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作品紹介

トップページ > 作品紹介 パプーシャの黒い瞳

2015-05-12 更新

原題:PAPUSZA
パプーシャの黒い瞳papusza
© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013



イントロダクション

 言葉を愛したがゆえに、一族の禁忌を破った女ひと性がいた。実在したジプシー女性詩人パプーシャ。

 パプーシャの生涯には謎が多い。映画では、わずか15歳で年の離れたジプシー演奏家と結婚したこと、彼女の才能を発見した詩人イェジ・フィツォフスキとの出会いと別れ、ジプシーの社会を追放されたことなどが描かれ、この実在した女性詩人の生きた日々を鮮やかに映像に刻印している。

papusza パプーシャの人生の軌跡は、激動のポーランド現代史と重なっている。それは、「ポーランド」という国が一時的に消滅していた20世紀初頭から、国家としての復活、第二次大戦の悲劇、そして戦後の社会主義ポーランドの誕生から、その終焉へ……。映画は半世紀以上にわたる、いくつもの時代を描いている。『パプーシャの黒い瞳』は、ひとりのジプシー女性の物語であり、同時に激動の時代にあってジプシーたちが直面した史実を伝える。それはまた、20世紀から21世紀へ、世界が何を得て何を失ったのかをも、私たちに問いかけている。

 監督は、これまで日本での劇場公開作は『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』(04)のみだが、『借金』(99)、『救世主広場』(06)でグディニャ・ポーランド映画賞グランプリに2度も輝く、ポーランドの知られざる名匠クシシュトフ・クラウゼと、その妻ヨアンナ・コス=クラウゼ。クシシュトフ・クラウゼは惜しくも2014年12月24日に61歳で永眠し、本作が遺作となった。

 いくつもの時代を再現したモノクローム撮影を担当したのは、クシシュトフ・プタクとヴォイチェフ・スタロン。全編に渡り、光と影の絵画のような美しさに目を奪われるが、ことに大勢のジプシーが馬車で移動する姿を捉えたロングショットの素晴らしさは言葉に表せない。また、本作の音楽を担当したのは冒頭のオペラ曲“パプーシャのハープ”の作曲者、ヤン・カンティ・パヴルシキェヴィチ。心沸き立つジプシー・ミュージックの魅力も圧倒的である。

ストーリー

papusza 書き文字を持たないジプシーの一族に生まれながら、幼い頃から、言葉に惹かれ、文字に惹かれ、こころの翼を広げ、詩を詠んだ少女がいた。ブロニスワヴァ・ヴァイス(1910-1987)。愛称は“パプーシャ”。ジプシーの言葉で“人形”という意味だ。

彼女は成長し、やがてジプシー女性として初めての「詩人」となる。しかし、その天賦の才能は、外部者に秘密を漏らさないことを掟とする社会において様々な波紋を呼び、彼女の人生を大きく変えることになった……。


(2013年、ポーランド、上映時間:131分)

キャスト&スタッフ

監督・脚本:ヨアンナ・コス=クラウゼ、クシシュトフ・クラウゼ
撮影:クシシュトフ・プタク、ヴォイチェフ・スタロン
音楽:ヤン・カンティ・パヴルシキェヴィチ
出演:ヨヴィタ・ブドニク(パプーシャ)、ズビグニェフ・ヴァレリシ(ディオニズィ)、アントニ・パヴリツキ(イェジ・フィツォフスキ)ほか

配給
ムヴィオラ
岩波ホール、大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開中!!

オフィシャルサイト
www.moviola.jp/papusza/

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