがあったなと、改めて思いました。本当にありがとうございます!」と、それぞれが喜びの表情を見せた。

 最後に“故郷”岡山の人たちに向けて、瀬々監督は「素敵な映画を作ることができたのは、本当にここにいる皆さまのお陰だと思っています。あともう少し生きようと思ってますんで、もう一本位岡山で撮影したいと思っています! その時はまたよろしくお願いします!」と熱い思いをピーアール。北村は、「この岡山という地から生まれた『とんび』という映画、僕の周りでも大好評でして、日本のみならず世界中に届けたいくらい、温かい想いが流れている映画だなと思います。きっとまだまだこの映画はどこまでも翔んでいくと思いますので、皆でさらにこの映画の行く末を見届けられたらなと思います」と、本作への思いを熱く述べた。主演の阿部は、「ここにいる皆さんと作り上げた映画だと思っています。本当にありがとうございます。僕の傍でも、本当に大好評です。観てくださった方が本当に感動してくださって、作品に参加できたことを誇りに思っています。また、瀬々監督が岡山で撮るときには、ぜひどんな役でも良いんで出してほしいです(笑)。本当にここに帰ってこられて良かったです。ありがとうございました」と強い想いを伝え、温かな雰囲気の中、イベントは終了した。



(オフィシャル素材提供)



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