インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash




舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』

『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』
舞台挨拶

2021-03-28 更新

前原 滉、橋本マナミ、池田 暁監督

きまじめ楽隊のぼんやり戦争kimajimegakutai 配給:ビターズ・エンド
テアトル新宿ほか絶賛上映中!
©2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト

 池田 暁監督初の劇場公開となる待望の最新作『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』がテアトル新宿ほか絶賛上映中! SNSでは「斬新&風刺全開の傑作」「今までの日本映画になかったタイプの映画。ブラックユーモアやメッセージ性が、まるでロイ・アンダーソンやカウリスマキ」「病みつきになるような不条理な笑いが面白くもあり恐ろしい!」など、絶賛の感想が続々とあがっているなか、3月27日(土)、テアトル新宿にて主演の前原 滉、橋本マナミ、池田 暁監督が登壇し、公開記念舞台挨拶を行った。


 公開2日目に劇場に駆けつけた観客に対して、まず主演の前原 滉「朝早くから時間を割いてこの映画を観にきてくれてとても嬉しいです」と感謝を述べた。橋本マナミが「皆さん楽しんでくれましたか?」と客席に問いかけると、溢れんばかりの拍手が。池田監督は「撮影は約1年半前ですが、やっと劇場公開できてとても嬉しいです。今日駆けつけてくれたお二人も感謝です」と喜びを語った。

 真面目な兵隊・露木は、川の向こうにある音楽や町の人々と関わりを通じて戦争への疑問を抱いたり、少しずつ感情が豊かになっていく。演じた前原は「これまでクセのある役柄が多かったので、感情を表に出した方が演技しやすかったんです。感情を抑えた演技は初めてでしたが、“余白”のある演出は想像を掻き立てるので悪いことじゃないと思いました」と、役者としての新たな発見があったという。


kimajimegakutai

 池田監督の演出の見どころは、抑揚のない話し方と感情が読みづらい表情。本作に名を連ねるのは、普段から優しく温厚なイメージがある豪華な俳優陣だ。彼らのそんな演技を見るのはなかなか珍しい。キャスティングについて監督は「個性をとても大切にしています。本作でも、誰とも被らない個性を持っている方々をキャスティングさせてもらいました」とこだわりを語る。それを受けて「あるインタビューで、きたろうさんがキャストのみんなを“妖怪”と言ってましたね(笑)」と前原。会場の笑いを誘った。

 橋本演じる春子は、夫に献身的に尽くすも子どもができないことを理由にフラれてしまい、城子(片桐はいり)の定食屋で働き始める。そんな春子を「もし自分だったら、自暴自棄になってしまうかも。それでも前向きに生きる春子は強い女性だと思います」と橋本。共演した片桐との現場は「城子さんが強い悲しみを表現するシーンがあるのですが、その演出にびっくりしてしまって(笑)。でも笑ってはいけないから、その姿を横目に見ながら演技するのはとても大変でした」と語った。


kimajimegakutai

 対して、露木の職場は突然楽隊に。上司はパワハラが目立つ指揮者の伊達(きたろう)。前原はきたろうとの共演シーンについて「きたろうさんはすごく攻めた演技をしていて。監督との攻防が印象的でした。片桐さんや嶋田さんなどベテランの皆さんも、これだけの俳優歴がありながら現場でチャレンジを続けている姿を見て、本当に演技が好きなんだと感じて。たくさん学びがありました」と思い出を語った。

 池田監督作品は、至る所に潜む笑いが魅力のひとつ。その笑いのテイストについてこれまで影響を受けたものを問われると「特定の作品からというより、日常でよく見ていると面白くて笑えてくる人から取り入れていることが多いです。それこそ、きたろうさんが参加していたコントユニット『シティボーイズ』も大好きでした」と語った。


kimajimegakutai

 映画のタイトルにちなみ、それぞれの「きまじめ」な一面と「ぼんやり」な一面に迫る質問も。

 前原「ぼんやりしている部分はこの映画のタイトルをなかなか覚えられずにいること(笑)。どうしても“気まぐれ楽隊”と言ってしまうんです。初主演映画でとても好きな作品なのに……。それをすごく反省しているのがきまじめな部分ですかね」と言うと会場から大きな笑いが起こった。

 潔癖症であるという橋本は「お皿を使う前に自分の手で拭ってマーキングする性格がきまじめですかね……。自分で撒いたウィルスには打ち勝てるのかなって(笑)。でも今はコロナ禍なのできちんと手を洗っていますよ」とプライベートでの秘密を紹介。

 池田監督の「僕は基本的にきまじめでぼんやりしていますね」との答えには「撮影中も虫を捕まえたりしてましたもんね(笑)」と前原が即ツッコミ。「それは仕事で捕まえてたので“きまじめ”!」と監督が話し、終始会場は笑いに包まれていた。

 そして最後に池田監督は「少し変わった作風ですが、日本でもいろんな映画があっていいと思います。たくさんの人に観ていただき、受け入れて下さったら嬉しいです」と呼びかけた。そして「観れば観るほどクセになるし、メッシージ性と笑いに富んだ映画」と橋本。前原は「映画は観客の皆さんに観てもらって初めて完成するものだと思います。その場に立ち会えたことが嬉しいです。エンターテイメント業界自体が大変な時期ですが、この映画を観にきてもらえたことが本当に嬉しいです。ぜひ周囲の人にも広めてもらえたら」と語り、温かく大きな拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。


kimajimegakutai


(オフィシャル素材提供)



関連記事
第21回東京フィルメックス審査員特別賞受賞!
生配信イベント

Page Top