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『WAR ウォー!!』
オフィシャル・インタビュー

2020-07-30 更新

リティク・ローシャン&タイガー・シュロフ


WAR ウォー!!war
© Yash Raj Films Pvt. Ltd. 配給:カルチュア・パブリッシャーズ

リティク・ローシャン

 1974年1月10日ムンバイ生まれ。父は1970&80年代の二枚目スターで、監督でもあるラーケーシュ・ローシャン。叔父ラージェーシュ・ローシャンも作曲家として有名。
 数本の作品に子役で出演したあと、父の監督作品『Kaho Naa… Pyar Hai(言って…愛してるって)』(2000)で正式デビュー。鍛えられた体と甘くさわやかな笑顔、見事なダンスでたちまち人気者となる。
 アルターフ 復讐の名のもとに』(00)、『家族の四季 愛すれど遠く離れて』(01)などのヒットを連発し、たちまちトップスターの仲間入り。2003年にはインド版『E.T.』と言える父の監督作『Koi…Mil Gaya(誰かに…出会った)』に主演、これは『Krrish(クリシュ)』(06)、『クリッシュ(原題はKrrish 3)』(13)と続く、仮面のヒーローもの連作を生んだ。
 ヒットシリーズの『Dhoom 2(騒ぎ2)』(06)、歴史劇『Jodhaa Akbar(ジョーダーとアクバル)』(08)など、主演男優賞を受賞した作品も多く、日本の各映画祭でも、『人生は一度だけ』(11)、『火の道』(12)など数作品が上映されている実力派俳優である。


タイガー・シュロフ

 1990年3月2日生まれ。本名は、ジャイ・ヘーマント・シュロフ。父は1980・90年代のトップスターで、今も『チェイス!』(13)や『サーホー』(19)で渋い演技を見せているジャッキー・シュロフ。母も元女優で、現在はプロデューサー。
 ムンバイのアメリカン・スクールで学び、同級生にはのちにデビュー第2作『Baaghi(反逆者)』(16)で共演するシュラッダー・カプールも。その頃からテコンドーを習い、2014年には黒帯を取得。
 2014年『ヒーロー気取り』でデビューしたあと、『Baaghi』で注目され、このタイトルでシリーズ化となる。日本では『Baaghi 2』(18)が『タイガー・バレット』と題してソフト化された。2020年に公開された『Baaghi 3』もヒットし、4月末現在ヒンディー語映画の興収第2位となっている。
 そのほか、日本では映画祭上映後にソフト化された『フライング・ジャット』(16)や、『Student of the Year 2』(19)など、アクションとダンスのキレを生かした作品が続く。日本でも、すでに多くのファンを獲得している。



 全米を含む、世界30ヵ国で大ヒットを記録し、2019年インド映画の全世界興収1位となった超大作『WAR ウォー!!』が7月17日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開初日を迎え、この後も全国順次公開となる。メイン館ヒューマントラストシネマ渋谷では日本初導入の音響システム「odessa」での上映で大いに盛り上がり、日本公開も本国に負けない熱気に包まれている。

 この度、本作の主演をつとめるリティク・ローシャン&タイガー・シュロフより、本作のファンへ向けた特別インタビューの回答が到着した。

 「2018年世界で最もハンサムな男性ランキング」6位に選ばれたインドのスーパースター、リティク・ローシャンと、先日の映画秘宝で「NEXT筋肉スター世界ランキング 2020」ライト級王者に選ばれるなど、いま日本でも勢いづいている期待のアクションスター、タイガー・シュロフ。本作の主演をつとめる2人から、今回は映画の撮影裏話や、日本にまつわる話など、スター2人の意外な素顔が分かる返答が盛りだくさんとなった。


今回の映画では肉体美が素晴らしかったです。役のためにどのようにトレーニングしたのですか?

リティク・ローシャン: ありがとう! この映画の肉体美はカビールのキャラクター構成要素の1つなんだ。キャラクターになりきるためのプロセスは楽しいアドベンチャーだったよ。それこそ「スーパー 30(原題:Super 30)」の撮影が終わってすぐにこの映画の撮影が始まったからね。カビールになりきるために心と体の両方を鍛えていかなきゃいけなかったから、筋力と俊敏性を身につけるために過密な筋トレをしたよ。

タイガー・シュロフ: アクション・シーンごとに求められる筋肉が異なったんだ。僕の場合は幸運にも昔から武道や体操をやっていたから、シーンに合わせた動きを身につけるのもそう難しくはなかったよ。アクションは大好きだから、新しいスキルを学べてとても楽しかった。リティクとの格闘シーン、(カー)チェイスシーン、パルクールのシーン、バイク・シーン、すべてがためになったよ。


7ヵ国15都市での撮影で驚いたことや大変だったことはありますか?

