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『望み』完成披露試写会

2020-09-28 更新

堤 真一、石田ゆり子、岡田健史、堤 幸彦監督

望みnozomi 配給:KADOKAWA
2020年10月9日(金) 全国ロードショー
© 2020「望み」製作委員会

 『クローズド・ノート』『検察側の罪人』の雫井脩介が執筆時、最も悩み苦しみ抜いたという、著者渾身のサスペンス小説「望み」。読者満足度は驚異の100%(ブクログ調べ)を記録し、累計発行部数は20万部超えのベストセラー小説が満を持して映画化! 10月9日(金)公開の映画『望み』の監督を務めるのは、映画のみならずドラマ・音楽・演劇様々な分野で幅広いジャンルを手掛けるエンターテイメントの旗手・堤 幸彦。主演を務めるのは、これまで数々の映画賞を受賞し、『決算!忠臣蔵』『土竜の唄』シリーズ等痛快なコメディ作品からクラシカルな文芸大作の舞台もこなす、日本を代表する名優・堤 真一。家族のメンバーには、石田ゆり子、岡田健史、清原果耶が集結。そして、加藤雅也、市毛良枝、松田翔太、竜雷太が脇を固めるなど、豪華キャスト陣による、刺激的でサスペンスフルな演技合戦に期待が高まる。さらに主題歌を手掛けるのは、数々の名曲を紡いできたシンガーソングライター森山直太朗。

 この度、本作の舞台挨拶中継付き完成披露試写会が9月27日(日)に実施され、堤 真一、石田ゆり子、岡田健史、堤 幸彦監督が登壇した。


 会場に登場したキャスト・監督は中継先の様子を見ながら楽しそうに反応する。

 メガホンを取った堤監督に今作の撮影でキャストにどんなことを望んだか尋ねると、「今回ほど、キャストの皆さんに助けられて、まるで演劇を作っているような、そんな緊張感のある撮影を毎日できたのは、今まで経験したことのない現場でした。堤さんとは初めてご一緒したのですが、今回叶って本当に嬉しかったです。一言一言ものすごい熱量をかけていたただいて、本当に助けられました。石田さんとは『悼む人』以来で、大変さを強いてしまいましたが、強い母ということを体現していただいて本当に感謝しています。岡田くんは誰にも敵わない、振り向いたときの目線が何かを残していくところがポイントで、また彼の未来を決する作品になっていると思います。そのほかも皆さんも含め、素晴らしい作品になっていると思います」と答える堤監督。

 そんな監督に堤は「最初に台本を読んだ時に、いい話だけど難しすぎたので、最初はお断りしようと思ったのですが(笑)。言葉とか体の状態とかのズレが大きいものなので、言葉通りじゃないけれども、嘘でもない。意識が強いことを言っているけど、体は劣っていく、と乖離していくものがあったので、本当に大変でした。なので、撮影以外は楽しく過ごそうと思って、ベラベラ喋っていましたね」と、撮影を振り返ると、石田も「撮影以外の堤さんはずっと薪ストーブの話をずっとされていて、それが今欲しいです(笑)」と話しつつ、「想像を絶する話なので、お話を全部理解した上で、飛び込むしかないと思っていました」と話した。

 岡田は「僕の役どころ的に、何を今日言えるかなと思っていたのですが、見てくださる方にどっちにでも取れるような規士になるよう、社会性を無くすということを意識して、それを突き通しました。父親からは“反抗期”って思われたらいいな、お母さんには“おかしくなってしまった”と思ってもらえたらいいな、という点で今までの作品とは全く違うアプローチだったので、皆さんの印象に残る映画になっているといいと思いました。堤監督には最初の衣装合わせの段階で、反抗期を出して欲しいと言われたのですが、そこで準備していたことは間違っていなかったんだなと思いました。撮影中は声が小さいから上げてくれって言われたくらいで、監督が最後まで肯定してくれたことで、のびのび規士を演じることができました」とそれぞれ話した。

