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舞台挨拶・イベント

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映画『新聞記者』
終戦記念日直前トークイベント

2019-08-11 更新

石田純一(俳優)、前川喜平(元文部科学事務次官・現代教育行政研究会代表)、高橋純子(朝日新聞 論説委員)、河村光庸プロデューサー

新聞記者shimbunkisha 配給:スターサンズ イオンエンターテイメント
新宿ピカデリー、イオンシネマほか大ヒット全国公開中
© 2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

 現在、ロングランヒット中の映画『新聞記者』の終戦記念日直前トークイベントが8月8日(木)に丸の内ピカデリーで行われ、石田純一氏(俳優)、前川喜平氏(元文部科学事務次官・現代教育行政研究会代表)、高橋純子氏(朝日新聞 論説委員)、河村光庸氏(本作プロデューサー)らが登壇、「報道メディアのあり方」について語り合った。また、この日は客席にはジャーナリストの伊藤詩織氏の姿もあり、サプライズ登壇するひと幕もあった。


 6月28日(金)より全国143館で公開され、各地で満席が続出する大ヒットスタートを切った本作は、公開6週目を迎え、動員40万人、興収5億円弱(8月8日時点)と興収5億円間近。そのロングランヒットを記念して、終戦記念日直前トークイベントが8月8日(木)に実施された。ステージに立った石田純一氏は「ちょうど今でも表現の自由とか、それに対する圧力とかが話題になっている中ですが、よくぞこの映画を作ってくださいました。本当によく出来ている映画だなと思いました」と挨拶。

 さらに「日本は政治のことをあまり語らない風土があります。特に芸能人は政治のことを語らなくていい、芸能人は芸能のことだけやっていればいい、という同調圧力があります。だから僕は東京では干されがちなんですよ」と自虐的に語った石田氏。映画の宣伝の過程でも、テレビでの紹介がなされなかったり、広告出稿を断られたりと、苦戦を強いられたが、逆にツイッターやSNSなどで映画の応援団が形成されたという経緯があった、ということを踏まえ、「僕が大阪でレギュラー出演している映画番組の中で、この作品の紹介をしようと思ったことがありました。その時は、参議院選挙の直前という時期でしたが、自分のクビをかけても、番組の存続をかけてもこの映画を紹介したいと思いました。さいわいスタッフもやりましょうと言っていただいて、紹介することができたんですが、おかげさまでいい反響をいただきました」と笑顔をみせた。


shimbunkisha

 続く前川氏も「2年半前に官僚を辞めてから、100%の表現の自由をいただきまして、どこに行っても言いたいことを言わせてもらっています。それまでは38年間、国家公務員だったので、言いたいことはなかなか言えなかった。この映画はフィクションを通じてリアルに迫る。今、われわれが置かれている状況がどういうところにあるのか分からせてくれる映画となっています」と続けた。


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 さらに河村プロデューサーが「この映画は、新聞記者の望月衣塑子さんの本を原案にしていますが、実はもうひとつ。伊藤詩織さんの勇気ある姿に感銘を受けて、日本の政治状況を映画にしたいと思ったということもあります」と明かすと、サプライズゲストとして伊藤氏をステージに招き入れました。本作の劇中では、伊藤氏が被害を受けた事件をほうふつとさせるようなエピソードが登場するということもあり、本作原作者・望月氏から映画のチケットを渡されたそうですが、「でも最初は観る勇気がなかったんです。私のことがどこまで描かれているのか、私の悪夢がフラッシュバックしてしまうんじゃないか。どういう気持ちで観にいけばいいのか悩んでしまって。でも、私も報道、ジャーナリズムをやっている人間として、こういったことを伝える人間として観たいと思ったので、渋谷に観に行きました」。


shimbunkisha

 劇場で本作を鑑賞した伊藤氏は、「画面に映る後藤さゆりさんは私だなと思って。そういえばこんなことも言われたなとか、いろいろなことを思い返しました。この日の劇場は満席だったんですが、いったいここにいる何人の人が(劇中の)後藤さゆりさんが体験したについて知っていて。どこまでフィクション、もしくはノンフィクションだと思って観てくれているのかなと。すごく不思議な気持ちになって。見終わった後も動けずにボーッとしていたんです。そうしたら出口で女性の方から『(伊藤)詩織さんですか。私たちのために声をあげてくれてありがとう』と声をかけていただいて。そこで緊張していた、不思議な気持ちでいたいろいろなものがほぐれて、涙が出てきました。ここにいる人は知っていたんだと。やはり日本のメディアでは、私が体験したことについてなかなか話すことが出来なかったんですが、それがこの映画で、フィクションという形で描かれているのを観て、いろいろな気持ちになりました。やはり観ている人には伝わっていたんだなというのがすごくうれしくて。こういったものごとの伝え方、可能性が日本でもあるんだと思いました」と語った。


shimbunkisha

 また、この日、司会を務めた朝日新聞 論説委員の高橋氏は「安倍一強体制の中で、望月記者が孤軍奮闘していて、彼女を孤立させないことは大事。ただ、望月さん以外の記者は何をやっているんだ、という状況も分断状況を生んでいて。やはりジャーナリズムというものは、個々の記者の頑張りだけではなく、世論の支えも必要なんです。どれだけ正論を吐こうが、政府に都合の悪いことをいうと『お前らは反日だろう』という抗議が押し寄せる中、それでも奮起して、頑張るためには皆さんに支えてもらわなければなりません。現場では望月さんのほかにも戦っている記者はたくさんいます。個々の記者の戦い方は、望月さんの戦い方とは違うかもしれないけど、そういうことも知っていただき、支えていただけたら」と呼びかけるひと幕もあった。


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 その他、ジャーナリズムの役割、戦争とメディアの関係など、トークのテーマは多岐にわたり、集まった観客もその話に熱心に耳を傾けていた。そして最後に「実はいいニュースがあります」と語った河村プロデューサーが「大手芸能プロダクションのトップの方から私宛に電話があり、『よくぞこの映画を作ってくれた』とおっしゃってくれました。そしてもう一社、こちらも大手プロダクションの代表者からも電話があり、『よくぞこの映画を作ってくれた』とおっしゃっていただいた。そしてもうひとつ。韓国での公開を行います。日本人と韓国人の文化交流のためということもあります。詳しくはまた別のところで発表しますが、いいニュースだと思うので、ここでお伝えします」と発表した。



(オフィシャル素材提供)



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