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『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』
生配信イベント

2021-03-17 更新

前原 滉、今野浩喜、中島広稀、清水尚弥、橋本マナミ、矢部太郎、片桐はいり、嶋田久作、きたろう、池田 暁監督

きまじめ楽隊のぼんやり戦争kimajimegakutai 配給:ビターズ・エンド
3.26(金)より、テアトル新宿ほか全国順次ロードショー!
©2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト

 池田暁監督初の劇場公開となる待望の最新作『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』がいよいよ3月26日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開となる。この度、公開直前生配信トークイベントが行われ、主演の前原 滉をはじめ、今野浩喜、中島広稀、清水尚弥、橋本マナミ、矢部太郎さ片桐はいり、嶋田久作、きたろうら、物語を彩る超豪華キャストが大集結! 世界から注目を浴びながらも本作が劇場初公開である池田監督と一緒に、見どころから裏話まで語った。そしてこの日に合わせて、『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』のロッテルダム国際映画祭ハーバー部門への出品が決定した。


 物語を彩る豪華キャストが大集結した本イベント。昨年の東京フィルメックスで日本人監督作品初の審査員特別賞を受賞した池田 暁監督と、話題映画・ドラマへの出演が相次ぐ注目俳優でありながら、本作が映画初主演となる前原 滉が、息の合った司会を務めた。


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 池田監督「初の劇場公開となる作品なので、多くの人に自分の映画を観てもらう機会ができて嬉しいです」と挨拶。前原「初主演作の実感があまりなくて…というのもキャストにスタッフに、いろんな方々に支えられて演じることができたからです」と感謝を述べた。


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“煮物屋”が舞台のひとつ!? 嶋田久作の苦労と、監督への厚い信頼。

 代わる代わるキャストが登壇、映画の見どころや裏話を語った。まず登壇したのは、新入り兵隊を演じた中島広稀、石橋蓮司演じる町長のマイペースな息子・清水尚弥、物知りな煮物屋の店主を演じた嶋田久作。主人公・露木が毎日通う煮物屋に登場する3人だ。

 池田監督演出の見どころは、抑揚のない話し方、そして感情が読みづらい表情。その世界観に最初は戸惑ったという役者陣。撮影時のエピソードを問われた中島は「こんな演技は初めてなので、みんな探り探りだったと思います。だけど本番を迎えたら、ピタッと演技や間がハマって。すごく胸が熱くなりました」と語った。

 清水は「煮物屋でのシーンは毎日同じやり取りに見えて、登場人物にも少しずつ変化が訪れる。そういう部分にも注目してもらえたら」と語った。

 若手俳優陣は嶋田らベテラン俳優陣の演技の取り組み方やその安定感に感銘を受けたという。

 そんな嶋田は「脚本を読んだときに、余計なことはしないで無駄を削ぎ落としていくような演技が求められていると理解しましたが、それがなかなか難しい。みんなで息を合わせないといけないので。でも監督がしっかりと演出をしてくれましたね」と監督への信頼を窺える場面も。対して監督は「削ぎ落としてもらった演技のなかで滲み出る個性がすごく面白くて、キャラクターや映画の魅力に繋がっています」と語った。


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矢部太郎はそのまんま!? 独特すぎるキャラとの間に見つけた共通点とは……? 現場は笑いを堪えるのに全員が悪戦苦闘!

 続いて、露木の同僚を演じた今野浩喜、露木の上司・川尻の献身的な妻を演じた橋本マナミ、頼りない技術者を演じた矢部太郎が登壇。

 脚本を読んだ橋本は「メッセージ性がきちんとあるんだけど、この映画のジャンルはいったい何だろう?と不思議に思って。でもそれがこの映画の魅力ですよね」と語った。演じた役と自身の共通点を問われると「私が演じたのは、夫に献身的に尽くすも、若い女性に乗り換えられてしまう女性。私も前はたくさんお誘いをもらっていたのに、30代になった途端、あまり口説かれなくなっちゃって……。女性は熟れれば熟れるほど素敵だなと思うのに、男性って残酷だなと。皆さんどうですか?」とその場にいた男性陣へ質問。「僕は年上好きなんですけどねえ……」と前原。矢部は「僕なんて88歳のおばあちゃんとの交流を漫画にしたくらいですからね……」と会場の笑いを誘った。


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 同じく登場人物との共通点を問われた矢部「僕と僕が演じた仁科はあまり共通点がないな……」との回答に、キャスト一同「矢部さんが一番そのままのキャラクターだと思う」と総ツッコミ。

 俳優としても活躍する今野は[無表情で笑いをこらえながら演じる大変さ]について、「表情を作ってはいけないのは辛かった。“葬式コント”とかはこんな感じで生まれたのかなと(笑)。特に定食屋でのシーンは、横にいる片桐さんの動きがすごく面白いのに笑ってはいけないのが大変でした」と語った。


きたろう&片桐はいりも認める“匠の技”級の笑いは、今の世界を映し出す……!?

 気まぐれな定食屋の店主を演じた片桐はいり、プライドが高すぎる楽隊指揮者を演じたきたろうが登壇。きたろうは池田監督の前作の短編『化け物と女』(18)への出演に続き、本作が2回目のタッグとなる。きたろうはその持ち味について「登場人物はみんな無表情なんだけど、 “笑い”がベースにある。笑いを抑えて、面白いものを作ってるのがいい。笑わせようという欲を抑えるのが匠の技だよ」と語った。


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 対して前作を見て出演を決めたという片桐は「実際演じてみたら笑いの線引きやさじ加減がすごく難しい」との感想を述べた。

 きたろう「そもそも演技というのは、作為を見せないようにするもの。それに、なぜ戦争しているのか分からずに戦争を続ける人々を演じるのも難しい。この映画は、楽隊のなかで“差別”の構造も描いていて、差別というのはこういうふうに生まれていくのかと思ったね」。

 片桐「だんだんとセンチメンタルになっていきますよね。いま私たちがいる世界と重なるシーンが度々あって、ハッとする」と、コント的でありながらも現在の社会を映し出す本作の魅力を語った。


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 本作が初主演となる前原の演技についても「きちんと演技してないのがいい! それがこの映画で求められていること。それでみんなも彼についていこうとなったと思う」ときたろうが大絶賛する場面も見受けられた。


『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』が世界へ! 第50回ロッテルダム国際映画祭ハーバー部門への正式出品が決定!

 この日は最後に一大ニュースが。本作が、第50回ロッテルダム国際映画祭ハーバー部門に見事選出! 池田監督の長編第2作『山守クリップ工場の辺り』(13)ではグランプリを受賞するなど、非常に縁深い同映画祭だが、今回選出されたハーバー部門は今年から新設された新部門。「多様で質の高い作品が集まる拠点」を目指す部門ということもあり、6月の上映時の世界の反応が今から楽しみだ。



(オフィシャル素材提供)



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