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舞台挨拶・イベント

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『二宮金次郎』完成披露試写会

2019-04-26 更新

合田雅史、五十嵐 匠監督

二宮金次郎ninomiyakinjirou 配給:株式会社映画二宮金次郎製作委員会
6月1日(土) 東京都写真美術館ホールにて公開ほか全国順次公開
© 映画「二宮金次郎」製作委員会

 映画『二宮金次郎』の完成披露試写会が都内で行われ、舞台挨拶に主演の合田雅史とメガホンを取った五十嵐 匠監督が登壇した。


 本作は、幼い頃に両親を亡くし、兄弟とも離れ離れになった二宮金次郎。青年になった金次郎は、小田原藩主(榎木孝明)から桜町領(現・栃木県真岡市)の復興を任され、“仕法”と呼ばれる独自のやり方で村を復興させようとする――。

 冒頭、下村博文前文科相がゲスト登壇。「これからの大きな時代の変化の中で、チャレンジ精神を持って無から有を生み出したベンチャー精神の映画です。金次郎の生き方を学ぼうという人が増えるのではと思うし、私もその思いが広がっていく日本づくりをしていきたい」と客席に伝えた。

 今作のメガホンを取ったのは、『地雷を踏んだらサヨウナラ』、『長州ファイブ』など実在の人物を撮り続けている五十嵐 匠監督。「僕は偏屈なもので、実在の人物ばかり撮ってきた。映画を作るときはまず、お墓参りから始まる。今回も金次郎のお墓に行って『撮らせてください』とお願いしてきました」と挨拶。続けて「青年期の金次郎は、660もの村々の復興を成し遂げた偉大な人物。そんな彼が、“(村民たちがまじめに働いているかどうか)夜中にのぞき穴から見ている――。”そんな金次郎を描くと面白くなると思ったのがきっかけです」と映画化を決めた理由について語った。


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 金次郎役を合田にオファーしたことについては「金次郎は90キロ、183センチと体格が良かった。体格も似ていたし、金次郎と同郷(小田原出身)だった。それと、『役者生命を懸けて臨む』と言ってくれた。まさに全身全霊で演じてくれて、嬉しく思う」と渾身の演技で金次郎役を務めた合田を称賛した。


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 五十嵐監督は、自らが脚本を8稿まで書いたものの納得したものが書けず、『武士の家計簿』などの柏田道夫氏に託したという。柏田氏は16稿を重ねて感動のエンタテインメント作品に仕上げた。

 一方、主演に抜てきされた合田は、「実在の人物で小田原の偉人ということで何段階もハードルが上がり、どう演じればいいかあがいていた」と、オファーを受けた当時の苦悩を話す。金次郎の生家に行った合田が金次郎の実寸大の銅像を見たときに「顔が祖父に似ていて親近感が沸いた。それで肩の荷が降りて気が楽になった」と振り返った。


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 さらに、合田は役作りのため金次郎(90キロ)に合わせ約8キロの増量。しかし、金次郎の断食のシーンから撮ることが決まり、「話が違うなって……(苦笑)。仕方がないのでプロテインとサプリと野菜だけを食べて1週間で落としました。断食のシーンを無事に撮り終えたら、監督から『4日くらいで元に戻して』と言われて、なんとか元の体重に戻しました。人間やれば出来ます(苦笑)!」と合田の役者魂に会場は沸いた。


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 五十嵐監督は、「金次郎がいま生きていたら何をしているかな……。二宮尊徳が唱えた4つの美徳(至誠、勤労、分度、推譲)は、今の時代になくなってきていますが、その部分(4つの美徳)をこの作品で伝えています」とコメント。

 合田は、「100年後にも残る作品にしようと皆で全身全霊をかけて作り上げた作品です。金次郎がしたことは、没後150年たっても色褪せていない。この時代だから必要とされているものだし、今日の上映がその一歩です」と客席に向かって力強くメッセージを送った。

 音楽は『半落ち』で日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞の寺嶋民哉、撮影は『蝉しぐれ』で同優秀撮影賞受賞の釘宮慎治とベテラン映画人が集結した。

 『二宮金次郎』は、6月1日から東京都写真美術館ホールで公開。製作委員会では、映写機とスクリーンを積んだバン「二宮金次郎号」で、依頼に応じて全国を巡回上映もする。


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(取材・文・写真:Sachiko Fukuzumi)



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