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『東京無国籍少女』上映記念トークイベント

2015-07-13 更新

清野菜名、金子ノブアキ、押井 守監督

東京無国籍少女tms

配給:東映ビデオ
7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
© 2015東映ビデオ

 7月25日(土)に公開の映画『東京無国籍少女』。劇場公開を記念してTSUTAYAの新宿店にて華麗なトークイベントが開催された。

 本作が映画初主演となり、本作で過激な軍隊アクションを披露した主人公・藍役の清野菜名、清野とは初共演で敵対する役どころを演じた金子ノブアキ。そして『攻殻機動隊』、『イノセンス』などを手がけ、世界からも注目を集める押井 守監督が登壇した。

 衝撃のラスト15分を匂わす最新予告の上映後、清野菜名、金子ノブアキ、押井 守監督がモーツァルトの曲のBGMとともに登場。まずは全員から台風接近中の中、会場まで足を運んでくれたことに感謝の挨拶を述べ、押井監督は「嵐が来る!」と意味深な発言で会場を沸かした。

 世界の押井作品で映画初主演を飾った清野菜名は、オファー時の気持ちについて「すごく嬉しかったけれど、主演への驚きとアクションへの期待も大きく、本気で取り組もうと思いました。押井監督のことはあまり知りませんでした」と世界の押井を前に素直な発言が飛び出し、大物感を漂わせる。

 一方、押井監督ファンだという金子ノブアキは、「『アヴァロン』が大好きです。僕はポーランドの血が入っているんですが、初めてポーランドの景色を見たのがその作品でした。モーツァルトの曲が流れる中での撮影は押井監督の作品に出演しているんだという実感を感じながら演じられる現場で感激しました」と語った。

 そんな2人へのキャスティングの経緯について押井監督は「藍という主人公の候補は10人ぐらいいました。今まで若い女の子を撮ったことがないので自分の中に選ぶ基準がないんだよ。そんな中でも歩く感じが印象に残ったのが清野さんで、赤坂の某所で会ったんだよね。かわいいとか美人とかいうこと以外に、何かを感じた。誰かを殺してもおかしくないんじゃないかという特異的な雰囲気ですね。金子さんについては、『パトレイバー』へのキャスティングで検討したことがあるんだよね。いまどきの日本人と少し異なる雰囲気があるんだよね。だから会ってすぐに決めました」監督のキャスティングへの話はまだまだ続く。

 「りりぃさんは、途中で設定が変わりましたね。色っぽいおねえさんだと、それはキャスティングじゃなくて、自分の好みになっちゃうからね(笑)。一番不安だったのは、3人娘」監督が不安だった3人娘の話が出たところで話題は舞台となった女子高に移る。女子高生たちに囲まれた現場は監督にとっても初体験だったと思うが、ギャップを感じることはなかったのだろうか。「清野菜名とのジェネレーション・ギャップはなかった。撮影中は役でしか見ていないから、違和感はなかったけど、撮影が終わってから私服姿で会ったときには違和感を感じたね」と、押井監督の熱いトークは続く。

tms 次に脚本が薄かったことが話題になると、監督は「脚本がとても薄かったということについて「薄かったね。セリフもほとんどなかったしね。助監督やらはうるさく言ってきたけど、大丈夫だよ……と。でも実は過去に前科があるんだよね(笑)。大丈夫って言って、編集したら60分しかなかった。20分ほど足らなかったっていうね(笑)」細い目をさらに細めながらの発言の後、技術的な仕掛けについて「そこにあったら不思議なもの、机の上にあるものなどに細かい仕掛けをしてるんだよね。だから繰り返し観てわかる作品だと思う。動き方にも謎めいたことが多かったね。清野は、それを“なぜだ!”って聞いてくるんだよね。納得しないとできない性格なんだよね。ある程度説明はするんだけど、全ては教えていない。仕掛けが仕掛けとして見えないような作り方をした。前半の60分が辛いということを言う人もいるんだよ(笑)。でも人間って緊張感が高まると眠くなるんだよ。60分経つとびっくりするよ(笑)!!」と語り、話は前半の60分から後半部分へ。

 金子も「前半の60分の違和感が後半の驚きにつながっていくんです」と話し、衝撃のラストを演じた清野は、「今までの日本映画になかったのではないかなというぐらいすごいなって思います」と振り返り興奮気味に発言すると、「一番気に入っているのは、殺陣のキレもあるんですが、遮蔽物のないところで戦わなければいけないので、休みのないノンストップ・アクションになっているところですね。そしてきれいな子だというだけでアクションをさせても成立しないと思っていたので、いいタイミングでいい女優に会ったということです。この作品は、映画の女神がほほ笑んでくれた作品と言えると思う」と満足げな監督に、隣の清野もにっこり。

 アクション・シーンについては、「練習期間が実質2日しかなかったので、自分にとっては挑戦でした。AKという銃も初めてだったし、マガジン・チェンジも見ないでやってほしいと言われてしまったので、家に持ち帰ってマガジン・チェンジの練習をしていました。必至で練習したのに、本番では全く違う型のAKを持ってこられて、めちゃくちゃ驚きました! 3分ぐらいのアクション動画を見せられて、これを覚えてくださいと言われた時には「えーー!! ふざけんな!」って思いました(笑)」と清野。金子は「僕はアクションというのは弾着だけだったんですが、1ヵ所しかなかっただけに逆に緊張しました。彼女のアクションは、素晴らしかったですね。お芝居の延長でやらなければいけなかったと思うんですが、造形的にもキレイで素晴らしかったです。この作品のアクションを観たら、みんな彼女のファンになるし、海外からもオファーが来ると思いますよ!」この金子の賛辞には「あーー来てほしい!」と満面の笑みを浮かべた清野だった。

 1時間を超える熱いトークイベントの最後は、「本作のアクションは、全身全霊で臨んだアクションなので、皆さんに観ていただきたいと思います」(清野)、「清野さんのアクション・シーンは、本当にすごい。すごいものを見てしまったという感じです。この作品の仕掛けと流れを捉えながら、この作品の化学反応を感じてほしいです。押井監督の世界に入れたことがとても光栄でした。是非、劇場でご覧になってください」(金子)、「映画漬けだった2~3年だったんですが、本作が最後でよかったと思います。なかなか作られないタイプの映画だと思いますが、いたってシンプルな映画でもあります。出来上がりには非常に満足しています。アクションだけでなく、色っぽい映画でもあります。エロもやってみると、意外に楽しい(笑)。しばらくエロと暴力でやってみようかな(笑)!?」(押井)と挨拶。

 今後の押井監督が新たな分野参入の可能性を匂わせてのトークイベント終了となった。


(オフィシャル素材提供)



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