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舞台挨拶・イベント

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『顔たち、ところどころ』
フランス映画祭 2018
レッドカーペット&上映後トークイベント

2018-06-24 更新

ジュリー・ガイエ

顔たち、ところどころkaotachi 配給:アップリンク
2018年9月、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
© Agnès Varda - JR - Ciné-Tamaris - Social Animals 2016.

 アニエス・ヴァルダとJR(ジェイアール)の共同監督作『顔たち、ところどころ』が、横浜・みなとみらいで開催中の「フランス映画祭 2018」にて上映され、女優としても有名なプロデュ―サーのジュリー・ガイエ氏が登壇した。

 今回健康上の理由で来日がキャンセルとなったアニエス監督と、自身の展覧会のため来日が叶わなかったJRの等身大パネルを両脇に抱え、オープニングのレッドカーペットと本日行われた上映後のトークに登壇した。トークではアニエス監督と本作を作るきっかけとなった経緯や彼女のクリエイターとしてのスタンス、さらには女性監督が置かれている厳しい映画製作の現状にも言及した。



kaotachi

 「ヌーヴェルバーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆者アニエスと、人々の大きなポートレイトを街に貼りだすアートプロジェクトで知られるアーティストJR。本作は、年の差54歳の二人がフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々との交流を通して作品を共に作り残していくドキュメンタリー。製作を手がけたガイエ氏は、20歳の時にアニエス監督作『百一夜』に女優として出演しており、以来、彼女の才能とフェミニストとしての姿勢をリスペクトし続け、その思いからプロデューサーとして、本作のサポートを買って出た。

 そもそも、アニエス監督の娘で衣装アーティストのロザリー・ヴァルダが"母とJRを組ませたら面白いものができる"と発案し、企画がスタート。共同プロデューサーとして声を掛けられたガイエ氏は、「アニエス監督は、家族と仕事をすることをとても大切にしています。そういった意味でもフェミニズムにあふれ、それはとてもいいことだと思って賛同しました」とニッコリ。

 アニエスの生き方が際立った例が、ある映画での記者会見で垣間見られたとガイエ氏は語る。「息子のマチュー・ドゥミ(現・俳優)さんが子供の頃、インタビューの場にいて、記者から“お子さんがちょっと邪魔です”と言われたのですが、彼女はインタビューを中断して、“私のインタビューは、息子より重要ではありません!”と跳ね返したんです。すると記者たちはビックリして、結局、マチューをお膝に乗せてインタビューを続けたそうです」。ロザリーやマチュー、夫のジャック・ドゥミ監督ら、家族と協力し合うことを何よりも大切にしたアニエスのブレない生き方は、本作でも、JRとのやり取りや、村の人々との交流の中にも脈々と流れている。


kaotachi

 また今回、プロデューサーを引き受けて、改めて女性監督の立場の弱さを実感したというガイエ氏。「やはり、女性が映画をとる場合、資金調達の面で、ガラスの天井はあると実感しました。小さな予算の時はOKがもらえるのですが、大規模な予算がつく時は、なかなか難しいのが現状。アメリカでは女性監督は全体の10%くらいで、100~200万ドルのレベルならなんとか話がつくそうですが、それ以上になると、3%くらいの限られた監督のみとなる。ちなみにフランスの女性監督は27%くらいなんですが、お給料は男性の監督に比べて4割低いという状態。私はその状態を打ち破っていきたいと思います」と、プロデューサーとして力強く語った。

 映画『顔たち、ところどころ』は 2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。


ジュリー・ガイエ

 仏パリ郊外のシュレンヌ出身。大学で演劇やダンスを学んだ後、プロの女優としてデビューする。
 クシシュトフ・キエシロフスキー監督の『トリコロール 青の愛』(93)にはエキストラとして出演。映画誕生100周年を記念して製作されたアニエス・ヴァルダ監督の『百一夜』(95)では、ミシェル・ピッコリ扮するムッシュ・シネマの聞き手役に抜てきされる。
 以降、仏国内の映画・TVドラマの双方で活躍し、日本では『君が、嘘をついた。』(96)、『NOVO ノボ』(02)、『メトロで恋して』(04)などが劇場公開された。
 パトリス・ルコント監督の『ぼくの大切なともだち』(06)でヒロインを好演して仏国内での人気が高まり、09年の主演作『エイト・タイムズ・アップ』では東京国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した。
 その他の出演映画に『キッスをよろしく』(07)、『カレ・ブラン』(11)など。プロデュース作品は本作『顏たち、ところどころ』の他『RAW 少女のめざめ』(16)、8月公開予定の『判決、ふたつの希望』(17)など。
 本年のカンヌ国際映画祭で、配給会社を立ち上げたことを発表した。


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(オフィシャル素材提供)




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