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舞台挨拶・イベント

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『マローボーン家の掟』公開記念トークショー

2019-04-02 更新

大島てる(事故物件サイト「大島てる」管理人)、松江哲明(ドキュメンタリー映画監督)

マローボーン家の掟marrowbone 配給:キノフィルムズ|木下グループ
4月12日(金)より新宿バルト9ほか 全国ロードショー
© 2017 MARROWBONE, SLU; TELECINCO CINEMA, SAU; RUIDOS EN EL ATICO, AIE. All rights reserved.

 映画『マローボーン家の掟』の公開を記念して、事故物件サイト「大島てる」の管理人大島てる、ドキュメンタリー映画監督松江哲明によるトークショーが開催された。事故物件・映画 それぞれの“専門家”である2人が<事故物件の掟><ホラー映画の掟>を考察し、本作の魅力を語り合うディープなトークを繰り広げた。


 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で絶賛を博したJ・A・バヨナが製作総指揮を務めた霊感サスペンス・スリラー『マローボーン家の掟』。森の中に佇む不気味な屋敷に暮らす兄妹に隠された恐ろしい秘密を描いた本作を鑑賞した大島は、「20世紀の外国が舞台のフィクションの作品ですが、こういう事件は日本で最近あったよなと感じました。まだ起きていなかったんだ、いつ日本に起きてもおかしくないなという印象を受けました」と我々にも身近に感じ取れるような恐怖が描かれていると語る。続いて松江は「子どもたちだけで生きていくという部分で、是枝裕和監督の『誰も知らない』という映画を思い出しましたね」とコメントし、続けて脚本やカット割、撮影方法について聞かれると、「スリラー映画だからといって特別闇を強調する作りではなくて、完成された絵画のような絵の中で自然光を活かして自然なタッチで撮っている絵作りがすごく美しいなと感じました。それなのにものすごく脚本が練られていて、伏線がとにかくすごい。たくさんスリラー映画を観ている人でも最後まで結末に気がつかないんじゃないかなと思いました」と、全編に散りばめられた伏線と巧妙なストーリーを賞賛。また「『永遠のこどもたち』の脚本を手がけた監督ということで、ギレルモ・デル・トロの『バンズ・ラビリンス』や『デビルズ・バックボーン』といった映画の流れにある、登場人物の心の中をすごく深く見つけていくという作品なので、そういった映画が好きな人もすごく楽しめるはず」と、スパニッシュ・スリラーとしての魅力を語った。

 『スプリット』『ミスター・ガラス』のアニャ・テイラー=ジョイをはじめとする、今後の映画業界を牽引する若手俳優たちが多く出演する本作について、「長男のジョージ・マッケイは過去に出演した『はじまりへの旅』でも、父親の存在を感じながら下の兄妹だちを守っていくという役でしたが、線が細いのにすごく芯がある」と主人公の演技を絶賛。

 劇中で主人公たちマローボーン家の兄妹が不可解な“5つの掟”を守りながら暮らすことにちなみ、イベントでは松江監督が「怖いホラー・スリラー映画の掟」をフリップで紹介。「1. 主人公が会話をする相手に注意する」「2. 上映時間がまだ残っているのに、ハッピーエンドで終わる」「3. 社会状況を反映させた映画は現実への恐怖感が増す」と提示し、「今生きている現実の社会をものすごくストレートに反映させている。それを社会映画としてではなく、スリラー映画の枠の中でやってしまうのがすごいです」と本作にも共通する掟を語った。

 全国の事故物件を回って巡り、事故物件のプロともいえる大島は「事故物件を見極める掟」を紹介。「1. ひとつの部屋だけリフォームされている」「2. 建物の名前を変えている」「3. 事故後、1人目の入居者には言うが、2人目以降には言わない」と、知られざる事故物件事情を解説。「メディアに報道されている名前が知れてしまった等で画像検索の対策として建物の名前を変えたり、色を変えたりすることがある。同時にそれが事故物件を見抜くポイントにもなる」と、新生活にも使える豆知識を語った。

 最後に大島は、「今の日本でも起こりうる屋敷での事件・事故を連想させる屋敷モノです。楽しめるというより、自分のこととして怖い作品で、犯罪を模倣してしまうようなヒントが散りばめられた作品なので、皆さん真似しないように。この屋敷は紛れもなく事故物件なので、隣の家には住みたくないですね。もし僕のサイトに上がっていたら炎がついている(サイトに掲載の事故物件には炎のマークがついている)」と笑いを誘い、松江も「時間が経ってまた観たくなる作品」と、映画鑑賞前の観客に本作を楽しむためのメッセージを送った。



(オフィシャル素材提供)



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