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舞台挨拶・イベント

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『聖の青春』完成披露試写会

2016-10-28 更新

松山ケンイチ、東出昌大、竹下景子、安田 顕、森 義隆監督
ゲスト:佐藤天彦名人

聖の青春satoshi

配給:KADOKAWA
11月19日(土) 全国公開
© 2016「聖の青春」製作委員会

 東の羽生、西の村山と称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山 聖の一生を描いた話題の映画『聖の青春』(KADOKAWA配給)。公式クロージング作品としての上映が決定し、ますます話題となっている。この度、豪華キャスト・監督が登壇し、本作の完成披露試写会が実施された。

satoshi 本作の初お披露目となるイベントということで、満員の会場は早くも熱気に包まれMCの呼びかけで松山ケンイチ、東出昌大をはじめとするキャストと監督が登場すると会場には鳴り止まんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。

 まず始めに挨拶したのは、主人公・村山聖を演じた松山ケンイチ。「今日は足をお運びいただき、ありがとうございます。なぜ、皆さん洋服なのに僕と東出くんだけ和服なのでしょうか。その答えは東出くんが知っています! 短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします」。

 続いて、羽生善治役の東出昌大。「本日はありがとうございます。劇中でも和服を着ているのですが、将棋は、ただ盤と駒を使うだけではなくて、日本の伝統美みたいなところがあるのでそれがスクリーンに映えて、目にも美しい映画になっていると思います。今日は楽しんでください」。

 聖の母・村山トミコ役の竹下景子。「15歳というほんの小さな……あ、松山さんは大きいんですけれど(笑)、子供を手元から離して、見守っていくという母親役でした。この映画には、ライバル同士の絆や師匠と弟子、親子のいろいろな形の絆が描かれています。どうぞごゆっくりお楽しみください」。

 聖の先輩棋士・橘正一郎役の安田 顕。「この作品を望まれた監督の元で、素晴らしいキャスト・スタッフと共にこの現場に携われたことを心より感謝申し上げます。松山さんと東出さんが和装姿ですけれどスクリーンの中では、今以上に様になっている村山さんと、羽生さんに出会えると思います」。

 本作のメガホンを取った森 義隆監督は、「今日が一般のお客様に初めて観てもらえる日なので、不安半分、楽しみ半分という感じでまだフワフワしているのですが、皆さんと良い舞台挨拶にできたらなと思っています」と、それぞれが本作に対する意気込みを語った。

 MCより、本作を最初に観た感想を問われると、松山は「実際にスクリーンに映っている自分の姿を見ると、自分の中で整理がつかない状況になって、まだこの作品に対して答えを見い出せていないので、皆さんの感想も聞きながら、ゆっくりその答えを確かめていけたら良いなと思います」と答えた。

satoshi 東出は、羽生善治役のオファーが来た際にマネージャーと思わず握手をしたほど嬉しかったそうで、「テレビ番組で、森内俊之九段との特集を見たことがきっかけで、羽生さんに憧れを抱くようになりました。台本を手にした時は鳥肌の立つ思いでした」と、羽生さんへの思いを熱く語った。

 実在する人物を演じるにあたり、役作りには苦労もあったそうで、松山は「村山さんとお付き合いのあった方からお話しを聞いたり、昔の映像を参考にさせていただきました。それだけだとただのコピーになってしまうので、特に、病・死との向き合い方については監督とよく話し合い、内面から村山さんと向かい合いました」と明かし、東出は「撮影初日に、ただ佇むというシーンがあったのですが、監督に芝居をするなと言われたんです。リアルというものが現場にはあったのではないかと。お芝居ってどういうことなのか考えながら、精神性を大事にして取り組みました」と言う。

satoshi 松山は、村山が実際に身に着けていたネクタイを、東出は、羽生から譲り受けたメガネを実際に劇中で着用しており、松山は「村山さんは、ネクタイを着崩した着こなしをよくしていて、トレンチコートを着たり、髪型を変えてみたり、彼は自分で村山聖像を作っていたんだとうなと思うんです。そこが可愛くもあり、ユーモラスな面でもあって。そういった一つひとつが村山さんの青春の一部だったんだと感じます」、東出は「僕はプロ棋士ではありませんが、メガネだけは本物なんです。嘘のないものを借りられたことは大きな力になりました。実際に羽生さんにもお会いして、僕が思っていた完璧な人という羽生像とは少し違って、なんというか、すごい人でしたね」と、それぞれに思いを語った。

