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『影裏』完成披露試写会

2020-02-01 更新

綾野 剛、松田龍平、大友啓史監督

影裏eiri 配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント
2020年2月14日(金) 全国ロードショー
© 2020「影裏」製作委員会

 映画『影裏』の都内で行われた完成披露試写会の舞台挨拶に綾野 剛と松田龍平、メガホンを取った大友啓史監督が出席し作品についてクロストークを繰り広げた。

 本作は、2017年に第157回芥川賞を受賞した沼田真氏の同名ヒューマンミステリー小説を映画化。大友監督が、故郷の盛岡を舞台にした小説に惚れ込んでの映画化となった。消えた親友の真実を求めてさまよう男の「魂の軌跡」が描かれる。


 満員の会場から大きな拍手で迎えられた大友監督は「手塩にかけた作品です。完成して皆さんにお披露目することができて嬉しいです」としみじみ。綾野も「いやー、嬉しいっすねえ。こういう感じ……」と会場を見渡し、感無量な表情を浮かべる。松田も「嬉しい」と笑顔を見せた。

 主人公の今野秋一役を演じた綾野は「大友監督とまたご一緒できる、しかも大友監督が大切にしている原作の映画化に参加できて、素直に嬉しかったです。すごく光栄でしたし、龍平くんともしっかり共演するのは初めてだったので、楽しみが溢れていた状態をよく覚えています」と、出演オファーをもらったときの心境を語る。


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 日浅典博役を演じた松田は「ずっと大友監督と一緒にやりたいと思っていたので、このタイミングでご一緒できたことは意味があると思うし、実りのある、豊かな撮影でした」と述懐した。綾野は大友監督とは『るろうに剣心』、松田は『ハゲタカ』以来のタッグとなる。


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 綾野と松田にオファーした心境を問われ、大友監督は、まず「流麗な文章で、行間が豊かで、感情の埋蔵量が渦巻いている原作で……」と原作の魅力を語り、「2人と一緒に仕事をしたかったということもありますが、原作を読んでいると2人の顔が自然と浮かんできて、もうそれ以外考えられなくなった。2人じゃなかったらやってないかもしれない……」と告白。そんな大友監督の言葉に綾野と松田は「嬉しいですね」と笑顔で喜びを口にした。


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 役作りについて聞かれると、綾野は「全篇、盛岡で撮影できたというのが役作りに役立ちました」と撮影を振り返る。また、毎日のように綾野と冷麺を食べていたという松田は、29日に岩手に舞台挨拶に行ったときも冷麺を食べたという。「美味しかったですね」とにんまり。続けて「その時は梨が入っていたけれど、スイカが入っている冷麺が本当に美味しいんです」と冷麺談議で会場に笑いを誘った。また、劇中で方言をしゃべっていることについて松田は「方言って、あたたかくて、自分で言いながらほっこりしていました」とにっこり。普段の舞台挨拶では無口な松田がこの日はずっと大きな笑顔を見せていたのが印象的だった。


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 『影裏』のタイトルにちなんで物事の表裏の話になると、松田は「スーパーで美味しそうなイチゴのパックを買ったんです。家に帰って食べようと開けてみたら、下のほうにちっちゃい野イチゴみたいなのが入っていてショックをうけました。『まあ、そうだよな。安かったし……』と思い、仕方なく食べたら、ちっちゃなイチゴのほうが甘くて美味しかった」と笑顔で打ち明けた。この松田のエピソードに客席には笑いが起こり、ほっこりムードに。

 綾野は「(松田は)一見、朴訥ですけど、すごくチャーミングで可愛らしい人なんです(笑)」と松田に優しい視線を投げかけた。


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 終盤、節分が近いこともあってヒットを祈願をして豆撒きが行われた。大友監督の故郷でもある岩手では落花生を撒くことにちなんで、3人は落花生を客席に投げ込んで会場を沸かせた。

 最後に、綾野は「愛おしいこと、友情や青春、苦しいものもしっかり映っています。2020年の五輪イヤーに、影裏を生む光を照らしていける作品になれば……」とメッセージを伝えた。



(取材・文・写真:福住佐知子)



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