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『あなたにふさわしい』
オフィシャル・インタビュー

2020-06-08 更新

山本真由美


あなたにふさわしいanafusa
© Shunya Takara
配給・宣伝:アルミード

山本真由美

 兵庫県出身。舞台、映画、CMに数多く出演。落語家(桂喬香)としても活動している。
 第9回田辺・弁慶映画祭にて主演女優賞受賞。『サーチン・フォー・マイ・フューチャ ー』(15/監督:松本卓也)、『テイク 8』(15/監督:上田慎一郎)、『Every Day』(16/監督:手塚 悟)、『ナラタージュ』(17/監督:行定 勲) 、『SHELLandJOINT』(20/監督:平林 勇)他、KTV「後妻業」やEX「白い巨塔」など数多くの作品に出演。
 話題作『カメラを止めるな!』では主題歌を歌唱。最近ではラジオパーソナリティとしても活動している。



 避暑地を舞台とした大人の恋愛映画『あなたにふさわしい』は、2つの夫婦関係を軸に「ふさわしさ」や「名前」を巡る群像劇。6月12日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開を控える本作で主演を務める山本真由美のインタビューが届いた。


山本さんは、上田慎一郎監督の『テイク8』でヒロインを演じ、『カメラを止めるな!』では主題歌を歌唱したり、落語家でもあったりと、多才で、お知り合いも多そうですが、『あなたにふさわしい』への出演オファーはどのように届いたんですか?

 オファーは、まず上田監督から、「実は、『テイク8』を観た方で、次回作のキャストに山本さんを入れたいと言っている方がいます」と連絡があって、それが宝監督でした。


『あなたにふさわしい』は、専業主婦の美希と夫・由則、由則の仕事のパートナー・多香子とその夫・充の2組の夫婦が、別荘を借りて5日間の休暇を過ごすという話ですが、その設定を聞いた時の感想を教えてください。

 危険な匂いのする組み合わせな気もしますし、ちょっと危ういバランスを感じながら、「5日間も一緒に過ごせるのって、なかなかだよ」と思いました(笑)。


脚本を読んだ感想はいかがでしたか?

 美希に関して言うと、奔放すぎるというか、何を考えているのかちょっと分からない部分もあるなと思いながらも、自分の中にも感じたことのあるような焦燥感だったり、皆も抱えているのではないかと思うモヤモヤしたものが描かれていると思いました。人から見ると理由が分からなくても、その人には理由がある、というのは理解してあげたいなと感じましたし、面白そうだなと思いました。


山本さんが演じる美希は、充と浮気をしている、W不倫という設定ですが、浮気をしている女性を演じるにあたって、気をつけたことなどはありますか?

 浮気……いろいろな浮気があるんでしょうね(笑)。そこにフォーカスするというよりは、「ずっと埋まらない何か、ぽっかり空いてしまった穴みたいなものを抱えて人といる」というふうに捉えていたような気がします。正直、充君のことを好きとか嫌いとかそういうものでもないというか、名前のない感情というか、そういう関係性の感覚でした。片方を掴んでいるんですけれど、離しちゃうとパーって飛んで行ってしまいそうな風船のようなふわふわした気持ちを常に抱えて一緒にいたという感じです。


anafusa

由則役の橋本一郎さんはいかがでしたか?

 一郎さんはすごくのんびりしていてマイペースな印象です。元々(充役の)中村さんと仲良しみたいで、その空気感もあってはじめからみんなでお話ししやすかったです。由則さんの悪びれない感じの演技には、ヤキモキさせていただきました。


多香子役の島 侑子さんはいかがでしたか?

 強くて芯のある多香子と侑子さんのイメージは重なります。多香子が車で1人、弱さが溢れるシーンは観ていて苦しくなりました。
 人にコップの水をかけられることも中々ないので、あのシーンも楽しかったです(笑)。
 ストーリーの中ではピリピリした関係性でしたが、実は滞在中は同じ部屋でベッドを並べて寝ていました。就寝前のベッドにそれぞれ寝転がりパックしながら、一緒にストレッチしている時間も良い思い出です。


充役の中村 有さんはいかがでしたか?

 中村さんのゆるっとした雰囲気でみんなを和ませてくれるのはありがたかったです。
 隠しきれない一郎さんとの仲良しさも相まって、オフの時はみんなでよく笑っていた気がします。
 自然にそこにいる感じはステキだなぁと思います。


結城役の鶏冠井孝介さんはいかがでしたか?

 鶏冠井さんとは撮影期間が少なかったものの、一緒に八ヶ岳かな、山を眺めたりしました。結城はすごくミステリアスですけど、鶏冠井さんの普段の無邪気さを垣間見た時、出演者の中で一番若いんだった!と思い出すこともあったような気がします。


撮影時の面白いエピソードはありますか?

 私と充君(を演じる中村 有さん)が撮影がない時は、別荘で待機していたんですけれど、不倫関係という設定なので、2人で散歩に行ってみたりして、秘密感を持つということをしたりしていました。


完成した映画を観た感想はいかがでしたか?

 この作品は、観る時のタイミングで感想が変わると思いますので、観ていただいた方がその時の感じ方をしていただけたらと思っているのですが、私は、人が人を理解するのは難しいけれど、「それを分かろうとする努力、お互いが認め合うことのできる関係かどうか、どこまで許容でき、そこに愛を持っていられるかどうか」というようなことを感じました。


オイド映画祭東京では演技部門で主要キャストが特別賞を受賞しましたが、受賞と聞いて、どう思われましたか?

 賞を頂くためにやっているわけではないんですけれど、それを聞いた時は、この作品が誰かに届いたと思い、素直に嬉しかったですし、今回皆で一緒に軽井沢の別荘に滞在しながら作ったというのもあったので、それを聞いた時は皆の顔を思い出して、「よかったね、報われたね」という気持ちになりました。


本作で特に注目してもらいたい部分はありますか?

 人と人との関係性だったり、「この感情って何て名前なんだろう」っていう時もあると思います。映画ってジャンルでカテゴライズされることもあるかと思うんですけれど、そこにとどまらないというか、この作品にふさわしい名前ってなんなんだろうなと、観ていただいた方に、それぞれつけてもらえたらという気持ちでいます。


読者の方にメッセージをお願いします。

 はじめましての方もそうでない方も、こんにちは。ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
 名前ってすごく大事だと思うのです。先ず、なんて呼んだらいいか分からないとちょっと困ります。音からもイメージが伝わり、輪郭が浮かび上がるような気もします。寄せていく時もあれば、向こうから歩み寄ってくることもあるのではないでしょうか。すでにあるものではしっくりこない時も多々あります。
 自分に“ふさわしい”をはっきり知っている人、見つけている人はすごいな、強いなって思います。憧れもあります。自分にふさわしいってなんだろう?と一度でも思ったことがある方、どこかこの作品に興味を持っていただけた方はぜひ一度、ご覧いただけると嬉しいです。いつか感想も聞けたらそれはもう、あったかくこそばゆい気持ちになります。


anafusa


(オフィシャル素材提供)




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