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『ねばぎば新世界』単独インタビュー

2021-07-01 更新

赤井英和、上西雄大監督


ねばぎば新世界nebagiba
©「ねばぎば 新世界」製作委員会
配給:10ANTS 渋谷プロダクション

 映画『ひとくず』で話題の上西雄大監督最新作『ねばぎば 新世界』。7月10日公開の本作で主演の、勝吉役を務める赤井英和と本作の監督・脚本・プロデューサーを務め、赤井の相棒役・コオロギ役で俳優も務める多才な上西監督、お二人に作品について語ってもらった。


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 本作は、大阪新世界を舞台に、かつてやくざの組をつぶしていた村上勝太郎(通称・勝吉)と弟分・神木雄司(通称・コオロギ)の活躍が描かれる昭和懐古のエンターテインメント作品。今も残る浪速の人情を織り交ぜ、社会の明と暗、善と悪、表と裏の世界観の中でストーリーは展開される。二人の相棒ぶりはかつての大映映画『悪名』シリーズの名コンビ朝吉と清次を彷彿させる。

 上西監督に、本作を手掛けた理由を問うと、「昭和の匂い(空気)を感じていただきたいなと思って……」と語る。キャスティングのこだわりについて聞くと、まず主演の赤井については「僕の憧れの方で、尊敬しています」ときっぱり。


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 一方、赤井は上西監督について「演出方法、脚本も素晴らしく、ほんとに素晴らしい監督です。尊敬します」と話し、相思相愛の関係。さらに、完成作品を観た赤井は「監督の目のつけ所(発想)がいいですね。丁寧に素晴らしく作ってくれています」と上西監督の手腕に絶大な信頼を寄せる。


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 赤井扮する勝吉親分に男惚れする子分・コオロギ。相手が男でも女でも構わず嫉妬する――そんな仕草がキュートで可愛い。上西監督は「親分が大好きなんです(笑)。男女を問わずモテる親分へのジェラシーを入れてみました」と笑顔で語った。また、「人情をベタに描くことを恥かしがらずにやろうと考えました。今作では赤井さんの人柄をどんなふうに輝かせるか、赤井さんの独特な魅力を輝かせたい、と考えながら演出していました」と話す。そんな上西監督の赤井への熱い思いがギュッと詰まった作品になっている。


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 赤井は痛快アクション・ドラマには、まさにぴったりの配役、誠実な人物であり、華やかなオーラを放つ圧倒的なヒーローぶりに惚れ惚れする。見返りを求めない人情の男・勝吉役を見事に体現した。とにかくかっこいいのだ。上西監督の演出の下、のびのびと演じる赤井の姿からは、役者としての充足感が伝わってきた。


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 劇中には、串カツ屋・だるまのご主人との人情話やスナックのママに惚れられる勝吉、コオロギとあるショックを受けて話せなくなった小さな子どもとの感動秘話。赤い帽子の老人の意外な特技、赤井さんの友人の地味だが味わい深い自然体の演技など、笑えたり、ほっこりと温かい、感動するエピソードがたくさん盛り込まれており、上西監督の丁寧な演出が光る。

 だるまやのご主人との関係など温かい人情噺をたっぷり聞かせてくれた赤井だが、「コロナの自粛下の時こそ、“ねばぎば”や。まだまだ先はあるんや! “ネバー・ギブ・アップ!!”を感じて欲しい。諦めたらあかんのや。観ていただけたら、希望を持っていただける作品になっていると思います」と熱くアピールした。赤井はコロナ禍でYouTubeを開設したことを告白。息子さんが動画を製作したことも明かしていた。

 上西監督は「赤井さんとがっつり組むのは初めてですが、納得いくものが出来ました。ベタな日本映画を目指しました。海外でも喜んで楽しんでもらえて光栄です。笑う要素もたっぷり。この作品を観て、気持ちをスカッとさせてほしい」と熱い思いを伝えた。


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 2020年ニース国際映画祭で外国語部門最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀脚本賞(上西雄大)、 2021年WICA(ワールド・インディペンデント・シネマ・アワード)の外国映画部門でも赤井と上西が2人で最優秀主演男優賞を受賞している。

 ラストに赤井が演じる勝吉の「新世界へ戻ろか」というセリフがあり、次回作も期待できそうな展開。楽しみに待ちたい!


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(取材・文・写真:福住佐知子)




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