リティク・ローシャン: 役者として楽しいのは、現場での人との触れ合いだね。いろいろな国、いろいろな時差帯、いろいろな気候で野外撮影をしたけど、そうした苦労にも負けず頑張っているクルーを見ると胸が熱くなったよ。だから場所というよりは、いろいろな人たちの頑張りが印象に残っている。それにロケ撮影はスケジュールが過密で、仕事以外のことをしている余裕なんかなかったよ。

タイガー・シュロフ: 訪れた先はどこも撮影に協力的ですごく驚いたよ。僕がリティクを追いかけ、彼が橋から飛び降りるシーンの撮影をしたポルトガルのポルトでは橋を丸々封鎖してもらえたんだ。本当に驚いたよ。だから訪れた先の人たちの優しさを感じた撮影だったね。


ファンにとって待望の共演となったお2人ですが、実際に共演してみてお互いにどういった印象をもちましたか?

リティク・ローシャン: 僕からの意見になってしまうけど、タイガーとは彼のデビュー以来連絡を取っていたんだ。そして彼の成功を信じて疑わなかった。仕事に対する彼の情熱とコミットメントはもう表彰状ものだね。セットでは誰よりも早く到着して、いつでも演技できる状態になっていた。そして好奇心の塊のような性格で、何でも学んで吸収しようとしていた。『WAR ウォー!!』の撮影では彼をよく観察させてもらったけど、今後ますます活躍するという確信につながったよ。

タイガー・シュロフ: 彼がハードワーキングな役者だってことは昔から知っていた。本作の実現のためにものすごく頑張っていてくれたんだ。そして実際に彼と共演してみると、彼はすごく細部にこだわっていた。簡単なショットでも、緻密に計算していたよ。だからミスが起きる余地がないんだ。A地点からB地点に歩くだけでも、スクリーンでは何かしらの意味があるように見せてくれる。でも映画製作時以外では、とてもゆったりとした人で付き合いやすかったよ。僕も撮影中は真剣にやっていたけど、カメラが回っていない時は彼とよく話をした。もともとファンだから、いろいろな質問をぶつけたよ。


高い橋から飛び降りるシーンがありますが、恐怖心はありましたか?

リティク・ローシャン: リティクとしてはめちゃくちゃ怖かった(笑)。でもカビールとしてはヘッチャラだよ。(カー)チェイスのシーンでは役になりきっていたから、監督のビジョンに従うだけでよかったんだ。


映画初めのほうに長回しでのアクション・シーンがありましたが、あの素晴らしいシーンはどのように撮影をされたのですか?

タイガー・シュロフ: 何よりも、アクションの振り付け師とスタントマンとYFX(VFX スタジオ名)の人たちが素晴らしい仕事をしてくれたおかげだと思う。僕たちと裏方の人たちの頑張りがあの出来につながったんだと思うよ。
 僕の話をすると、あのシーンは人生で1番難しいアクション・シーンだった。2~3分の格闘をワンカットの長回しで撮らないといけなかったから、振り付けを覚えたとおりにやったり、集中力を切らさなかったりするのが大変だった。あれほど過密な格闘だと、自分のペースを保ちながら相手のペースにも合わせるのは至難の業だ。他のキャストの安全にも気を配らないといけないし、自分の安全も確保しないといけない。それでいてリアルなファイトに見せないといけない。心身ともに大変だったよ。
 あのシーンは『WAR ウォー!!』で最初に撮影したシーンだったけど、製作のアーディティヤ・チョープラーとシッダールト監督が準備の時間を充分くれたおかげで、僕もベストを尽くせた。自分としてもいい形で撮影に入ることができたね。仕上がりがあんなふうになって僕もうれしいよ。


今回スパイを演じるうえで、難しかったことはありますか?

リティク・ローシャン: 困難とまでは言わないけど、手こずったところはあったね。でもそういった時はチーム全体でチャンスだととらえて、アドリブでいくことにしたんだ。監督とはコミュニケーションが円滑にできていたから、カビールのスパイとしてのポテンシャルを引き出せたと思うよ。


この映画は2019年インド映画全世界興行収入1位になりましたが、映画が完成した時点では、そのような手ごたえは感じましたか?

