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『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
公開記念トークイベント

2019-11-14 更新

渋川清彦、山中 崇、平山秀幸監督

閉鎖病棟―それぞれの朝―heisabyoto 配給:東映
大ヒット公開中!
© 2019「閉鎖病棟」製作委員会

 現在公開中の映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』で、衝動的に暴力をふるい、周囲から煙たがられる重宗を演じる渋川清彦と、娘に暴力をふるう由紀の義父・島崎伸夫を演じる山中 崇がトークイベントに登場! クズ野郎役を熱演する2人に、映画が公開して周りからの反響や感想、嫌われ役を演じる難しさを、平山監督と共に語った。


 鑑賞後の観客の拍手に包まれ、渋川清彦、山中 崇、平山秀幸監督が登場。監督「なかなか珍しいメンバーでのトークイベントで、鶴瓶さんには(映画で2人でも悪役を演じていることから)“クソ野郎トーク”をやると言ってきました」と言うと、会場からは拍手と笑いが。

  今回は珍しい主役抜きの悪役2人のトークイベントとのことで、監督は「今回のイベントに私が来た理由は、普段は、渋川さん、山中さんはとても良い人なので、今日はそれを言いに来ました」、悪役を演じる機会が多い山中は「今回も懲りずに、悪役を演じました。心の闇を見出されているのかも(笑)」、渋川は「見た目が(悪役)……って言われることが多いですね」と悪役を演じることが多いことを改めて実感した様子だった。

 けれども監督は、「普通の人が悪をやるほうが面白い。だから悪く見えるような演技をして下さいと言ったことはなく、普通にいて下さい、と言っていました。滲み出る悪を演じていただきましたね」。そう言われて、演技の中で渋川は「悪役は感情をしっかり表せるので演じやすいですね。そして、看護師役の方がイスラエルの格闘技のクラヴ・マガで鍛えていたので、本気で抑えてくれたから、こちらも本気で暴れられましたね」と話した。

 映画が公開し、周りからの反響について監督は、「知人から(本作でカラオケのシーンがあることから)重宗の歌声を聞きたかった、とリクエストが来ました」と言うと、観客もうなづき納得の様子。渋川は「歌わなくて、安心しました」。また、当初は重宗が井上陽水の「少年時代」を歌う設定も想定されていたことが明かされた。

 山中は「映画を今朝、もう一度劇場に観に行って来ました。重宗が1人で(壁に)キャッチボールをする場面で、重宗は誰にも理解してもらえない、さみしい男なのだと思いました」と、2回目で更なる発見があったことを告白。また、そのシーンは、渋川の撮影分が予定よりも早目に終了し、急遽追加で撮影されたカットを編集段階で入れていたと監督が裏側を告白。

 また山中の撮影初日には、病院の入口で昭八(坂東龍汰)を殴り、タクシーで去る芝居だったが、監督が「タクシーの運転手さんは(長野県小諸市の)現地の、本物のタクシー運転手で、(暴力を振るった後、山中が荒々しくタクシーに乗り込んできたので)本当にビックリしていました」と撮影の裏側を告白し、観客は驚きの様子。

 山中は「渋川さんが演じる重宗は、キャッチボールのシーンと言い、哀愁を感じさせるシーンでごまかされて、ずるい、こずるい」とコメント。悪役でも違いがあることに嫉妬している山中の様子に会場からは笑いが。監督は「先に渋川さんの出演場面を撮影してから、山中さんの撮影を行った。その時に、それぞれの悪役の方向性として、渋川さんは暴力、山中さんは変態というイメージで撮影していた」と悪役でも違いを持って撮影していたとのこと。渋川は「冷静に小松さんを見つめながら立っているシーンは、本当に最悪だったと多くの女性スタッフから言われました」と、見事な悪役だった様子。そしてそのシーンが終わった後、あまりの悪役っぷりに監督はガッツポーズをしていた、とトークイベントのMCを務めた三宅はるえプロデューサーから暴露されていた。

 また、本作で鶴瓶と渋川が対峙する緊迫したシーンでは、監督が「原作では、この場面で重宗はバットを持っていたが、映画ではバットを持たずテストをしたところ、人と人の間に生まれる緊迫感が良かった」と話すと、渋川は「このシーンを演じるにあたり、鶴瓶さんとも話しました。前日には鶴瓶さんがスタッフ・キャスト全員を焼肉に連れて行ってくれたのですが、鶴瓶さん自身はダイエットのためにご飯を我慢しているのが印象的でしたね」と緊張感があるシーンのオンとオフについてエピソードを披露した。監督は本作のためにダイエットに挑んでいた鶴瓶のことを「鶴瓶さんは、映画の中では僕らがイメージする鶴瓶さんではなかったが、カメラが回っていないところでは普段通りの鶴瓶さんでしたね」と鶴瓶の自然さについて語った。

 観客から苦労した点を質問され、渋川は「撮影をした病院が標高の高いところにあり、本気で暴れたら息が切れて、裏で酸素を吸っていた」と思わぬ苦労をしていた様子。山中は「心掛けたのは、道などで普通にすれ違った人のようになろうとしました。実はそんな普通の人が裏では危ないことをしていて、(普通ではないとレッテルを張られがちな)患者たちと、どちらが普通なのか。その線引きが実は分からないのではないかと思いながら演じましたね」と演技について明かした。


heisabyoto

 また監督から2人に、良い人役と悪役どちらがいいかと質問があり、渋川は「良い人の役は、例えば専門職の人の場合、セリフが難しかったりするので、アウトサイダーな役のほうが実はやりやすい部分はありますね」、山中は「悪いやつの場合は好きな部分を見つけ、良い人の場合は嫌いな部分を見つけて、役の深みを出したいと思うのですが、悪役のほうが、そういうところを見つけやすいですね」と悪役を演じるに当たっての魅力をそれぞれ語った。

 最後に監督は、「映画は主役で良い人ばかりでは成立しないです、今日はありがとうございました」と悪役の必要性について話し、締め括った。



(オフィシャル素材提供)



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