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『アンダードッグ』第33回東京国際映画祭 オープニング作品&TOKYOプレミア2020 公式上映

2020-11-03 更新

森山未來、勝地 涼、武 正晴監督、足立 紳(脚本 ※Q&Aのみ)

アンダードッグunderdog 配給:東映ビデオ
11月27日(金)よりホワイトシネクイント他にて[前編・後編]同日公開
© 2020「アンダードッグ」製作委員会

 第33回東京国際映画祭のオープニング作品と、観客賞の対象となる「TOKYOプレミア2020」作品である劇場版『アンダードッグ』。この度、東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」の公式上映が行われ、舞台挨拶を行った。イベントには主演の森山未來、勝地 涼、武 正晴監督が登壇! 拳を交えた激闘試合シーンの撮影秘話や、プロボクサー並みの厳しいトレーニング、それを乗り越えた後に何をしたか等のエピソードなどを存分に語った。


 豪華キャスト陣による白熱のボクシングが繰り広げられた前編の上映を終え、まだまだ熱気の冷めやらぬ観客たちの前に、主人公の崖っぷちボクサー・末永 晃を演じた森山未來、芸人ボクサー・宮木 瞬を演じた勝地 涼、武 正晴監督が登場! 客席から大きな拍手とともに迎えられ、森山は「オープニングセレモニーには参加できなかったので、今日参加できて嬉しく思います。後編もぜひ楽しんでください」、勝地は「台本をもらったとき、宮木という役に僕自身も共感するものがあったので、自分の抱えている悔しさを宮木の中に押し込んで一生懸命演じたつもりです。後半も感動の展開なので楽しみにしてください」、武監督が「僕も先ほどの前編を皆さんと一緒に鑑賞していたのですが、宮木に泣かされてしまいました。お客さんと観るのは緊張感があって楽しかったです」とそれぞれが挨拶。

 前編を鑑賞した観客の興奮にもある通り、劇中では臨場感あふれるリアルなボクシング・シーンが映し出されていくが、実際の撮影での様子ついて問われると、森山は「ボクシング・シーンは撮影が進むうちにテンションも上がってくるのですが、あくまで撮影なので、長い付き合いの勝地くんとちゃんと冷静な部分も意識しながら、コミュニケーションを取って撮っていきました」と振り返り、勝地は「宮木は基本的に(森山に)殴られる役だったので、振り付けがあっても途中から何が起きているのか分からなくなることもあったんですが、そのたびに未來くんに確認してきっかけを作っていて、未來くんがひっぱってくれていましたね。」とお互いの信頼関係の上で迫力のボクシング・シーンが成り立っていたことを明かした。


underdog

 クランクインの1年前から本格的にトレーニングしていたという森山は「僕は格闘技経験が全くなかったので、ボクシング指導の松浦慎一郎さんと一緒にトレーニングしながら、基本的なところからスタートしました。それでも人を殴る、殴られるというのをしたことがなかったので、松浦さんやプロボクサーの方を相手にスパーリングをしっかり行わせていただいて、そこで初めてボクサーの方々がボクシングに憑りつかれる、本能的なエネルギーを肌で感じていきました」、勝地は「僕は芸人の役なので未來くんや匠海くんのようにボクシングが上手である必要はないんですが、”大振りしながら外す”という体力を削られる動きが多かったのが大変でした。ミット打ちや大振りの練習を重ねて、スタミナをつけるということも主にやっていきましたね。武監督もよく現場に来てくださって、“今のいいね!”と声もかけてくれたので、みんなで練習をしながら宮木のボクシング・スタイルを作っていきました」とそれぞれが過酷な練習の裏側を語った。


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 ここで、劇中では才能を期待される若きボクサー・大村龍太を演じながらも、今回の舞台挨拶には出席が叶わなかった北村匠海より森山、勝地、武監督へのサプライズ質問が到着!

