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舞台挨拶・イベント

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『サニー/32』公開前トークイベント

2018-01-25 更新

白石和彌監督、髙橋 泉(脚本家)、宇野維正(映画ジャーナリスト)

サニー/3232

配給:日活
2月9日(金) 新潟・長岡先行公開/2月17日(土) 全国公開
© 2018『サニー/32』製作委員会

 現役国民的アイドル・北原里英をピエール瀧とリリー・フランキーの“凶悪”コンビが拉致・監禁することから始まる予測不能のジェットコースタームービー『サニー/32』。メガホンを取った白石和彌監督と脚本を担当した髙橋 泉氏が本作のイベント試写後に登壇。『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)、『凶悪』(13)以来、映画作品としては3作目となる二人のタッグ作を「今年一番レベル!」と評する映画ジャーナリストの宇野維雅氏をMCに迎え、本作の制作裏話から、今後の展望まで語る濃密な時間を展開した。


 上映終了後、興奮冷めやがらぬ場内に盛大な拍手で迎えられた白石監督と高橋氏にMCの宇野氏。本作の企画スタートについて白石監督は、AKB48グループのプロデューサーである秋元 康氏から「北原里英を主演に映画を撮って欲しい」というオファーを日活のプロデューサーを通じて受けたところから始まったと明かす。

32 一方で、高橋氏と共に小学校6年生の女児が同級生を殺害し、世間に大きな衝撃を与えた「ネバダ事件」をベースにした作品を構想していた白石監督は「師匠である若松孝二監督が作っていた60~70年代のアングラな映画にAKB48の現役アイドルを使ったら面白いことになるのではと思った」と振り返ると、作品について「アングラでありながら、過去に起こった実事件からSNSやネットメディアの在り方など極めて現代的な要素まで詰め込んでもエンタメ作品として一切破綻していなかった」と宇野氏。

 続けて、「いろいろな要素が入った作品は破綻しがちなことが多いが?」との問いに髙橋氏は、「ひとつのテーマ以外のことを膨らませると主題がぼやけることが多いのですが、そこは白石監督への信頼があるので全ての要素のボリュームを上げきった」の返答に宇野氏は感服した様子。

32 『凶悪』以降、日本映画界を代表する俳優として確固たる地位を築いたピエール瀧とリリー・フランキーの2人について話が及ぶと、「あの二人をある種のコンビ関係で映画に登場させられるのは僕らの特権」と胸を張り、髙橋氏も静かに頷くと、「このコンビ的な関係性で登場させるパターンはもう何回かイケる」とすっかり味をしめた様子の白石監督の発言に場内からは笑いが。一方、本作は昨今のネットメディアを反映した作品でもあり、特定のネットメディアを意識した演出について、北原里英が出演するライブでの演出を観たことがキッカケだったことも語られた。

 一方で、現在の日本映画界について宇野氏から問われると白石監督は「日本映画は今、冬の時代。これだけ(多くの作品)を撮ってもカツカツ。なにより若い人材が入ってこなくなっているので、その点を変えて行く取り組みはしなければいけないのではないか。実際、監督や脚本家には印税が入らないですから」と神妙に語る場面も。それに対して、宇野氏が髙橋氏にも意見を求めると、「全然、儲かっていますよ(笑)」の一言に会場中が笑い包まれた。

 観客からの質問コーナーでは、白石組常連で高校の後輩でもある音尾琢真が、本作の役柄がなぜ、22歳の設定なのかについて聞かれる場面では、なかなかスケジュールが合わない中で「役に関係なく先輩の映画には出させて!」の猛アピールに、「スケジュールがなかなか合わない中、22歳の役で良ければ」と出演が決まった経緯が語られ、「まぁ、映画ですし」との白石節に笑ってしまう質問者であった。

32 今後の展望に髙橋氏は「女子高生がキャーキャー言いながら、『サニ―/32』みたいな映画を観られるような世界にしたい、この作品を観て何か感じてくれれば」と語れば、白石監督は「映画の作り方は若松監督に叩き込まれましたが、常にハリウッド映画を意識している。実際、マーベル映画大好きですし」と前置きしながら、「今は、監督として恵まれているので勝負したい。日本の映画で育っているので時代劇だったり、それこそ『ゴジラ』を撮ってみたい!」と野望を口にした。

 そして、本作について「今作は“祈り”が一つのテーマ。これまで道を外れた大人の話が多かったが、今回は救える作品になっています。」と新境地となった本作をアピールし、盛り上がりを見せたトークイベントは終了した。


(オフィシャル素材提供)



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