 さらに、監督の演出について話が及ぶと、「この企画に出会ったのが29歳で、村山さんが亡くなったのも同じ年ということで、なぜ彼は将棋を選んだのかということにフォーカスしました。棋士を演じたキャストの方には、内なる闘志を表現したいなと思ったので、棋士の方の写真集を渡して研究もしていただきました」と森監督。対して、松山と安田は、「負けました」というセリフが難しかったと口を揃え、棋士の人生のすべてがかかっている、このセリフが本作の見どころの一つだと語った。

 次に、村山と羽生の関係に因み、ライバル的な存在は誰かと問われると、松山は「ライバルは自分ですね。自分に勝たなけれな、村山聖という人間を演じることはできませんし自分に負けちゃダメだという気持ちは、今までで一番強く感じました」、東出も同じく、俳優は白黒つけられない仕事であるというとこで、ライバルは自分だとコメントし、安田は「チームナックスのメンバーは20年ほど志を共にしている同士でもありより刺激をもらえるライバルだと思っております」、竹下は、「女優さんって素敵だなと思ったのが、イングリッド・バーグマンでした。彼女の生き方は本当に前向きで、生涯現役を通した、そんな生き方ができたらなと今も思い描いています」、そして森監督は、「ライバルといえば松山さんです。彼と出会って、僕が想像していたところを遥々と超えられて負けましたという気分になりました。自分が監督として出来ることを広げて、松山さんを倒さなければと、思っています」と打ち明けた。


satoshi ここで、今年5月の第74期名人戦で羽生善治を破り、新名人となった佐藤天彦名人が、スペシャルゲストとして登場! 佐藤名人は、以前より本作の噂を耳にして、本日のイベントを非常に楽しみにしていたそうで「村山さんを題材にした映画が公開することによって、少しでも将棋に興味を持っていただけると嬉しいと思いますし、ぜひ村山さんの生き様を感じて欲しいです」と本作に大きな期待を込め、メッセージを寄せた。


 棋士の外せない対局の道具といえば扇子だが、この度、各々が座右の銘や今の想い、映画への想いを込めた言葉を書いた「揮毫(きごう)入り扇子」を持参し、込めた想いを語った。

 森監督:<聖魂> 村山さんの魂とずっと向い続けました、清らかな魂ということで、そんな映画になっていれば嬉しいなと思います。

 竹下:<絆> ライバル同士、師弟愛、家族、そういった絆の中で生かされているということに私も胸を打たれましたので、この言葉を選びました。

 安田:<おだやかに> 時間にせっかちなものですから、ここ最近は穏やかにいることを心がけています。

 東出:<無私> 私利私欲を捨てたり、自分を捨てて他所のものになるというのが役者の仕事だと思います。この映画で無私の境地に行くことができたので、これからも欲を出さずに仕事に打ち込めたらと思います。

 松山:<好きに勝るものなし> 原作を読んだ時に、村山さんの生き方に心を揺さぶられまして、同時に村山さんを好きになりました。この人を演じられるなら、自分も全部捨てられるという思いがあったからこそ、今があるんだと思います。決して楽なことばかりではありませんでしたが、好きという気持ちは全部超えますよね。


 最後に、森監督と松山が観客に向けてメッセージを贈った。

 森監督:大きな何かに撮らされた映画かなと思っていて、時間はかかりましたが、今ではこのキャストたちと出会うための時間だったと思っています。村山さんに惚れた人たちが集まって自然と出来上がった映画ですし、今日からいろいろな人に広がって映画が大きくなっていければ良いなという思いでおります。

 松山:僕はこの作品に携わって、自分の人生を大事にしたいと、心から思うようになりました。皆さんもこの作品を観ていただいて、何か心に残していただけますと幸いです。


(オフィシャル素材提供)



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