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『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』初日舞台挨拶

2020-07-27 更新

太田隆文監督

ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶okinawasen 配給・宣伝:渋谷プロダクション
新宿K's cinemaにて公開中ほか全国順次公開
© 浄土真宗本願寺派(西本願寺) 青空映画舎

 7月25日(土)、『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』が新宿K's cinemaにて初日を迎え、太田隆文監督が、満席の観客を前に初日舞台挨拶を行った。
 ※上映は連日朝10時~。


 太田隆文監督「3年かけて取材しました。沖縄のことは何も知らずに、0からスタートしました。だからこそ、一般の人の視点沖縄戦を見られたので、沖縄のことを知らない人に分かりやすく作りました。こういうのは専門家が作ることが多いですが、難しくなりすぎるんです。中学生が観ても分かるように作りました。
 私たちが沖縄戦をなぜ知らないのかと考えたら、学校教育の日本史で太平洋戦争というのは、3学期ですよね。卒業間近でバタバタと終わってしまう。太平洋戦争まで行かない学校もある。若い人に聞いても皆知らない。江戸時代、室町幕府などはやるけれど、沖縄戦なんて「太平洋戦争唯一の地上戦が行われた」の1行ですよ! だから皆知らない。真珠湾やミッドウェー海戦は、『トラ・トラ・トラ!』など映画になっているから皆知っている。原爆は、映画は黒澤 明監督も作っていて、漫画でも『はだしのゲン』があります。終戦記念日が近づくとスペシャル・ドラマがありますが、沖縄戦はほとんど取り上げられないんです。あるのは、リメイクが4本ある『ひめゆりの塔』、岡本喜八監督の『激動の昭和史 沖縄決戦』。でもこれは、映画ファンでもなかなか知らない……というふうに、沖縄戦全体についての作品は、映画、ドラマ、漫画でもない。
 1時間45分じゃまとまりきれないほど一杯話があったんですけれど、取材によっていろいろなことが見えてきました。本作を通して、沖縄戦の歴史が分かるだけでなく、今の時代が見えてきます。特に、コロナ禍で、国や都がやっていることと、沖縄戦時代の政府がやっていたことはとっても似ています。
 「アメリカという国も見えてきます。自分たちの食料は当然持ってきます。日本軍は現地到着が基本だったりしますが、アメリカ軍は捕虜の食事まで持ってきているんです。映画の中で捕虜になった4~5歳の幼児たちが出てきますが、皆同じ服を着ています。アメリカ軍が用意していたからです。アメリカは、戦場をカラーフィルムでも撮影をしています。スチール写真も撮っています。記録フィルムのメイキング班とスチール班がいて、食事や重機を持ってきていて、そんな国と戦争したんだということも見えてきました。
 このように、いろんな角度から観ていただければと思います。
 この映画を見ておしまいではなく、例えばあの人に講演会をお願いしようだとか、泳ぎに沖縄に行くんだけど、帰りにあの資料館に行ってみようだとかいう方のために、全部住所まで書き、知っていくきっかけになるようなパンフレットを作りました。
 戦争をしたいという政治家がたくさんいる今の時代、大きな企業がスポンサーだったら絶対にできなかった映画です。宣伝費も限られている作品なので、観て思うことがあったら、いろいろな人に伝えていただければと思います」。


okinawasen


(オフィシャル素材提供)



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