リティク・ローシャン: 最初に観た時は、一観客としてとても面白い作品だと感じたね。でも興行的な行く末は見当がつかなかった。一観客としては楽しめても、一作り手としては細部ばかりが気になったりするから、そういうことは意外と読めないんだよ。役者としての僕の仕事は観客の支払った金額に見合うエンターテインメントを提供することだ。観客の期待に応えようという思いは強かったよ。興行面でその成功を証明できたことはうれしい限りだ。

タイガー・シュロフ: 製作発表の時から話題になっていたのは知っていたよ。だから期待に応えなきゃというプレッシャーはあった。でも同時に頑張ろうというモチベーションにもなった。努力が報われてうれしいよ。作品を観た時は、ヒットのことよりも、こんな大作に携われたことをとても光栄に思ったね。それも子どもの時からの憧れていたリティクと共演できたなんて。だから興行的なことは全然考えていなかったよ。


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今回の作品の中で一番好きなシーンを教えて下さい。

リティク・ローシャン: ナイナの娘ルヒとのシーンが僕にとっては1番美しくでき上った箇所だ。やり取りの中で、カビールの感情や思いが溢れんばかりに出ている。ミッションを遂行する上での彼女に対する護衛の気持ちが、子どもたちへの愛と混合していて、シーン全体に深みがあったと思う。


尊敬する俳優はいますか?

リティク・ローシャン: 共演のタイガー・シュロフしか思い浮かばないね。

タイガー・シュロフ: ジャッキー・チェン、ドニー・イェン、ブルース・リー、スコット・アドキンスだね。


日本映画を観たことがありますか? 好きな映画はありますか?

リティク・ローシャン: 日本のアニメのファンだと白状するよ。『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』をよく見るね。

タイガー・シュロフ: 残念ながら日本の映画はまだ観たことがないんだ。でも日本のアニメは大好きで、自分が出る映画の格闘シーンの絵をアニメから着想を得て描くこともあるよ。アニメなら『NARUTO』や『ドラゴンボール』が好きだ。子どもの頃はポケモンにもハマった。いつか日本の映画にも出たいね。オファーをもらえればだけど。『WAR ウォー!!』での演技を認めてもらえないかな。


好きな日本人の映画監督や俳優はいますか?

リティク・ローシャン: 小津安二郎、溝口健二、そして黒澤 明の映画製作や彼らの生み出す画に感服するね。


日本に来たことはありますか?

リティク・ローシャン: 『WAR ウォー!!』のプレミア上映で来日することを楽しみにしていたよ。旅行をして文化と芸術に触れることは人間性の向上に役立つ。日本はいつだって僕の行きたい先リストに入っているんだ。近いうちに必ず行くからね。

タイガー・シュロフ: 実は去年のクリスマスに日本に行ったんだ。人も文化も食事もすごかったね。今まで訪れた国の中でもかなり上位だ。京都と東京に行ったけど、また行きたいよ。次はもっといろいろな所に行きたいね。映画撮影もしてみたい。


今回の映画のダンス・シーンは日本でも特に人気です。撮影時のエピソードを聞かせてください。

リティク・ローシャン: エネルギーに満ちたセット、そしてタイガーとのダンスが、1番の思い出さ。

タイガー・シュロフ: 頑張って撮ったダンス・シーンが日本でも愛されているなんてうれしいね。撮影は『WAR ウォー!!』とは全然違う映画を撮っているようだった。リティクと僕が一緒に踊っているところを見たいと思うのがインドの観客だからね。期待に応えるため、僕たちも振り付けに趣向を凝らした。リハーサルも何時間もやったし、アイデアを出し合って、ステップをより良くしていった。撮影前日になっても、まだ改良の余地を探していたんだ。そして撮影当日になってようやく振り付けを完全に決定した。
 最初のテイクではまるで魔法が効いたかのようにうまくいった。2人の息も合っていたし、周りのみんなも拍手してくれた。僕個人にとっても、ダンスを始めるきっかけとなった人物と映画の中で一緒に踊れるなんて夢のようだったよ。観客の期待にも応えられたと思う。 ダンス・シーンの撮影は、本作の中でも特に大変だったけど、思い出深いものとなったよ。


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この映画において、最も重要な要素は何だと考えますか?

リティク・ローシャン: この映画の帯びる誠実性だと思う。脚本を読んだ時に「本物だ」と思ったんだ。プロットもキャラクターも現実味があった。白か黒かで分けるのではなく、グレーが何層にも重なっているように感じられたね。


日本にはたくさんのインド映画ファンがいます。日本のファンへメッセージをお願いします。

リティク・ローシャン: 日本のみんなが僕たちのコンテンツを愛してくれてとてもうれしいよ。映画製作では世界で共感してもらえるような作品作りを心掛けている。映画人の家族として育った身として、日本の作品が世界のオーディエンスを大事にしたストーリーテリングをしてくれることをいつも尊敬していた。日本の観客のみんな、愛を持って幸運を祈っているよ。健康に気をつけてね。みんなに会えるのを楽しみに待っているよ。

タイガー・シュロフ: 僕は、ボリウッド映画のファン全員のファンだよ。それに日本は人も文化も最高だしね。僕のほとんどのアクション・シーンの着想は、日本の文化や武道から来ているんだ。そんなところもイメージして、映画館で『WAR ウォー!!』を観てくれると嬉しいな。



(オフィシャル素材提供)




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