インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash




広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『STAR SAND -星砂物語-』第9回沖縄国際映画祭 舞台挨拶

『STAR SAND -星砂物語-』
第9回沖縄国際映画祭 舞台挨拶

2017-04-22 更新

織田梨沙、ロジャー・パルバース監督

STAR SAND -星砂物語-star-sand

配給:The STAR SAND Team
2017年6月21日(水)より沖縄・桜坂劇場にて先行上映、8月4日(金)より東京・ユーロライブにて公開 ほか順次公開
© 2017 The STAR SAND Team

 ベトナム戦争に反発してアメリカを去ったパルバース監督が“真の反戦映画とは何か”と考え、「1945年の戦時中、戦うことを拒否した“卑怯者”の脱走兵である日本兵(満島真之介)と米兵(ブランドン・マクレランド)、そして彼らを見つめる少女(織田梨沙)の物語」を執筆し、昨年夏、太平洋戦争の激戦地の一つ、沖縄県・伊江島等で撮影した日豪合作映画『STAR SAND -星砂物語-』。三浦貴大、吉岡里帆、寺島しのぶ、渡辺真起子、石橋蓮司、緑 魔子といった実力派の役者が脇を固めた本作は、先日日本外国特派員協会で上映され、国内外のジャーナリストから賞賛を浴びた。

 そして4月22日(土)、本作の撮影地である沖縄で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」の特別招待作品として上映され、上映後15:00過ぎから、本作で映画初主演を飾った織田梨沙(映画『秘密 THE TOP SECRET』ヒロイン)とロジャー・パルバース監督が舞台挨拶を行った。


司会: ご挨拶をお願いします。

織田梨沙: やっと一般の方々に、沖縄の方々に観ていただける日がきて、また沖縄国際映画祭に来られて大変嬉しく思います。

ロジャー・パルバース監督: 雨の中ありがとうございます。監督のロジャー・パルバースです。

司会: 原作、脚本、監督を手掛けられているパルバース監督、この物語ができたきっかけ、映画化をされた動機を教えてください。

ロジャー・パルバース監督: 僕は1977年に沖縄の鳩間島という小さな島に1ヵ月程滞在しまして、初めて星砂を見ました。その時は分からなかったんですけれど、鳩間島には水もない時代だったので、インターネットもなく、後で調べて分かりました。鳩間島には戦争は来たけれど、あまり影響はなかったと聞いて、それは面白いなと思って、いつか小説にしたいなと思いました。だいぶ時間はかかりましたけど、2008年に小説「星砂物語」を書きました。

司会: 監督はヒロインを織田さんに決められたわけですが、その一番の理由はなんだったのでしょうか?

ロジャー・パルバース監督: 皆さんは映画をご覧になったので分かるかと思いますが、こんなに演技力の深く広い若い女優はいなと思うんです。まさに、日本の“若き日のエリザベス・テイラー”だと思います。だからぜひ洋海(ひろみ)役をやってもらいたいなと思いました。

司会: 監督は織田さんの演技のどういうところに惹かれましたか?

ロジャー・パルバース監督: (16歳の)イノセンス(なシーン)もできるし、(後半の)20代の役もできるし、何でもできるし、なんといっても英語が上手いですから。ネイティブに近いので、そこに惹かれました。

司会: 織田さん、純真な部分と強い部分を兼ね備えているという評価を聞いて、織田さんは本作の主演が決まった時、どう思われたのでしょうか?

織田梨沙: 演技経験が浅く、英語のセリフもあり、戦争のお話だったり、初主演ということで、いろいろなプレッシャーを感じました。

司会: でもそんな中で嬉しい気持ちも?

織田梨沙: もちろん、もちろん!

司会: 監督、舞台が沖縄ということなんですが、沖縄を選ばれた理由はありますか?

ロジャー・パルバース監督: 今言った、鳩間島ということもありますし、僕は40年前に初めて沖縄の土を踏んだ時に平和への願いを感じたんです。ものすごく痛感したので、どうしても沖縄じゃないと物語が成り立たなかったのではないかと今でも思います。

司会: 今を生きる少女から女性へと変貌を遂げていらっしゃる織田さんが、太平洋戦争が終わる頃の少女を演じるのは難しかったのではないですか?

織田梨沙: もちろん戦争の時代を生きてきたわけではないですし、歴史などに疎いので、いろいろ大変でした。

司会: 当時のことを想像しながら演じたんですか?

織田梨沙: 監督と話し合ったり、他の方々から戦争時代のことを聞いたりだとか、現場に行った時の洞窟の雰囲気だとか、戦争で崩れ落ちそうになっている建物を見て、少しだけれども自分なりに感じ取りました。

司会: 監督、こうやって、若い、戦争を知らない世代の方々がこの映画を観て、その時代に触れるというのはすごく大事なことですよね?

ロジャー・パルバース監督: おっしゃる通りです。今朝、対馬丸記念館に初めて行きました。疎開中に亡くなった何百人もの子供たちの写真があって、もう涙が止まらないし、言葉が出なかったです。何のためにあの子供たちが死ななくてはならなかったのかと考えると、それは国民のプライドのためなのか、軍人の名誉のためなのか。そんなことは二度と起こらないようにと、「アメリカが悪い」だとか「日本が悪い」だとかの政治抜きで、そのメッセージが映画・芸術という媒体を使って、皆さんの心の中に入れば、“超”満足です。

司会: “超”! ポップな一面を見せてくださいました。劇中、一人ひとりが、星砂の一粒のように、ひたむきに一生懸命生きようとしていたんだなというのが、映画を観ていると分かりました。撮影中はどのような雰囲気でしたか? エピソードはありますか?

織田梨沙: 基本、撮影現場は皆明るくて、皆楽しく一致団結していました。

司会: 坂本龍一さんが作曲した主題曲が流れる冒頭のシーンでは、織田さんが海を泳いで、海から出て来るシーンから始まりますけれど、人魚みたいでした。泳ぎは得意なんですか?

ロジャー・パルバース監督: 上手でした。

織田梨沙: 得意かどうか……好きです。

司会: 監督は現場はいかがでしたか?

ロジャー・パルバース監督: 楽しかったです。なるべくいい雰囲気でと思って。僕は『戦場のメリークリスマス』の助監督だったのですが、大島渚監督はカッとなることで有名です。大島監督からはたくさんのことを学びましたが、そこだけはちょっと教わっていないですね。僕はカッとしない人だから大丈夫かなと。皆さんが描いている“映画監督”のイメージは、怒っているところで、そういうのをメディアの方も見たいですよね。申し訳ないんですけれど、僕は怒りませんので、現場でも皆さんびっくりしていました。

織田梨沙: 「よかったよ~」というような感じでした。(会場笑い)

司会: 先ほど『戦場のメリークリスマス』の話が出ましたが、今回、坂本龍一さんが主題曲を担当されていますよね。初めて曲を聞いた時はいかがでしたか?

ロジャー・パルバース監督: 最高だなと思いました。曲の素晴らしさを活かせるようにと考えました。

司会: 美しい映像と坂本さんの曲の旋律が折り重なって、私たちの心に刻みつけられました。



(オフィシャル素材提供)



関連記事
沖縄先行上映 初日舞台挨拶
三浦貴大 単独インタビュー

Page Top