 オープニング・セレモニーでも“撮影中は誰よりも主役で、とにかく映画に魅了されている方”と北村が印象を明かしていた武監督には、“映画を撮ろうと決めたきっかけは?”という質問が。武監督は「最初の映画の現場で仕事をしたときに、監督の仕事には到底就けないと思ってしまうくらい素晴らしい監督に出会った。その後、助監督を15年続けるなかで、一本くらいは映画を撮らないとやってらんないなと思い始めまして……そこがきっかけでした」と懐述。俳優として映画に出演するほかにも、舞台、またダンサーとしても活躍している森山へ、“人生における生き甲斐、気持ちいい、と感じる瞬間は?”という質問がされると、森山は「舞台であれば観客と同じ時間を共有できますし、映画であれば作品と観客の皆さんが一体になると思いますが、僕らに表現したいという想いがあっても観客の皆さんがいないと完結出来なくて、その瞬間が一番大事なんですよね。完結した時の皆さんの反応が良くて、皆さんの世界観や価値観が膨らませることが出来れば、僕にとってそれが一番の喜びだなと思います」と自身が携わる表現に対して並々ならぬ思いを明かした。共に過酷な撮影を乗り越えた勝地へは、“撮影終了後に食べたご褒美メシは? ちなみに僕は家系ラーメンを替え玉して食べました!”という質問が投げかけられ、勝地は「匠海くん、僕だけ質問が浅くない(笑)?」と会場からの笑いを誘いながら、「つけ麺ですね。未來くんと試合シーンのあとにご飯にいったのですが、その前につけ麺を食べました!」と笑顔で回答。森山にも同じ質問がされると、「前編の撮影後は勝地くんとご飯に行きましたが、後編の撮影後は匠海くんと一緒にご飯に行きました。何を食べるかということよりも撮影の後に“お疲れ様!”と言いながら同じ時間を共有できることが僕にとってはご褒美でしたね」と明かし、それに対して勝地が「未來くん、いいコメント言うわ」と羨まし気につぶやき、会場の笑いを誘った。


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 最後に、これから後編の上映を控え、続きが気になって仕方ない観客たちに向け、監督が「前編だけで観終わるのはもったいない作品です。俳優全員が熱演をしているので、ぜひ最後まで見届けてもらえればと思います」と力を込めた。熱いパンチが交わされるボクシング・シーンさながらに、映画に込められた熱い言葉がたっぷりと交わされた舞台挨拶。さらに、上映後は、森山と、勝地、武監督が会場に残るほか、脚本の足立 紳も参戦し、観客からの質問を募るQ&Aコーナーがスタート! 映画好きの猛者たちからのするどい質問に、監督やキャスト陣も圧倒されながらも笑顔で答え、大盛り上がり! イベントは、最後まで熱気に包まれながら幕を閉じました。


<Q&A一部抜粋>

森山さんと勝地さんと北村さんらは、俳優としても、またボクシング・スタイルに関しても、三者三様だったかと思うが、それぞれに違った演出をつけたり等はあったのか。

武 正晴監督: キャスティングは一番大事な演出だと思っています。今作ではシナリオが上がった段階で、森山さん、北村さん、勝地さん、と役柄に合っていると思った俳優を、最初からキャスティングすることができました。そしてこれだけの俳優さんなので芝居に関しては心配していませんでした。あとはボクシングだけだなと思っていたので、俳優たちとボクシング指導の松村さんと共にどのようなボクシング・シーンにするかをひたすらに話していました。


ボクサーとセコンドの関係性に胸が熱くなりました。セコンドを演じた方々とのエピソードがあれば教えて下さい。

森山未來: 晃はジムの会長との関係性が良くないなかで、宮木との試合の経緯がありましたが、その間はセコンドである会長から晃に対するフォローはほとんどありませんでした。宮木のセコンドであるロバート・山本博さんが演じる村石は宮木に親身に寄り添っているし、龍太のセコンドは全キャストのボクシング指導をしてくれていた松浦さんが演じていて、僕はずっと“いいな~。あの人がそばにいるとどれだけ心強いか……”と思っていましたね(笑)。末永 晃としても、ますます追いつめられている感じがしていました。

勝地 涼: ロバートの山本さんは、芸人さんであり、プロボクサーで試合に出た経験もあるので、共演させていただき嬉しかったです。撮影中はアドリブで声をかけてくださったり、試合中の椅子に座ったときのケアの仕方にも安心感がありました。山本さんが実際に試合をしていた時の映像も観させていただいたのですが、試合に勝って腕を振り上げている佇まいが胸に来るものがあって……。宮木の試合シーンでもその印象を重ねて演じていました。そして、劇中で宮木の腕を支えてくれているのは山本さんで、そこにも繋がるものがあるなと感じていました。


<最後の挨拶>

森山未來: 本日は長丁場のなかありがとうございました。このような状況の中ですが、この作品は、前に進むことや立ち上がろうとすることにきっかけを与えてくれるような、試合の勝ち負けを超えた先にあるきっかけを掴むことを後押ししてくれるような作品になっていると思います。ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたいです。

武 正晴監督: このような状況で、この映画をまさか完成させることができて、2020年の東京国際映画祭で観ることができたという、非常にまれな瞬間を共有できていると思っています。ボクシングの試合において、観客の存在って大きいんだろうなとこの作品を通して感じました。映画も観客がいないと映画にならないと思いますし、改めてそう感じることのできる瞬間に今日立ち会えて本当に良かったと思っています。ぜひいろいろな方とこの映画について語り合ってください。



(オフィシャル素材提供)



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