 夫婦を演じた堤と石田に、もし本当の夫婦だったら何を望むか尋ねると、堤は「石田さんに望むこと、本当にないです! ちょっと、トンチンカンなところがあるので、それを期待します(笑)」と、会場を沸かせた。石田は「撮影中に堤さんに、本当に手順覚えない人なんだねって言われましたよ(笑)」と話すと、「“こんな人いるんだ”って思ったんだよ。天然記念物みたいでしたね」と仲睦まじい様子を見せる。「私そういうのを覚える能力がなくて、忘れてしまうんですよ。洗濯物をたたみながら喋るシーンがあるのですが、とても大変でした」と撮影を振り返る石田さんに、「あ、だからカメラマン、手を(撮影で)切っていたんだ(笑)」という堤監督が返し、さらに会場を盛り上げた。

 堤さんが夫だとしたら何を“望む”か尋ねられると、「堤さんは本当に楽しそうに薪ストーブの話をしていたので、もう薪ストーブの話はしないで欲しいです(笑)。これは冗談ですが、本当に素晴らしい、私が何をやっても受け止めてくれる方だったので、本当に頼りになります」と石田。

 その2人の息子を演じた岡田に、2人が本当の両親だったら何を望むか尋ねると、「堤さんがお父ちゃんだったら、これから寒くなってきますし、薪ストーブで温めて欲しいです。石田さんがお母ちゃんだったら、クラシックギター弾きながら、僕を眠らせて欲しいです」と話す岡田に、堤は「あっためるよ。ピザも作るから!」と、石田も「こんな息子がいたら毎日やりますよ」と、本物の家族さながらの仲の良さを覗かせると、「皆さん想像してみてください。石田さんが奏でるクラシックギターと堤さんがくべる薪ストーブ、絶対よく眠れると思います!」と嬉しそうに岡田も反応した。

 今、一つだけ“望み”が叶うとしたらどんなことを望むか尋ねられると、堤が「早く家に帰りたい(笑)。今帰れば上の子がまだ起きていて、会えるかもしれないので(笑)!」と、石田が「早くコロナが収まって、海外に行けたり、海外の方に日本に来ていただいたりしたいですね」と、岡田が「僕も石田さんと同じく、コロナの終息です。世界中の誰しもが家族とはどういうものなのかということが分かったし、このタイミングでこの作品を出す意味があるなと思うので、この作品が皆さんに届くといいなと思います」と、堤監督が「『望み』が全国津々浦々大ヒットすることですね。今(中継先に)いらっしゃる皆さんが5人ずつに広めていただければ嬉しいです!」と話した。

 劇中の父と母、どちらの望みに共感したかという質問には、「どちらにも共感できますよね。父親と母親の役割とか、立ち位置とかで変わって行くものだし、役を演じていてもどちらの気持ちも分かりました。母親の望みももちろん理解はありますし、分かるけど、っていうことですね。息子にも娘にも共感できますね。娘の言っていることも分かる。それぞれの言っていることは正しい、でもっていう話ですね」と堤。石田は「息子が加害者か被害者かっていうのがテーマでもありますが、加害者でも被害者でもないという真実もあるのではないか、母親というのはとにかく生きていて欲しい、そこにこじつけるためには、どんな妄想もすると思います。そこが母親なのではないかと思っていました。ただ、ただ、生きていて欲しいという気持ちでした」とそれぞれ話した。

 最後に堤が「いろいろな視点で観ることのできる映画だと思います。それぞれの視点で観ていただければと思います」と、石田が「この映画は石川家の家の中でのシーンがほぼ全部なのですが、時間がとても濃くて、1秒の中に凝縮されて気持ちが詰まっている映画なので、あっという間に過ぎてしまうと思います。ぜひ集中して観てください」と、岡田が「僕は若い人たちが観て、ご自身のご両親だったり、お子さんのことだったり、皆さんの家族のことを思い出して、この作品を観て家に帰ったら、家族を愛でる時間を設けていただけることを望みます」と、堤監督が「この映画のどこかに皆さんが所属していると思います。それくらい皆さんの心に刺さりたいという気持ちで作ってきましたので、観ていただけると嬉しいです」と答え、イベントは幕を閉じた。


nozomi


(オフィシャル素材提供)



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